たくましいものの安くはないD300
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】ランドローバー・ディフェンダー 競合の本格オフローダーと比較 全141枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ディーゼルターボなら、太いトルクが安く手に入る。一般的にはそう考えられるだろう。でも生まれ変わったランドローバー・ディフェンダーのD300に搭載される、新しいインジニウム・ディーゼルユニットには当てはまらなそうだ。
直列6気筒ターボで、66.1kg-mという豊満な最大トルクを発生する。そのかわり、英国での価格は6万1955ポンド(929万円)からと、少し手の届きにくいところにある。
3.0Lの排気量から300psを発揮し、ディフェンダーの中では最も強力。十二分といえる能力を備えている。パワフルなV8ガソリン版のP525も登場したが、価格はさらに40%ほど高い。
短命に終わった4気筒ディーゼルとの交代で登場となった、インジニウムの6気筒ディーゼルには既に一度試乗済み。前回は全長の短い90のD250だったが、扱いやすいパワーデリバリーとたくましさに強い感銘を受けている。
今回はロングホイールベースの110に、D300という組み合わせで確かめてみたい。トリムグレードはSEで、LEDヘッドライトやグレインレザーで仕立てられる12ウェイのパワーシート、メリディアン社製のサウンドシステムなど豪華な装備が与えられる。
ほかにカメラ映像を用いたデジタル・バックミラーや、ボンネット直下の映像を確認できるグラウンドビュー機能も付く。ドライバーだけでなく、同乗者にもうれしい車内だ。
清々しいほどの速さと溢れるトルク
豪奢でファッショナブルな仕立てのディフェンダーに、無骨なディーゼルエンジンという組み合わせにも思えなくはない。しかし、D300にはマイルドハイブリッドが組み合わされ、燃費とCO2の排出量にも配慮されてはいる。
とはいえ、高速でのクルージング時の燃費は、約80kmを走行して12.7km/Lを超える程度。市街地では悪化してしまう。CO2の排出量もカタログ値で230-249g/km。税制的に有利になることはない数字だ。
英国の場合、ディスカバリー3や4の後継モデルとしてディフェンダーを捉えている傾向も高い様子。ランドローバーが展開するマーケティングとは裏腹に。実際、パワフルなディーゼルエンジンを載せていると、そう感じる場面は確かにある。
特に、古いランドロバーが積んでいた2.7Lや3.0LのV6ターボを経験したことがあれば、D300のアイドリング時のハミングは聞き慣れたものに感じられるかもしれない。その頃は、頼もしいトルクと同時に力強いノイズも響いてきたものだ。
もちろんインジニウム・ユニットの能力を、フォード由来のV6と比較するのは適切ではない。大きなボディでありながら、0-100km/h加速は7.0秒と清々しいほどに速い。同じ6気筒でガソリンターボのP300より速いほど。
走行している速度に関係なく、トルクは全回転域で溢れ出てくる。運転状況を問わず、その恩恵に預かれる。
感心させられるほどの洗練度
高速道路の中央車線を90km/hくらいで走っているトラックがいても、車線変更してアクセルペダルを踏むだけ。5秒後には、バックミラーに映る姿を見れるだろう。河原の土手が40度の急斜面でも問題なし。ゆっくり、トルクフルに登ってくれる。
先代のイメージを受け継いだスタイリングには、象徴的な雰囲気がある。だがそれ以上に、大排気量のディーゼルエンジンと知的な四輪駆動システムという組み合わせが生む、全方位的な実用性や走破性に疑問の余地はない。
じっくり味わえば、アクセルの鋭い操作に対して反応が若干遅れる印象は受ける。でもすぐに6気筒エンジンが本腰を入れ、求めた加速を引き出してくれる。
ガソリンのディフェンダーよりエンジンノイズは聞こえてくるが、先代のディフェンダーほど息苦しそうな質感ではない。速度が一定になればボリュームは下がり、落ち着いた車内に浸っていられる。
違和感のない、8速ATのセットアップも居心地の良い雰囲気に貢献している。素早く変速をこなし、タイミングもまったく気になるところがなかった。
全体の動的性能としては、D300も最新のディフェンダーの印象をほぼ共有している。感するほど洗練されている。
エアサスペンションは、SEグレードでは標準装備。直線走行時の滑らかさや、路面からの入力を上手になだめてくれる。一方で、大きなうねりやロールといったボディの動きは、完全には抑えきれないようだ。
日常にも馴染みやすいパワフルな選択肢
ディフェンダーは、比較的穏やかな速度で郊外の道を走らせるのが良い。急加速を求めると上下動も感取されるから、快適さを求めるなら節度ある操作は不可欠といえる。
SEグレードのディフェンダーD300の英国価格は、6万8295ポンド(1024万円)に達してしまう。SUV好きでも、思わず考えさせられてしまう値段だと思う。
CO2の排出量は多く、英国では税制的な負担が高いうえに、ランニングコストも安くはない。客観的に捉えれば、より環境負荷の小さいモデルほどオススメすることは難しい。
とはいえ、一層パワフルなV8ガソリンターボ版なら、ガソリンスタンドへ立ち寄る回数はD300以上に多いはず。価格も10万ポンド(1500万円)は超えてくる。
新しいディフェンダーのルックスに惹かれて、ファミリーSUVでストリートレースに興じるつもりがないのなら、パワフルなD300は悪くない選択肢だと思う。十分活発な直線加速も楽しめるし、毎日の暮らしにも馴染みやすいといえるだろう。
ランドローバー・ディフェンダー110 D300 SE(英国仕様)のスペック
価格:6万8295ポンド(1024万円)
全長:4945mm
全幅:1995mm
全高:1970mm
最高速度:191km/h
0-100km/h加速:7.0秒
燃費:10.5-11.4km/L
CO2排出量:230-249g/km
車両重量:2340kg
パワートレイン:直列6気筒2996ccツインターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:300ps/4000rpm
最大トルク:66.1kg-m/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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みんなのコメント
ナンで日本車ってこう言うセンス無いんだろ