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日本未導入! マツダ CX-9にオーストラリアで乗る──立派であることのマルとバツとは?

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日本未導入! マツダ CX-9にオーストラリアで乗る──立派であることのマルとバツとは?

CX-9と聞いてもピンっとこない人がほとんどのはず。かくいう筆者もそうだった。オーストラリアではじめて実車をみたとき「あれ? このクルマはCX-8?」と、思ったぐらいだ。

しかし、CX-8とCX-9は似ているようで違う。とくにボディの大きさが異なる。CX-8が全長×全幅×全高:4900mm×1840mm×1730mmに対し、CX-9は全長×全幅×全高:5075mm×1969mm×1747mm。全長がプラス175mm、全幅がプラス129mm、そして全高がプラス17mm、CX-8より拡大されているのだ。

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ちなみにCX-9と似たようなサイズのクルマは、トヨタ ランドクルーザー(全長×全幅×全高:4950mm×1980mm×1880mm)や、ボルボ XC90(全長×全幅×全高:4950mm×1930mm×1775mm)、メルセデス・ベンツGLS(全長×全幅×全高:5130mm×1935mm×1850mm)など。つまり、相当な大きさである。

したがって、日本でCX-9を見れば一目で違いに気づいたはずだ。しかし、オーストラリアの街中では、普通に全長5m超のホールデンのクルマやトヨタ「ハイラックス」が走る。そうしたなかでは、CX-9は決して大きなクルマではなく、普通サイズのクルマだったのだ。

乗り込むとボディ拡大分の恩恵を感じる。とくに3列目シートの広さには驚いた。頭上、足まわりともにCX-8と比べ大きな余裕がある。CX-8の場合、身長168cmの筆者でさえ、せいぜい中距離移動までが耐えられる広さであるのに対し、CX-9であればおそらく長距離移動でも耐えられるのでは? と思うほどの広さであった。もし、3列目を常用したいSUVユーザーであれば、きっと喉から手が出るほど欲しくなるはずだ。

さらに、ラゲッジルームも拡大されている。3列目使用時の容量には大きな差がある。CX-9は計測しなくとも、思わず「広い!」と発してしまうほどの余裕だ。

とはいえ、これらはすべてボディ拡大の恩恵だ。日本ではサイズを持て余しそうであるものの、国土も広いオーストラリアであれば問題ない……と、思いきやそうでもないようだ。

今回、われわれを案内してくれたコーディネーターの人が所有するクルマはおなじマツダでも「CX-3」だ。都市部の駐車場はスペースが限られるため、CX-9では駐車しにくいところが多いという。だから、コンパクトなCX-3を選んだそうだ。たしかに、メルボルン市内はコンパクトカーが目立つ。コーディネーターの人とおなじように、都市部での運転を考え、コンパクトカーに乗る人は多いそうだ。

オーストラリアで「CX-9が大きい」と、思われるのは意外だった。

運転すると、ビッグサイズゆえの美点や欠点があった。搭載するエンジンは、CX-8も搭載する2488cc直列4気筒DOHCターボ(231ps/5000rpm、420Nm/2000)。スペックは日本仕様とほぼおなじだ。

走り出してすぐ、加速性能の違いに気づく。日本で試乗したCX-8より、緩やかだ。車両重量を調べるとCX-8の1880kgに対し、CX-9は2000kgもある。プラス120kgの違いは大きかった。とはいえ、決して鈍重ではなく、十分な加速性能を有する。ストップ&ゴーの多いメルボルン市内でも不自由な場面はなかったし、郊外のハイウェイを走っても必要十分な加速性能だった。

特筆すべきは乗り心地だ。車両重量が増した分、重厚さも増したように思う。CX-8も決して悪くはないが、それよりもしなやかさが増している。オーストラリアの路面状況はそれほど悪くないが、メルボルン市内はトラムが走っているため、道路のいたるところに線路が敷かれている。それらを通過する際のショックが、絶妙に抑えられ、終始快適だった。

だから、異国の地でのドライブも存分に楽しめた。メルボルン市内から郊外のヤラバレーまで、約1時間近くの運転も疲れ知らずだった。優れた乗り心地はもちろんのこと、高度な運転支援機能も疲労軽減に寄与する。日本ほど車線がくっきり見えないフリーウェイでもLKA(レーン・キーピング・アシスト)は問題なく機能するし、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の加減速もナチュラルで、違和感はなかった。

一つ問題があったのは燃費だ。往復約150km(都市部:2、郊外:8)をドライブした結果は、車載の燃費計で8.9km/L。車両重量2000kgに2.5リッターターボエンジン&4WDの組み合わせだから、好燃費が望めないのは致し方ないかもしれないが、カタログ値は11.4km/Lだから、もう少し伸びて欲しかった。

取り回し性については、クルマが多く走るメルボルン市内での運転も、不自由は一切なかった。360°カメラも備わるから心強い。おそらく、東京都心部でもそれほど運転に困らないように思う。

インテリアデザインはCX-8とほとんど変わらない。マツダ独自のインフォテインメントシステム「マツダコネクト」も標準で備わるうえ、操作方法もおなじだ。SDカードを使ったナビゲーションシステムも、機能面は日本仕様と変わらない。

そのため、ナビゲーションシステムの使い勝手も、日本とおなじくあまり優れているとは言えない。とくに、画面サイズが小さいため、地図が見にくい。異国の地での運転では心もとない。新型「マツダ3」とおなじ8.8インチモニターを搭載してほしいところだ。

ワインレッドのレザーを使ったシートは座り心地がよく、快適だった。しかもフロントシートは電動調整機能のほか、シートヒーターおよびシートベンチレーションも備わる。寒暖差の大きい3月のオーストラリアでは、シートヒーター/シートクーラーどちらも重宝した。

リアシートは、フロントシートとは別に空調の温度や風量を設定できるほか、シートヒーター(2列目)も備わるから快適だ。また、3列目もアームレストとカップホルダーを備えるなどシート列に関係なく、快適性に優れる。

居心地のいいインテリアに身を委ね、オーストラリアの広い道をCX-9で運転するのは、実に気持ちいい。おそらく、この気持ちよさは日本の高速道路でも体感できるはずだ。都市部ではやや取り回しに苦労するかもしれないが、いったん郊外に出れば、CX-8とはひと味異なるドライブを楽しめそうだ。

なお、コーディネーターの人によれば、マツダのクルマはオーストラリアで大人気という。たしかに、CX-9もよく見かけた。なんと、オーストラリアにおけるマツダの乗用車シェアはナンバー2というからすごい(ちなみにトップはトヨタ)。日本とおなじくらい、いや日本以上にマツダの人気は高いのだ。

ちなみに試乗したCX-9の価格は、オーストラリアで6万8232豪ドル。日本円で約532万円だった。

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