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映画『時計じかけのオレンジ』の劇中スーパーカーが、2000万円で落札!

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映画『時計じかけのオレンジ』の劇中スーパーカーが、2000万円で落札!

■世界に現存する車両はたったの2台! そのうちの1台がオークションに出品

 毎年8月も半ばを迎える頃になると、本来ならばオークション・マーケットからはさまざまな話題が届く時期である。

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 もちろん今年も、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスが開催されるスケジュールに併せて、オンラインという手法で各社はオークションを開催する計画だが、それが実際のリザルトにどう影響するのかは予想できない。

●アダムス・ブラザーズを知ってる?

 ここで紹介するのは、2020年8月14日に開催されたボナムス1793の「クエイル・モーターカー・オークション」に出品されたモデルである。

 1969年式の「M-505アダムスブラザーズ・プローブ16(以下M-505プローブ16)」といわれても、その存在を知るマニアはごく少数だろう。なぜならこのモデルは、わずか3台が生産されたのみの、超希少車であるからだ。

 このモデルを生産したのは、一時日本にも輸入されていたイギリスのマーコスである。マーコスは、軽量で高剛性のシャシにコスワース・チューンの1リッターエンジンを搭載したモデルであるマーコスGT「ザイロン」でレースにおいて好成績をあげていたが、さらにそのリニューアルを目的として1961年にマーコスへと入社したのが、デニスとピーターの、アダムス・ブラザーズだった。

 ザイロンのリニューアルが終わり、さらにいくつかのモデルの開発に携わった後、ピーターはマーコスを去り、続いてデニスも自由な立場で、とりわけエアロダイナミクスの究極的な最適化を目指すために、M-505プローブ16を開発することに着手したのだった。

■映画『時計じかけのオレンジ』に登場する激レアスーパーカーとは

 実際に完成したM-505プローブ16は、確かにストイックなデザインを持つモデルだった。そのディテールに一切の妥協はなく、一方キャビンが快適な空間であることは、ガラスウインドウから容易にそれを想像できる。

●意外と快適な車室空間

 リアミッドに搭載されるエンジンは、1.9リッター直列4気筒で、これはイギリスのジャン・スピード社のチューニングによるものである。

 最高出力は100psと発表されており、ミッションは4速MT。サスペンションは4輪独立型で、ブレーキも4輪にディスクブレーキが与えられる、

 生産された3台のM-505プローブ16は、最初の1台が火災で全焼してしまったということで、現存するのは2台のみだ。出品車は長年アメリカのピーターセン自動車博物館によって保管されていたもので、1969年のロンドン・モーターショーでは「ベスト・スタイリング・エクササイズ」を受賞。

 3番目のモデルもレストアで完全な修復を受けたということだが、ヒストリーはやはり今回の出品車がもっとも魅力的なストーリーを持つように思う。

 ボナムス1793によれば、このM-505プローブ16の予想落札価格は1600万円-2700万円と幅が広く、主催者側でも予想がつきにくかったものと思われる。

 最終的な落札価格は、1971万2730円。スポーツカーの歴史を語り、モーターショーで受賞したヒストリーを持つ。

 そして何より、スタンリー・キューブリックが手掛けた映画『時計じかけのオレンジ』の劇中車として鮮烈に登場したまさにそのものの個体。主役を演じたマルコム・マクダウェルその人の直筆サインも書かれている。映画好きならずとも、その価値には十分に値する価格といえるのではないか。

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