「パジェロ」の名が最初に登場してからすでに半世紀
三菱「パジェロ」の起源は思いのほか古い。1973年の第20回東京モーターショーに「三菱ジープ/パジェロ」の名で登場したのが最初で、これはJ52をベースに、ロールバーやバケットシート、サーチライトなどを装着、レジャーカー風に仕立てた、いかにもプロポーザル的なショーモデルだった。さらに1979年には、今度は「三菱パジェロII」を東京モーターショーに出品。こちらはグッと量産型に近づいたイメージ。そして1981年の同ショーではついにほぼ量産車然としたキャンバストップ(エンジンは2.3Lのディーゼルターボを搭載)の「パジェロ」が姿を現し、いよいよ市販を待つばかりに。今回はそんな歴代パジェロの足跡を振り返ってみたい。
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初代(1982~1991年) 国産クロカンSUVの歴史を刷新した
1982年に登場した初代パジェロは、当初、2350mmのホイールベースのいわゆるショートボディのキャンバストップとメタルトップの2タイプ、搭載エンジンは2Lのガソリンと2.3Lディーゼルのターボとノンターボの計3機種を設定。いずれもポルシェに技術供与したサイレントシャフトを採用した。ターボディーゼルは「4WD初」とカタログでもうたわれている。3連メーター(油圧計/傾斜計/電圧計)の並ぶインパネをはじめ室内は乗用車ライクで、路面からの振動を吸収するサスペンションシートなども設定。スタイルはボクシィさを基本としながら窓ガラスを含めて曲面構成とし、横風の影響にも配慮したデザインだった。
バリエーションでは、登場翌年の1983年になり5ナンバーのメタルトップワゴンが設定されたほか、ロングホイールベース&ハイルーフ化された4ドアが登場。1986年には4ドアミッドルーフも登場している。1989年になるとワイドボディも設定された。
もちろん初代といえば「パリ・ダカ」の総合優勝を達成したことも忘れられない。1982年~1990年までの累計生産台数は62万2151台。
2代目(1991~1999年) 90年代RVブームの横綱として君臨
世界市場でも高い人気を得るに至った初代の後を受けて1991年1月に登場したのが2代目パジェロ。この2代目は当初からワイドバリエーションを展開し、初代を上まわる人気を集めた世代でもあった。
当初からバリエーションに用意されたのは2種類のホイールベースと4つのボディタイプ。ホイールベースは2420mmのショートとそれより305mm長い2725mmのロングがあり、ショートはメタルトップとJトップの2種、ロングはミッドルーフとキックアップルーフを設定。さらにメタルトップとミッドルーフには全幅1785mmのワイドボディも設定された(ほかにメタルトップとキックアップルーフにはバンも設定)。このうちロングボディ(乗用車)は3列/7名乗りとし、多彩なシートアレンジを実現。ショートボディは初代に対し後席座面幅を400mm拡大した5名乗りとしていた。
搭載エンジンは3LのV6(6G72型・155ps/24.0kgm)、2.5Lのディーゼルインタークーラーターボ(4D56型・105ps/24.5kgm)および同・ターボ(85ps/20.0kgm)でスタート。V6はその後3.5LのDOHCをGDI(直噴)化、3LもSOHC 24バルブ化された。
またドライブトレインに「スーパーセレクト4WD」を採用したのもポイント。これはビスカスカップリングと、フロントにシンクロフリーホイールデフを採用し、100km/h以下であれば走行中に2WDと4WDの切り換えを可能としたシステムだった。
それと1997年9月には「パジェロエボリューション」が、パリ・ダカールラリー参戦ベース車として登場。280ps/35.5kgmの3.5L MIVEC DOHC(6G74型)を搭載し、本格オフロード4WD初の4輪独立サスペンション、迫力ある専用外観デザインを採用したモデルだった。
3代目(1999~2006年) よりグラマラスなスタイルに一新
3代目パジェロは「野生の山猫が獲物を狙う瞬間に見せる緊張感と躍動美」(広報資料より)をデザインテーマに、グラマラスなスタイルに一新。ジープ由来のフロントミッドシップは継承しつつ、ホイールベースは2代目に対してショートボディで+125mm、ロングボディで+55mm、トレッドも両ボディともフロント+95mm、リア+80mmに、全幅は全車とも1875mmに拡大した。さらに「新ビルトインフレームのモノコック構造」の採用で軽量化も図った。
エンジンは新開発の4気筒DOHC 4バルブの3.2Lインタークーラーターボ直噴ディーゼルと、V6の3.5L GDIの2機種を設定。4WDシステムのSS4II(スーパーセレクト4WD II)は可変式前後駆動力配分を採用した。ATはスポーツモード付きINVECS-IIとしていた。
4代目(2006~2019年) シンプル志向のデザインへと回帰
さらに2006年10月に発表された4代目パジェロは、3代目に対し全幅を20mm狭めつつ、全長は伸ばす(ロング、ショートとも+130mm)などしたうえ、抑揚をおさえて2代目に回帰した印象のスタイルに。搭載エンジンは3.8LのV6 MIVECエンジン(6G75型)と3LのV6 ECI-MULTI(6G72型)の2機種を設定。進化させたASTC(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)、より質感を高めたインテリアなどを採用。オールラウンドSUVとしての機能性をより高めたモデルとしての実力を発揮した。
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