マクラーレンは“大幅な改良”をMCL38に施す一貫として、F1メキシコシティGPに待望の新型フロアを投入した。
今年はレッドブルやアストンマーティン、フェラーリ、メルセデスといった主要なライバルが、シーズン序盤に相次いでフロアのアップデートによる弊害に苦しめられてきた。
■角田裕毅のレッドブルRB20ドライブを、ホーナー代表も認める「それはホンダと話し合ってきた。かなり前から合意されていたんだ」
マクラーレンはライバルがアップデートの罠に陥ったことに加え、マイアミGPで投入したフロアが戦闘力を発揮していたこともあり、フロアに大きく手を加えることには慎重な姿勢を取ってきた。
しかしメキシコシティGPでは、恒例のFIAマシンプレゼンテーションの中で、マクラーレンが高地に位置するサーキット対応のための冷却パーツと共に、改良型のフロアを持ち込んだことが明らかになった。
「フロアのデザインは大幅に改良され、全ての領域で幾何学的な変更が加えられ、全ての状況において空力負荷が増加した」
マクラーレンはFIAが発表した文書で、フロアについてそう説明した。
チームとしては、今回のメキシコが待ちに待ったフロアのアップデートをMCL38に搭載する絶好のタイミングだと考えているようだが、現行のグラウンドエフェクトカー時代において非常に重要かつ扱いが難しい空力パーツであるがゆえ、実戦投入されるかどうかはまだ確定していない。
新開発のフロアはランド・ノリスのマシンのみに用意されている。FP1の段階では、ノリスのマシンをドライブしていたパトリシオ・オワードが、セッション中盤に短時間だけ装着したのみだった。
チームメイトのオスカー・ピアストリも追ってこの新フロアを手にする予定だが、現時点ではメキシコシティGPの翌週に行なわれるサンパウロGPで実装される可能性は低いと見られている。
また、新型フロアの投入は長いこと保留されていたとは言え、まだ開発プロセスの初期段階にあると見られており、2024年シーズンが終了する前にさらなる微調整が施される可能性もある。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、アメリカGPで他の新パーツ投入に合わせて、フロアの追加もより積極的に取り組むべきだったのではないかとの質問を受け、次のように答えた。
「我々が製造段階にあり、オースティンまでに投入できる状態であれば、オースティンに持ち込んでいただろう」
「新パーツやアップデートがコースサイドに到着するまでには、設計、最終調整、そして新パーツの製造という自然な流れがある」
「コースサイドに持ち込むモノが上手く機能し、かなりの自信が持てるよう明確にしたかったと以前も言ったが、空力部門には良くやったと言いたい。(アメリカGPに)投入されたパーツは期待通りに機能した」
「メキシコやブラジルに持ち込まれるパーツも同じようになるといいね」
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