本格的なヨーロッパラウンド開幕を告げるF1スペインGP。ここ数戦、ライバルチームからの追い上げを受けるレッドブルは、RB20にマシンパッケージの最適化を目的としたアップデートを投入した。
今回の変更の焦点は、マシン冷却特性。スペインGPはフリー走行1回目でも30度近い気温を記録しており、ダウンフォースと空力効率を妥協せず、サイドポンツーンを通過する空気を最大限に冷やすことを狙った。
■好調ノリスがフェルスタッペン僅差で抑えFP1トップ。RB角田裕毅は不運な赤旗もあり20番手|F1スペインGP
スペインGPに向けたFIAの公式提出書類の中で、レッドブルはRB20に加えた具体的な5つの変更点について、次のように説明した。
1. シミュレーション結果に基づいてサイドポンツーンのインレット形状を変更し、より高圧の吸気を利用して冷却効率を高めた。これにより、チームは排熱ルーバーの開口数を最小限に抑えることができる。
2. 新しいサイドポンツーンのインレット形状に合わせて、エンジンカバーのサイドパネルを変更した。
3. 新しいエンジンカバーの分割ラインに合わせてフロアを変更。フロアアッセンブリの変更は、エンジンカバーとサイドポンツーンのインレット形状の変更に対応するためだ。
4. ビームウイングエレメントは、翼端板の変更によりジオメトリが変更。これにより利用可能な空気圧を利用して、局所的によりダウンフォースを生み出す。
5. 翼端板の下側3分の1は外側へ移動し、よりワイド幅のビームウイングに対応した。
RBは大規模アップデートを投入
レッドブルの姉妹チームであるRBも、スペインGPにかなりの開発パッケージを持ち込み、先行するライバルとの差を縮めようとしている。
モナコGPとカナダGPでは特殊なコース特性に合わせるための変更がメインで、ブレーキダクトを通常の開口部に戻すなど、RBが今季マシンVCARB01に行なった変更のいくつかは小規模なモノだった。だが今回はかなり大規模な改良が施された。
スペインGPに持ち込まれたVCARB01は、エンジンカバーの形状、そしてサイドポンツーンが、車両後部とフロアエッジへの空気の流れを改善するために修正された。
またサイドポンツーン先端も新しいボディーワークに合わせて修正され、フロア前方の高さと形状も刷新された。
RBはまた、ミディアムおよびハイダウンフォース仕様のサーキットに向けて新しいリヤウイングを導入し、さらにビームウイングもキャンバーと入射角を抑えたモノに変更した。
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