■かつて絶大な人気を誇った「ハイラックスサーフ」の現代版とは
かつて日本で発売されていたトヨタ「ハイラックスサーフ」は、日本では2009年に販売終了となりました。しかし、海外では「4ランナー」の車名で現在も販売が続けられています。4ランナーとは、どのようなクルマなのでしょうか。
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4ランナーは、高い車高と大きな車体、堅牢な構造を持つ本格的なオフロード車です。その特徴のひとつに、ラダーフレームを使用した強固なボディがあります。
国産車では、車体全体がすべての構造を支えるモノコックボディが主流となっていますが、ラダーフレームは、ベースとなるフレームに車体を載せる構造をしています。
この構造は、車体剛性に優れており、ねじれやたわみにも強いとされています。そのため、オフロード車などの本格的な悪路走行を想定したクルマに採用されることが多いのです。
実際に北米トヨタのWebサイトでは、4ランナーが急な砂利の坂道や、深いたまりをものともせず駆け抜けるシーンが公開され、強靭なボディと走行性能を活かしたオフロードでの活躍をアピールしています。
また、4ランナーにはTRDの名を冠した「TRDオフロード」というグレードがあります。なかには「4ランナーベンチャースペシャルエディション」という、専用のルーフキャリアを装備したものもラインナップされ、悪路やオフロードを強く意識したクルマであることがわかります。
4ランナーのサイズは、全長4820mm×全幅1925mm×全高1816mmで、日本で販売されている車種としては「ランドクルーザー」が全長4950mm×全幅1970mm×全高1880mm(一部グレードは1870mm)ですので、かなり大きなサイズであることが伺えます。
一方で、価格はランドクルーザーよりも安く、現地アメリカのランドクルーザーが8万5415ドル(約914万円)であるのに対し、4ランナーは3万6120ドル(約387万円)からです。
なお、外観デザインとして、ベンチャースペシャルエディションではボンネットに専用のダクトがあり、専用アルミホイールと、悪路走行も可能な265/70R17タイヤを装備しています。
装備も、アクティブトラクションコントロール、ヒルスタートアシストコントロール、リアデフロック、そしてエンジンの速度を調整してオフロードでの操縦性を向上させる「CRAWLコントロール」と、あらゆる地形でのグリップを向上させる「マルチテレーンセレクト」を搭載。
4ランナーは現在、中型SUVとしてアメリカ、カナダ、ペルーなどで販売されています。とくに南米の高地には未舗装の悪路も多いため、4ランナーのようなオフロード車のニーズの高さが伺えます。
■日本で姿を消したものの、新型が登場している車種
4ランナーは、かつて日本でも「ハイラックスサーフ」の名前で販売されていました。
日本ではSUVやクロスオーバースタイル、ミニバンが人気を誇っており、4ランナーのように堅牢なラダーフレームを持つクルマは少なくなっています。
一方、海外ではかつてのハイラックスサーフのように、大型で頑丈なクルマの需要は依然として残っています。
こうした日本と海外の需要の差から、日本では姿を消しつつも、海外では後継車種が販売されている例は4ランナー以外にもあります。例えば、トヨタ「ハイランダー」もそのひとつです。
ハイランダーは、かつて「クルーガー」の名前で販売されていたSUVです。2000年に初代が登場し、2005年にはハイブリッド車が投入されましたが、1世代のみで販売が終了してしました。
しかし、北米では2007年に2代目が発売され、現在は2019年に登場した4代目が販売されています。ハイランダーはオーストラリアでも販売され、こちらでは日本と同じ「クルーガー」となっています。
また、オーストラリアでは現地特有の装備である「ナッジ・バー(ブル・バー)」が、オプションとして用意されています。
日本では「アニマルガード」と呼ばれることもあるこの装備は、オーストラリアでは「ブル・バー」と呼ばれ、走行中に動物と接触した際にクルマのダメージを軽減する装備です。
ハイランダーおよびクルーガーは、4ランナーのような強固なラダーフレームではなく一般的なモノコックボディですが、ハイブリッド車が設定され、比較的リーズナブルな価格なこともあり人気を集めています。
※ ※ ※
日本では、道路の整備が進み、悪路を走れる堅牢なクルマの需要はごく限られたものになっています。しかし、世界では悪路が多い地域も少なくありません。
そうした地域では、ハイラックスサーフのように、丈夫なクルマが求められ続けているといえるでしょう。
日本では姿を消していったクルマたちのなかにも、海外では変わらぬ人気を誇り、販売され続けている車種もあるのです。
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