安価な1100から価格が2倍のRS1600まで
英国フォードが設計・開発を進めた初代エスコートは、それまでにない小型車だった。車重は約800kgと軽量でありながら、先代のコンパクト・サルーン、アングリアよりボディサイズはひと回り以上大きく、ベーシックなエンジンでも30%以上強力だった。
【画像】ラリーで大活躍 フォード・エスコート Mk1 復刻モデルのMST 同時期のマスタングも 全105枚
スタイリングは洗練され、空気抵抗を示すCd値は0.40。空力特性にも優れていた。フロントガラスは緩やかにカーブを描き、ホイールは12インチと小ぶりで、車内空間は広く取られていた。
4速MTは、変速時にギアの回転数を合わせるシンクロが標準。車内の換気機能は有能で、ステアリングラックは高精度なラック&ピニオン。当時は珍しくなかった、シャシーの定期的なグリスアップは必要なく、約8000km手間いらずな点も魅力だった。
人気に伴い、ラインナップは拡大。ベースグレードのエスコート 1100から、価格が2倍するエスコート RS1600まで、19種類も提供された。
デラックス・グレードを選ぶと、丸いヘッドライトとラバー製のフロアマットが標準装備。スーパーには長方形のヘッドライトが組まれ、カーペットが敷かれた。
エスコート 1300GTでは、大径バルブと高圧縮比、ウェーバー・キャブレター、ハイリフトカム、4股の排気マニホールドでエンジンを増強。クロスレシオのMTに前輪ディスクブレーキ、スポーツサスペンション、ワイドなホイールなどで走りを引き締めた。
取引価格は高騰中 2ドアボディは盗難の恐れも
エスコート・ツインカムでは、ツイン・ウェーバーキャブとクロスレシオのMT、リアはドラムのままながら大径ブレーキなどで更に武装。当時の試乗テストでは、グレードを問わずステアリングとシフトフィールを絶賛。特に1300GTは、高評価を得た。
フォードのモータースポーツ部門は、リミテッドスリップ・デフやマグネシウム製ホイール、燃料インジェクション・システム、FRP製ボディパネルなどを提供。ラリーやレースへの参戦を、手厚く後押しした。
ただし、ハイスペックなモデルほど評価を伸ばしたわけではない。RS1600では、不足ないパワーと抑えられたボディロールによる圧巻の操縦性を得つつ、荒れた路面における高速域での安定性が犠牲になっていた。
そんな初代エスコートだが、世界的な人気に伴い取引価格は高騰中。2015年の時点では、極上コンディションのRS2000が5000ポンド、平均的な状態の1300Eなら1000ポンド程度で探すことができた。しかし最近は、到底その予算では入手できない。
精巧な復刻モデルも、英国では提供されている。予算が潤沢にあるなら、MST社のウェブサイトを訪れてみてはいかがだろう。
部品の流通は、高性能なモデルならさほど悪くない。エスコート・メキシコやRS2000のレプリカを作る目的で、2ドアのボディは盗難されることも。ベーシックなグレードは珍しく、部品の入手が難しくなっている。
オーナーの意見を聞いてみる
真っ赤なエスコート・メキシコを溺愛する、ジョン・セス氏。「自分が最初に買ったクルマが、エスコートの2ドア、1100でした。それ以来夢中になり、同時に8台所有していた時期もあります」
「最初の1100は、1600のエンジンに2代目エスコートのトランスミッション、フォード・カプリ用のストラットとディスクブレーキでアップグレード。その3年後に、メキシコを買ったんです」
「1300EやRS1600を所有していた時期もありますが、このメキシコは32年目。放置されていたクルマを発見し、オーナーを探し出し、購入したんですよ。その後、数年前のクラシックカーのイベントで、初代オーナーとの再会も叶いました」
「モーターリングニュース・ラリー・チャンピオンシップへ参戦した車両だとわかり、当時の見た目で仕上げてあります。レストアは、専門ガレージのASMクラシック社に依頼しましたが、素晴らしい仕事ですね」
英国で掘り出し物を発見
フォード・エスコート 1300GT(欧州仕様)
登録:1971年式 走行:4万2000km 価格:2万7500ユーロ(約445万円)
1300GTは、スポーティなエスコートでも手頃な側にあり、派手に改造されてきた例が珍しくない。この例も同様だが、適度にヤレているため、罪悪感を抱かずに思う存分乗り回せるというメリットはある。
エンジンは高圧縮比化された1298cc。内装の状態は素晴らしく、エンブレムやストライプなど、丁寧に復元されている。ロスタイルのスチールホイールがカッコいい。整備記録も相当量残っているようだ。
フォード・エスコート・メキシコ(英国仕様)
登録:1974年式 走行:1万2650km 価格:5万4995ポンド(約1023万円)
驚くほど走行距離の短い、高価なエスコート・メキシコ。1974年に、フォードのAVOワークショップを出荷した時のまま、と評価される状態にある。
オプションだったラリーライト・パッケージと、カスタム・パッケージが盛り込まれている。ラリー・スポーツシートや、アップグレードされたダッシュボードなど、すべてのアイテムが当時のままで、まさにコレクターズ・コンディションだ。
中古車購入時の注意点などは、フォード・エスコート Mk1 UK版中古車ガイド(2)にて。
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