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マセラティ・グレカーレ MHEV プロトタイプへ試乗 ステルヴィオの兄弟SUV 後編

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マセラティ・グレカーレ MHEV プロトタイプへ試乗 ステルヴィオの兄弟SUV 後編

ステルヴィオと同じプラットフォーム

マセラティ・グレカーレ・プロトタイプを発進させてみると、旋回性と俊敏性の秀でたバランスに気付く。アルファ・ロメオ・ステルヴィオと似ている。

<span>【画像】マセラティ 新型グレカーレとレヴァンテ 競合するパフォーマンスSUVと比較 全151枚</span>

ポルシェ・マカンのように、ボディロールを完全に打ち消そうとはしていない。流れるようなコーナリングを実現するため、適度に抑制されている程度だ。

ステアリング・フィールには少し人工的な手応えがあるが、重み付けは適正で、レシオも程々にクイック。マセラティのグランドツアラーらしい性格が、グレカーレにも与えられているように感じた。

コーナー出口でアクセルペダルを踏み込むと、リアタイヤ主導の駆動力分配でテールが外へ膨らむ。予想より早めにステアリングホイールを直進状態に戻し、脱出していける。すべての挙動が頼もしい。

親近感すら湧くドライバーズカーらしい個性を生んでいる理由は、アルファ・ロメオ・ステルヴィオだけでなく、ジュリアも採用するジョルジオ・プラットフォームをベースとしているからだろう。その強みが表れている。

左右のタイヤの間隔、トレッドはステルヴィオより広く、マセラティはクラス最大の車内空間を実現したと主張している。19インチから21インチまで選択できるホイールも独自のものだが、基本的にシャシー構成はステルヴィオに準じる。

サスペンションは、可変式の3チャンバー・エアサスペンションを搭載するため、微調整を加えた程度だという。フロントのダブルウイッシュボーンは、入念に煮詰められたようだが。

特徴となるダイナミック・コントロール

ちなみにグレカーレでは、従来的なコイルスプリングとダンパーという組み合わせも選択できる。しかし、低速域での柔軟性と高速域での姿勢制御の両立を考えれば、最上級のエアサスペンションに支持が集まるのだろう。

実際、エアサスペンションは波長の長い路面のうねりをしなやかにいなし、細かな凹凸も見事に吸収。プロトタイプの乗り心地は、クラス上位に位置するものだった。マセラティ独自の油圧ブッシュも、一役買っているはず。

インテリアの高い質感と合わせて、ステルヴィオには備わらない強みといっていい。

さらにグレカーレの特長となるのが、マセラティが開発したダイナミック・コントロールシステム。アンダーステアが発生しそうな場面では、システムがエンジンの出力を調整。必要に応じてブレーキの制御も行い、ラインを維持できるようにアシストしてくれる。

ドライバーは、意に介せずアクセルペダルを踏み込んだままコーナリングさせることも可能。ステアリングホイールの角度が戻り、グリップやトラクションが充分に得られるとシステムが判断すれば、絞られていた出力は自動的に開放される。

腕利きのドライバーなら、電子的な介入を喜ばないかもしれない。だが、ダイナミック・コントロールの仕事は極めて迅速で、感心するほど滑らか。平均的なドライバーには、自分で大きなクルマをコントロールしているという満足感を与えるはず。

イタリアンな情熱に長距離の親和性

エグゾーストノートも、ドライバーの気持ちをアゲてくれる要素の1つ。マセラティは、甘美なサウンドもブランドの特色だと考えているから、抜かりはない。

スポーツ・モードを選び、アルミニウム製のシフトパドルを弾けば、パワフルで粘り強い2.0L 4気筒ユニットが特徴的な雄叫びを聞かせてくれる。マイルドが付くとはいえ、ハイブリッドとは思えない。

ステアリングホイールにはフェラーリのマネッティーノ・ダイヤルに似たスイッチがあり、ドライブモードの切り替えは一発。思わず窓を開いて、リアルなサウンドに浸りたくなる。オーナーの子供心も満たしてくれる。

間もなく登場する、中型SUVのマセラティ・グレカーレ。長い歴史を持つブランドとして、過去最も多くの支持を集めるであろうことは想像に難くない。マセラティは2025年までに、グレカーレとレヴァンテが、売り上げの4分の3を占めると予想している。

クルマ好きとしては複雑な気持ちになるが、昨今の自動車メーカーにとって、主力モデルがSUVであることは間違いない。スポーツカーを得意としてきたブランドでも。

少し無感情的なアウディSQ5やポルシェ・マカンとは異なり、グレカーレはイタリアンな情熱を感じさせてくれた。兄弟モデルといえるステルヴィオより長距離走行との愛称も良く、プロトタイプながら訴求力は高いと感じた。

量産仕様へ試乗できる日を、楽しみにしていたい。

マセラティ・グレカーレGT MHEV プロトタイプのスペック

価格:−
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.6秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1870kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー+電動スーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/5750rpm
最大トルク:45.8kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • これがフェラーリの中身か。
    ランボルギーニとやってることは同じだな。がっかり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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