この記事をまとめると
■2024年問題対策のひとつにフェリーの利用が挙げられる
これからの時代「けん引免許」が重要になる! 2024年問題を解決する「中継輸送」のトレーラー・トラクタ方式とは
■「南海フェリー」が新サービスをスタート
■「早乗りサービス」の内容について解説する
始発便の「早乗り」でドライバーの休息時間を確保
2024年問題、こと働き方改革関連法の物流・運送業への本格適用。それにより今後起こるであろうドライバーの人手不足や輸送量の減少といった問題を解決するため、国土交通省や運送業界ではフェリーの利用やトレーラーを用いた中継輸送など、トラックドライバーの労務負担を軽減する対策を模索している。
そんななか、関西圏と四国を結ぶフェリーを運航する「南海フェリー」が、トラックドライバーの負担を減らし、運送会社の労務管理をしやすくする新サービスをスタートした。同社は和歌山県和歌山市と徳島県徳島市を1日8往復するフェリーを運行。このたび導入された「早乗りサービス」は、和歌山港および徳島港を出港する始発便に限り、フェリー船内に早くから乗船できるという貨物車限定のサービスだ。
従来、フェリーを利用するトラックは港のターミナルで乗船手続を終えたあと、出港直前(15分ほど前)まで乗船口の付近で待機する必要があった。そのため、フェリーターミナルまで早く到着しても車内で長時間待機させられ、ゆっくり休むことができなかった。またその待機時間のほとんどは勤務管理上の「休息時間」にカウントできず、「拘束時間」となっていた。つまりこのフェリーの待機時間はドライバーにとっても、そのドライバーを管理する運送会社にとってもデメリットになっていたわけだ。
こうした状況を解消するため、南海フェリーは今年の1月4日から和歌山港と徳島港を午前2時台に出港する始発便で、深夜のトラックドライバー向けに乗船時間を出港2時間前まで早めるサービスをスタート。この「早乗り」で港での待機時間が一気に短縮され、ドライバーは船内でゆったり休息がとれるようになった。また、出港前と船の航行時間を含めると、このフェリー航路にてドライバーはおよそ4時間の休息時間をとることができ、それによりドライバーの負担が減るとともに、運送会社は勤務管理がしやすくなるというメリットを得ることができるのだ。
「早乗りサービス」の利用方法は、和歌山港発の始発便(下り2便2時40分発)は23時50分までに、徳島港発の始発便(上り2便2時45分発)は24時までにそれぞれの港の乗船券発売窓口で事前受付をし、乗車券発券後は乗船待機場所まで車輌を移動させ、最終便が港に到着してすべての車輌の下船が終了後、速やかに乗船。そこからは下船までゆったり船内で休めるというわけだ。
狭い車中で乗船の連絡を待ちながらの中途半端な時間の休憩より、広々としたフェリー船室で休んだほうがドライバーの疲労が回復するのは明らか。そしてその休息により、下船後は運転に集中し、安全な運行が可能に。ドライバーに優しい、フェリー運行会社の深夜のおもてなしサービスは、2024年問題解決へのひとつの方策となってくれるはずだ。
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