スーパー・ラグジュアリーSUV
2018年に発表された初代カリナンは、他に類を見ない厳しい要件を満たす、世界初のスーパー・ラグジュアリーSUVであったとロールス・ロイスは語り始めた。
【画像】ロールス・ロイス・カリナン・シリーズIIとカリナンをみる 全134枚
パフォーマンスとエンジニアリングの観点から、地球上で最も厳しく過酷な環境に対応する真のオフロード性能を備える必要があったという。
同時に、どのような環境においても、ロールス・ロイスが誇る無双の快適性とその代名詞である「マジック・カーペット・ライド」を提供しなければならず、堅牢かつ上品、また勢いと落ち着きを兼ね備え、どのような場所でもエフォートレスな走行を提供する究極のスーパー・ラグジュアリーSUV、カリナンは、その成功によって、世界中のロールス・ロイスの顧客が持つ最も野心的な期待を超え、現在当社のポートフォリオの中で最も需要の高いモデルへと成長している。
カリナンがこの上ない成功を収め、世界全域の顧客から非常に高い評価を得ていることを踏まえ、細心の注意を払いながら「SUV型のロールス・ロイス」の新たな表現に挑んだという。
ロールス・ロイスのデザイナー、エンジニア、職人たちは、5年間にわたり顧客からの詳細なフィードバック、そして世界中のプライベート・オフィスを含むブランド独自の情報を収集し、数々の新技術を駆使しながらカリナンを進化させた。
ロールス・ロイス史上、最も大規模なシリーズの開発から生まれた新たな装いは、カリナンの空前の人気を支える本質的な要素を忠実に受け継ぎながら、変遷するラグジュアリーのコードと進化する顧客の利用パターンを反映している。
威風堂々と都市を駆け抜ける
カリナンは最初の納車以来、完成度の高い最高峰のオフロード車としての役割を果たし、顧客はこれまでのロールス・ロイスでは行くことのなかった場所へ赴くようになったと彼らは語る。
カリナンは高い汎用性とエフォートレスな本質によって、多くのオーナーにとって「日常使いに最適な車」となり、事実、数多くの顧客が、充実した多様なコレクションが存在する中で、カリナンの6.7L V型12気筒エンジンのような、エフォートレスなパフォーマンスを提供するSUVは他に無いと評価しているという。
これらはすべて、カリナン・シリーズIIをデザインするにあたり重要な考慮事項となった。
ロールス・ロイスの顧客は、世界の大都市から新興地域の急成長都市に至るまで、都市部に集中する傾向が強まっていることが分かっており、そのため、カリナンには自然の中で思いのままに走行できる性能を備えながらも、見る人を惹き付け、顧客の個性を映し出すスーパー・ラグジュアリー製品としての需要が高まっていると分析している。
また、顧客自身で運転する方が増えていることも確認されているが、カリナンが初めて登場した頃は、70%以下であったとも述べた。現在は、ほとんどのオーナーがカリナンを運転し、運転手を利用する顧客は10%を下回るという。
ブランドの若返りやビスポーク・コミッションの増加と共に、カリナンはロールス・ロイスの顧客の平均年齢を、2010年の56歳から現在の43歳へと引き下げることに貢献した。
シリーズII:エクステリア
ますます都会的で若々しい顧客層、そして自動運転への明確なシフトが、カリナン・シリーズのエクステリアの表面処理とディテールに反映されている。
その主要テーマは垂直性であり、カリナンが駆け抜けるメガシティのライトアップされた摩天楼と呼応するものであると彼らは表現した。それは、高めのデイタイム・ランニング・ライトが放つグラフィックによる、昼夜を問わずカリナン・シリーズIIであることを容易に識別することができる、新しいライトの仕上げに最も顕著に表現されている。
カリナン・シリーズIIのフロントは、シンプルで特徴あるラインと鮮明なエッジから成り、クリーンでモノリシックな表面が際立つことにより、この車のゆったりとしたプロポーションと存在感を増幅させている。
バンパー・ラインは、デイタイム・ランニング・ライトの最下点からクルマの中心に向かって浅い「V」を描き、現代のスポーツ・ヨットの船首にみられる鋭いラインを彷彿とさせるものだ。その下には、新型のエアインテークが外向きに角度をつけながらはっきりと主張し、正面から見たときに車高を視覚的に下げる効果を果たしているという。
中央に配されるのは、イルミネーテッド・パンテオン・グリルだ。今回初めてカリナンにイルミネーテッド・グリルを装備し、前縁を低下させて刷新した。
また、デイタイム・ランニング・ライトの間にポリッシュ仕上げの水平な「ホライゾン・ライン」を新たに採用し、ロールス・ロイスの最高峰モデル、ファントム・シリーズIIと明確な繋がりがあることが示された。
カリナン・シリーズIIを側面から見ると、表面の仕上げが変化したことがわかり、フロント・フェンダーは、完全に垂直なラインを保ち、一方ではテールライトからリア・ホイールのフローティング「RR」センター・キャップへと流れる、控えめで正確なラインが加えられている。
これは、微妙なテーパーと動きのある印象をもたらし、後部に持ち上がった新型サイド・スカートのサーフェスによってさらに強調される。鮮やかなハイグロス・ブラックのペイントワークには走行中の道路が映し出され、不変のフォルムに躍動感を生み出しした。
後方では、カリナン・シリーズIIのエグゾースト・トリートメントが、力強さを大胆に表現する。それぞれのサラウンドは鏡面仕上げのステンレスで作られ、ボディと同一平面上にすっきりと収められた。リアの変更点を締めくくるのは、自動車の底面に取り付けられ、エキゾーストの間を走るブラッシュ仕上げのステンレス製保護プレートである。
そのスタイルに若々しさと豊かな表情を与えるのは、カリナンでは初めて導入された大型の23インチ・ホイールだ。各ホイールはアルミニウムの鋼片から削り出されており、立体的なファセットの7スポーク・デザインは、部分仕上げまたは全面ポリッシュ仕上げから選択することが可能となる。
ロールス・ロイスのカラー・スペシャリストは、進化したエクステリアのフォルムに加え、カリナン・シリーズIIを表現する新しいペイントを開発した。
エンペラドール・トリュフは、豪華な縞模様の茶色い大理石からインスピレーションを得た、現代的でミニマルなグレー・ブラウンで、ガラス粒子を練り込んだラッカーを使用し、ビスポークの「クリスタル・オーバー」仕上げと組み合わせることで、朝日を浴びた新雪を思わせる、ほのかなきらめきが生まれるという。
シリーズII:インテリア
カリナン・シリーズIIは、より大胆な自己表現を求める多くの顧客の要望を反映し、斬新な装飾とディテールがキャビン全域に施されている。
インテリアの形状における大きな変更点は、ダッシュボード上部のピラーを横断するガラスパネルのフェイシアだ。エレガントで多機能なこのデザイン要素は、デジタルと物理的なクラフツマンシップの見事な融合を示していると彼らはいう。
ドライバー席正面のインスツルメント・クラスター・パネルと、フェイシア中央に配され、常時表示される新型セントラル・インフォメーション・ディスプレイは再設計され、高機能のスピリット・オペレーティング・システムのステージを形成する。
このデジタル・インターフェースは、オール・エレクトリックのスペクターで初めて導入されたもので、エンジンを搭載するロールス・ロイスの中では、カリナン・シリーズIIがスピリットを初搭載するモデルとなる。
また、ビスポークによるパーソナライゼーションでは、物理的な世界からデジタルの世界へと拡張できる機会も提供し、インスツルメント・ダイヤルの色をカスタマイズし、自動車のインテリア・パレットやエクステリア仕上げを引き立たせることができる。
さらにスピリットでは、ロールス・ロイスのオーナー専用アプリであるウィスパーズがカリナンに統合され、顧客はアプリを通じて目的地を自動車に直接送信、カリナンの位置の遠隔確認や車両の施錠を管理することもできる。
カリナン・シリーズIIでは、自動車全体、特に後部のコネクティビティが改善された。リア・スクリーンには、最大2台のストリーミング・デバイスを接続することができ、このスクリーンには、車両管理機能やマッサージ/ヒーター/クーラーなどのシート機能を送信するためのビスポーク・インターフェースが搭載されている。
インターネット接続が搭載されたことで、ホットスポット接続を利用し、各スクリーンを個別に視聴することが可能になった。カリナンでは初めて、あらゆるタイプのブルートゥース・ヘッドホンを後部座席のインフォテインメント・システムとペアリングできるほか、最新の18チャンネル、1400ワット・アンプを搭載した、卓越した18スピーカー・ビスポーク・オーディオ・システムが愉しめる。
カリナン・シリーズIIは、ロールス・ロイスが誇るスピーカー・アーキテクチャーを継承しており、車両のアルミニウム製シル・セクション内の空洞を低周波スピーカーの共鳴室として活用することで、実質的に自動車全体をサブウーファーへと変身させているという。
助手席の真正面には、イルミネーテッド・フェイシア・パネルが配置され、現代的な工芸技術を駆使したこの見事な表現は、ゴーストでデビューした後、スペクターに採用され、この度カリナン・シリーズIIでも初めて提供される。
このフェイシアには、光で浮き上がるの文字と、世界大都市の夜空に浮かぶ摩天楼からインスピレーションを得た、唯一無二のシティスケープ・グラフィックがあしらわれており、これは特別に開発された技法により、ダークに着色した強化防犯ガラスの背面にレーザーで7000ものドットをエッチングしたもので、それぞれが微妙に異なる角度と寸法で配置され、奥行き感を演出する。
この既成のデザインに加えて、ロールス・ロイスのビスポーク・デザイナーと相談しながら、顧客自身のイルミネーテッド・フェイシアのモチーフを作ること可能だ。
助手席側のセントラル・インフォメーション・ディスプレイと並ぶのは、新しいスピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネットだ。
このユニークなはめ込み式ケースには、アナログ式のタイムピースとライトで浮かび上がるスピリット・オブ・エクスタシー像が配されており、立像はステンレス製で、反射効果を生むマット・ブラックのバックパネルと光沢のあるサイドパネルの台座に配されている。
自動車のインテリアにスピリット・オブ・エクスタシーを採用することが実現したのは、4年にわたる開発期間と、細心の注意を払って感動的な光の流れを作り出した、アナログとデジタルの職人たちの素晴らしい協力体制の成果であるとロールス・ロイスは述べた。
このライティング・シークエンスは、ドライバーの乗車と共に運転席のディスプレイからスタートし、次にセントラル・インフォメーション・ディスプレイ、そして光がタイムピースを照らしながらケース内側へ流れるイルミネーテッド・フェイシアへと続く。
スピリット・オブ・エクスタシーは、デビュー公演のスポットライトを彷彿とさせる下方からの光を最初に浴び、やがてステージの照明は柔らかな光へと切り替わる。
シリーズII:進化した素材パレット
自然の中を思いのままに駆け巡るという、カリナンの性能と多くの顧客の要望を意識し、インテリアには植物からインスピレーションを得たパレットが使用された。
カリナン・シリーズIIでは、繊細な輝きを放つ美しい木目の天然オープンポア材、グレー・ステンド・アッシュを採用。この樹種は1本ずつ厳選され、ベニヤシートを手作業で染色し、微細な金属粒子を加えることにより独特の効果を生み出されており、この工程の開発には4年以上の月日がかけられたという。
ロールス・ロイスがテキスタイルを探求する姿勢はカリナン・シリーズIIにも受け継がれ、竹から作られた新しいレーヨン生地が「デュアリティ・ツイル」と名付けられた。
この素材は、ヘンリー・ロイス卿がかつて冬季を過ごしたヴィラ・ミモザに隣接する、コート・ダジュールの「地中海の庭園」に生息する広大な竹林からインスピレーションを得たものであり、デザイン・チームのメンバーは研究中にこの庭園を訪れ、1世紀以上も前からこの庭園内で生育し、ヘンリー・ロイス卿自身も観察していたであろうこの植物を原料にした素材を開発することを思いついたのだという。
ツイル織りのテキスタイルには、アーティスティックな「デュアリティ」のグラフィックが刺繍されており、このデザインは、創業者のイニシャルであるRの二重文字を抽象的に解釈し、セーリング・ヨットのロープが織り成すラインを想起させる船舶の要素を明確に反映しており、ここにもフレンチ・リビエラへのさりげないオマージュが込められているという。
複雑な刺繍を施したこのテキスタイルの開発には1年以上を要し、グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイスで行われるこの複雑な製造工程を監督するために、常勤として加わった織物職人とのコラボレーションによって実現した。
インテリアの全域に施されたデュアリティ・ツイルには、最大220万のステッチと11マイルの糸を使用し、20時間もの工程を経て完成する。それぞれのピースは、1枚ずつ作り上げてから、素材のほつれと個々の糸の緩みを防ぐように特別に開発されたレーザーで裁断され、パターンの均一性を保ちます。ベースとなるツイル・テキスタイルは、ライラック、チョコレート、ブラックの3色で展開され、顧客は51色の糸から選択可能となる。
カリナン・シリーズIIには、ロールス・ロイスの職人が開発したもう一つの新しい現代的な工芸技術、プレースド・パーフォレーションが採用された。これは、レザーに施された小さな穴によってアート作品を制作する技法だという。
初めて採用されたこの技法は、グッドウッドを拠点とするホーム・オブ・ロールス・ロイスの上空で絶えず変化する雲の形と影からインスピレーションを得てデザインされ、この模様は、1.2ミリメートルとミリメートルのパーフォレーションで構成され、その数は最大10万7000個にのぼり、一人の職人が一つひとつのパーフォレーションを確認し、絶対的な均一性を確保する。
シリーズII:発展し続けるレガシー
カリナンは、大胆かつ妥協を許さない超富裕層の顧客とのコラボレーションにより、ロールス・ロイス・モーター・カーズの新たなレガシーを築いたと彼らは強調する。
カリナン・シリーズIIは、このモデルが築き上げた地位に根ざして進化を遂げ、ロールス・ロイスの未来が顧客とのパートナーシップと共に具現化し、また精巧な現代工芸技術を象徴するものであることを改めて示している。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者クリス・ブラウンリッジ
「2018年に発表されたカリナンは、スーパー・ラグジュアリー・モーター・カーに新風を呼び、走行環境を問わず、世界のあらゆる場所でお客様にロールス・ロイスの象徴であるマジック・カーペット・ライドを提供してまいりました。
その後6年間にわたり、カリナンはロールス・ロイスにまったく新しい顧客層をもたらし、ロールス・ロイスとはどのような車であり、お客様にとってどのような意味を持つ存在であり得るかという認識を大きく変えました。
カリナン・シリーズIIは、その成功をさらに発展させるために誕生しました。新しい技術、新素材、細部まで考え抜かれたデザインのアップデート、そしてビスポークによる創造性に富む自己表現の機会を融合することで、私たちはこれまでお客様から高い評価を得てきた要素をすべて維持しながら、これからも魅力的な自動車であり続けることをお約束します」
ロールス・ロイス・モーター・カーズデザイン・ディレクター アンダース・ウォーミング
「グッドウッドで製造された最初のロールス・ロイスの発表以来、ロールス・ロイスのデザイナーは、すべてのモデルが独自の美的世界を描くように細心の注意を払ってきました。どのモデルも自動車が考案される前から、その使用期間を通じて、お客様から直接収集した詳細なインサイトに裏づけられています。
カリナン・シリーズIIは、こうした取り組みから誕生し、現代の超富裕層であるお客様が重視する要素を満たすように、よりエネルギッシュで、集中的で、表現力を一段と高めたモデルです。
新しいルックスを呈するカリナン・シリーズIIは、エフォートレスな特長をすべて継承し、このモデルをこれほどまでの成功に導いた本質を忠実に守り、その品質を維持しています。同時に、カリナンの独創的なフォルムに存在感と華やかさを加え、進化したラグジュアリーの鑑識眼に基づいて、正真正銘の前進と発展を表現しています」
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