F1ラスベガスGPの”特別扱い”は仕方ない？ アロンソ「ドライバーが普段とは異なることをやる価値がある」

　F1のオーナーであるリバティ・メディアにとって長年の夢であった、F1ラスベガスGPがついに今週末に実現する。

　F1はまさにあらゆる手段を講じてラスベガスGPを盛り上げようとしている。水曜日に行なわれたオープニングセレモニーや、市内にある数多くのカジノで行なわれたPR活動やファンによるアクティベーションなど、エンターテインメントの中心地であるラスベガスにふさわしい華やかさだ。

　しかし全てのドライバーが、F1上層部やスポンサーを喜ばせるための、余計な活動を好んでいるわけではない。レッドブルのマックス・フェルスタッペンもそのひとりだ。

　彼はオープニングセレモニーで「自分がピエロのように感じた」と、不満をあらわにしている。

「僕からしたら、全部スキップ可能なことだよ」

「歌手の問題とかじゃない。（自分は）ただそこに立っているだけだ。道化師のようだった」

　フェルスタッペンの意見に反論するかのように、フェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）はF1がこのイベントに5億ドル以上とも言われる巨額の資金を投入していること、そしてラスベガスの目抜き通りであるストリップでのレースを許可されたことを踏まえると、ドライバーがさらなる努力をするに値すると語った。

「このようなイベントのために特別なことをするのは構わない」

「これまでの投資や、どこでレースをするかを踏まえると、少し違った扱いや、今日のような特別なショーに値すると思う」

　フェラーリのシャルル・ルクレールは、水曜日のスケジュールが”盛りだくさん”であると感じながらも、F1がこれまでとは異なる観客にアピールする1度限りの機会であることに同意した。

「（予定が）たくさんだよ。でもここでそうしなければ、他のどこかでそうすることはできないと思う」

「ベガスのような場所、マイアミのような場所に来たとき、F1はあらゆる機会を利用する必要がある。もし、それがレースとその周辺をもう少し盛り上げることを意味するのであれば、それは素晴らしいことだ」

「そうすることで、最初はレースに興味のない人たちも、実際のマシンを見れば興味を持つようになるかもしれない。F1がこれまでやってきたことは素晴らしいことだと思う」

　一方でルクレールは、ドライバーにレースに集中するための十分な余地を与える必要があると警告した。

　マイアミGPではレース前に大仰なドライバー紹介が行なわれたが、一部のドライバーたちにはこの催しは不評だった。

「越えてはいけない一線がある」とルクレールは付け加えた。

「今日は水曜日だから、オープニングセレモニーやその他もろもろがあるのは構わない」

「でもマシンに乗り込むまでの10分間は、自分たちのゾーンにいる必要がある。何か催しがあってもドライバーが邪魔されず、守られていなければならない」

「グリッドに向かうラップからは、レースに集中できるようにそっとしておかれるべきなんだ」