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やっぱりセダンはいい! と、思わせるカムリの魅力とは?──トヨタ カムリWS試乗記

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やっぱりセダンはいい! と、思わせるカムリの魅力とは?──トヨタ カムリWS試乗記

最初に書いておくと、私はセダンが好きだ。だから、トヨタ カムリもけっこう気に入っている。“セダン冬の時代”ゆえ、見かける機会はそう多くないが、街を走るカムリはなかなかカッコいい。

現行カムリの日本仕様は、2.5リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載する。4.8m超の伸びやかなボディに、よく似合うパワーユニットだ。

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今回あらためて試乗したカムリは「WS」という2018年8月にくわわったグレードだ。カムリ好きの私にはより好ましく思えるモデルである。ボディサイズはほぼ変わらないものの、ごくわずかに全長が延びて4.9mになったほか、好き嫌いがわかれたフロントマスクも変更された。

正直いって、ラジエターグリルがむき出しになったような、これまでのフロントマスクは好きになれなかったので、個人的には大変よろこばしい限りである。

ようやく試乗が叶ったカムリWSは期待を裏切らない1台だった。注目すべきは、新設計のダンパー、内外装のデザイン変更、それに「JBLプレミアムサウンドシステム」をはじめとする、いくつかの装備が追加された点だ。

178psの最高出力と221Nmの最大トルクを持つ2487cc直列4気筒ガソリンエンジンに、202Nmを発揮する電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムに変更はない。決して小さくないボディサイズであるが、パワーもトルクも十分だ。

たとえば発進は、電気モーターの大トルクによってスムーズだし、中間加速もふたつの動力源の協調制御によって力強い。あらゆるシーンで気持ちのいい走りを体感できる。

新しいダンパーを得たサスペンションシステムによって乗り心地も快適だ。また、ステアリングの応答性もいい。それなりのボディサイズを持つセダンにしては意外なほど俊敏だった。ステアリングの反応速度はもう少し穏やかなほうがいいかもしれない、と思ったぐらいだからだ。

インテリアも一部変更された。試乗車は合成皮革とファブリックを組み合わせたシートを備えていたが、これがよかった。以前試乗したカムリの本革シートは表面が滑りやすく、いまひとつ乗車中に落ち着かなかったが、このあたりが大きく改善され、快適にからだをあずけていられるようになったのだ。

また、これまでどこにもなかった時計がメーターパネルに追加されたほか、施錠/解錠と同時にドアミラーが自動で格納/展開する機能もくわわった。細かな改良によって利便性も高めている。

さらにWSは、ルーフ部分をブラックにする2トーンカラーも設定された。しかもブラック部分はルーフにくわえて、リアクオーターピラーの途中までだからずいぶんと凝った塗り分けだ。試乗車は濃いブルーのボディカラーをベースに、ブラックのルーフであったが、よく見ないと2トーンであることがわかりにくい。このへんの奥ゆかしさというか、しゃれっ気ともいえる演出は個人的に嫌いではない。

「ドライブの楽しみを知るおとな向けのセダン」というのが、カムリWSの総合的な印象だ。さらに、オプション設定された「JBL」のハイファイシステムを備えれば、よりドライブが楽しくなるはずだ。

9つのスピーカーを使う8チャンネルのシステムで、フロントシートにツイーターとミッドレンジ、リアシートにフルレンジとサブウーファーを設けている。ユニークなのはAピラーに設置された25ミリ径のツイーターのデザインだ。「ホーン」と呼ばれる皿型のくぼみが設けられていて、それが帯域を出来るだけ(下の音域にまで)拡げるはたらきを担う。

開発初期の段階からトヨタとJBLブランドを有するハーマン・インターナショナルの技術者どうしが音づくりで協力しあっているという。

前述のAピラーのツイーターも両社の協力がなければ実現しなかった。本来Aピラーはエアバッグと遮音材(のみ)を入れるスペースであるが、「耳の高さに近いところで鳴るのがいい音」といった点を重視し、スピーカー用にもスペースを“分けて”もらっているのだ。

たしかに、JBLのスピーカーはいい音を響かせる。しかもハイレゾ音源だったから、なおさらいい音だった。「音楽ぜんたいの臨場感や雰囲気を伝える」といったJBLの特長がよくあらわれていると思った。

聴いたのは、TOKUやSaigenjiなど、私もよく知っているミュージシャンにくわえ、録音技術の高さでも知られるデンマークの女性ジャズボーカル、Inger Marie Gundersenのアルバムなどだった。器楽演奏にしてもボーカルにしても、ツボをしっかり聴かせてくれる。

ちなみに、圧縮音源(スマートフォンにダウンロードした音楽など)を聴くときは、デバイス側の音量を最大にしたうえで、車両側の音量を調節すると、よりよい音で聴けるという。

カムリWSの試乗記を書いていたら、オーディオについての記述が増えてしまった。とはいえ良質の音は、カムリ WSによく合う。乗り心地のよさとともに、移動の時間がより楽しく感じられるからだ。

もし私がカムリ WSを買うなら、いい音を奏でるオーディオシステムははずせないので、41万3640円のオプション(「T-Connect SDナビゲーションシステム」とセット)であるが装着を検討すると思う。

車両価格は従来からの「G」が353万1600円であるのに対して、「WS」は367万2000円で、「WSレザーパッケージ」は434万1600円だ。

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