8位 プジョー508
プジョーは新型508において、スタイリング重視のクルマがひしめくこの市場をリードする立ち位置を確保した。このクルマはコンパクトサルーンの中でも比較的小柄であり、後席のスペースは控えめだ。
しかし、508の特徴的な側面のラインに加え、目立つデイタイム・ランニングライトやフレームレスのドアなどが際立つ個性を放っている。
先代508よりも80mm短く、70kg軽く仕上げられているが、ハッチバック・スタイルのリアゲートにより荷室へのアクセス性が確保されている。エンジンはディーゼルが主体だが、1.6Lのガソリン・ターボも設定され、223psを発生する。
ハンドリングは俊敏でありながら、大径ホイールを選択しても洗練された乗り心地が味わえる。しかし、最上位のGTモデルにのみアダプティブ・ダンパーが用意される。
7位 フォルクスワーゲン・パサート
フォルクスワーゲン・パサートの強みはたくさんある。インテリアは整然として作りも良く、走りも洗練され完成度は高い。エクステリアはやや控えめだがハンサムで、その装備類も十分だ。
ユーロ6対応の4気筒ディーゼルは洗練性、パフォーマンス、経済性を兼ね備え、PHEVのパサートGTEを選べばさらにCO2排出量を低減することができる。
2019年のフェイスリフトに伴いGTEのバッテリーが大型化され、およそ70kmにわたりゼロエミッションでの走行が可能となった。
パサートは快適な長距離クルーザーであり、その運動性能においてはジュリアやXEにはかなわない。その代わり、落ち着いた走りを見せてくれる。交通戦争から離れてゆったりとした移動をしたいのであれば、こんなクルマがおすすめだ。
6位 アウディA4
カンパニーカーとしての需要が根強いアウディA4はキャビンの質感も高く、外観もスマートだ。そしてエンジンも洗練されて経済的であり、インフォテインメント・システムも素晴らしい。
ただしA4の欠点を挙げるとすればそのドライビングエクスペリエンスだろう。ドライバーへの刺激よりも高速域でのスタビリティが重視されているという印象だ。
しかし、これは高速道路を使用した長距離移動にはもってこいの特性と言える。ガソリン、ディーゼルともに航続距離は長く、洗練されスムーズなエンジンが搭載される。
また車内の乗員のためのスペースも十分に用意されており、コストパフォーマンスに優れる1台となっている。
5位 ボルボS60
ボルボはこの3代目S60サルーンにおいて、コンパクトサルーン市場における存在感を示している。またこのモデルはサウスカロライナで生産されており、欧州以外で生産される初のモデルとなった。
見た目も良く、乗り味も良く、落ち着いていて実用性も高いこのS60は、スポーティさをそれほど重視しない層に受けているようだ。パワートレインの洗練度は高く、FFらしさを残しながらも良好なハンドリングと快適な乗り味が魅力だ。
ただし、乗り味の洗練性を求めるのであればオプションで用意される大径ホイールは避けるべきだろう。
現在販売されているのはT5という250psのターボを搭載するグレードだが、そのパフォーマンスは十分だ。もちろん、より下のグレードや高価なオプション、それにハイブリッドなども今後追加される。ただし、ディーゼルは設定されない見込みだ。
4位 メルセデス・ベンツCクラス
3シリーズ、ジュリア、XEなどが走りに重点をおく中で、メルセデスはより高級感と洗練性を追求している。W205型CクラスはSクラスのミニチュア版とも言えるが、それは運動性能においても同様だ。
車内の質感はクラス最高レベルで、インテリアの欠点を挙げるとすれば背の高いひとが後席に乗ると若干狭いといった程度だろう。
どのグレードを選んでも標準装備のレベルは高く、上位モデルに与えられるテクノロジーおよび素材はまさに驚きの水準である。
ただしCクラスのハンドリングはそれほど魅力的とは言えないが、メルセデスらしい落ち着いた乗り味を求めるのであれば何ら不満はない。古い2.1Lのターボ・ディーゼルを廃し、代わりに導入された2.0Lユニットはより高効率かつ静かになっている。
3位 アルファ・ロメオ・ジュリア
ジュリアはアルファ・ロメオ復活劇の立役者となったモデルだ。新しい後輪駆動プラットフォームをベースに、クラスをリードするハンドリングを与えている。ルックスもよく、強力なエンジンとの組み合わせによりアルファのブランドに見合うパフォーマンスが魅力だ。
刺激的なコースを走ってみると、ハンドリングのアジリティ、バランス、それにコンパクトなサイズ感のおかげもあり、ディーゼルモデルであっても十分なスポーティさを見せる。
ただしドイツのライバルたちと比べるとインテリアの質感では劣る部分もある。そしてインフォテインメント・システムの出来は悪く、ここは要改善だ。
しかし、最上位のクアドリフォリオではまた話は別だ。フェラーリ譲りのV6ツインターボは510psを発生する。より燃費を追求する向きには、ディーゼルがおすすめだが、こちらもパフォーマンスに不満はない。
2位 ジャガーXE
ジャガーにとってこのXEを世界で最も完成されたコンパクト・サルーンにするという試みは、非常に大きな挑戦であった。ブランドのコンセプトはそのままに、このクラスに与えた影響は大きいだろう。英国の道でドライバーを第一に考えたビジネスサルーンをお求めなら、このクルマが最良の選択だ。
柔軟な乗り味とハンドリングを両立し、英国のクロスカントリーでの走行を器用にこなすのだ。このクラスの内でも比較的小柄であり、扱いやすさとともにステアリングの正確性とハンドリングのバランスが際立っている。
ガソリンおよびディーゼルのインジニウム・エンジンのもたらすパフォーマンスはハンドリングほどの個性は見られない。特に上位モデルのガソリンエンジンと4WDシステム、それにATの組み合わせはパフォーマンスと燃費の両面でやや不満が残る。しかし、新しいD180ディーゼルはカンパニーカーにぴったりだろう。
ハンサムなルックスだが、その室内空間や荷室容積についてはBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスに及ばない。ただし、キャビンは2019年のフェイスリフトにあたりアップデートされ、質感が大きく向上している。
1位 BMW 3シリーズ
BMW 3シリーズが7代目となりわれわれのコンパクトサルーン・ランキングの頂点に返り咲いたのは、単なる幸運ではない。
新型3シリーズはハンドリングや走りの魅力が大幅に向上している。搭載されるエンジンもパフォーマンスおよび効率性の両方でクラスをリードし、これより上を望む方が難しいほどだ。それに加え、豪華で広く洗練されたキャビンも与えられ、このG20型3シリーズはまさにクラス最高の仕上がりと言える。
ただし、すべてのひとの需要にマッチしているわけではない。この3シリーズはスポーティさを追求していることから、先代のF30型などと比べるとより硬くシャープな乗り味となっているのだ。例えば最近ではジャガーXEやアルファ・ロメオ・ジュリアなどのようだ。
BMWのエンジンは品質面では不足はない。最量販モデルである320dがそこら中に走っていることからもわかるだろう。速さ、ドライバビリティ、効率性、洗練性などあらゆる面でライバルを上回っている。
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