オギジュアリーポート仕様でTD06ツインターボを回し切る!
チューンドロータリーの限界に挑む
岡山県にある“STローディー”は、代表の杉山さん自らも認める(!?)パワージャンキー。それをよく表しているのが、このイエローカラーが眩しいFC3Sだ。
以前はストリート前提の3ローター仕様だったが、頂点を目指すためにドラッグ専用機としてリメイク。仕事の合間にコツコツとメイキングを進めながら途中幾度となく目標や仕様変更を繰り返し、ようやくここまで辿り着いたそうだ。
注目のエンジンは、FD3Sの13B-REWをベースにしたオギジュアリーポート仕様だ。タービンはウエストゲート式のTD06SH-25Gをツインで装着し、最大ブースト圧は1.6キロ、最大回転数は何と1万2000rpmを想定している。基本的にはエンジン本体は消耗品と割り切り、一発のタイムを狙っていくことだけを考えているという。
なお、エンジンはメンバーを加工して後方に10cm&下方に10cm動かし、トラクションの向上も狙っている。スロットルはシングルの100φ、合わせてパイピング類も100φで製作されている。
マフラーはタービンから出口まで完全に独立したフルデュアル。フロントセクションが70φ、後方が76.3φの2系統で構成されている。
クーリングはインタークーラーを優先し、その後方にオイルクーラーをレイアウト。ラジエターは水平マウントだ。トラクション向上を求め、一度はラジエターをリヤに設置したが、ストリートタイヤではなくドラッグスリックを履くことにしたため、シェイクダウンを待たずにトラクションより重量減を優先したレイアウトに変更したという。
ドラッグレース専用機ということで、燃料タンクは最低限の11.4L(3ガロン)に変更。タンクの横にあるのはパーコレーションを防止するための水冷燃料クーラーだ。
室内も超スパルタンだ。不要なものは全て撤去し、フロントウインドウ以外はアクリル化。車重は980kgまでシェイプされている。サイドブレーキは油圧タイプを導入して、スタート時のマシンコントロールに使用。ミッションはHKSのHパターンドグだ。
ロールケージはフル溶接留めでリヤバーはボディ貫通でサスメンバーに直接落とし、トラクションアップを狙う。
チューンドロータリーの限界に挑戦するFC3S、ぜひとも全開走行のシーンを見てみたいものだ。(OPTION2誌より抜粋)
SPECIFICATIONS
■エンジン:13B-REW換装(パワー不明)/TD06SH-25Gタービン×2/セミインナーコンビポート/海外製アペックスシール/RSパンテーラ コーナーシール/エキセンSQ加工/スーパーナウエンジンバッフルプレート/ST-ROWDY ワンオフエキマニ/フルデュアルマフラー/パワーFC+HKS F-CON Vプロ ■駆動系:HKS 5速ドグミッション/OS技研R3C-SPLクラッチ/デフロック ■サスペンション:アペックスN1ダンパー(F9kg/mm R6kg/mm) ■ホイール&タイヤ:WELDレーシングホイール&フージャードラッグスリック(F25-5.0-15 R26-11.5-15)他
●取材協力:STローディー 岡山県岡山市東区政津810-5 TEL090-8991-0195
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