6月に開催されるル・マン24時間レースの性能調整が発表され、ハイパーカークラスでは高速域でのパワーを調整する”パワーゲイン”システムが初めて実施される。
このシステムは、一定の速度を超えた際のマシンの最高出力を変更することにより、さらなる均衡を図るもの。ただ当初導入される予定だったWEC(世界耐久選手権)第2戦のイモラだけでなく、ル・マン前哨戦とされるWEC第3戦スパでも適用されなかった。
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今週末のル・マン・テストデーを前に発表された性能調整(BoP)で、このシステムが初運用されることが明らかとなった。なお、舞台であるサルト・サーキットのコース特性を考慮し、パワーゲイン調整のしきい値が時速210kmから時速250kmに引き上げられている。
ハイパーカー9車種のうち、トヨタGR010、アルピーヌA424、BMWMハイブリッドV8、イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6・コンペティツィオーネの4台は時速250km以上の領域で0.9%のパワーアップが認められた。
一方、イモラやスパで速さを見せたフェラーリ499Pは、マイナス1.7%のパワーダウン。ランボルギーニSC63はマイナス1.6%、プジョー9X8はマイナス0.7%の出力ダウンとなり、これらのマシンはストレートエンドで苦しい戦いを強いられるかもしれない。
なおポルシェ963とキャデラックVシリーズ.Rはパワーゲイン調整は加わっていない。
また車両重量にも変更が入っており、プジョー9X8の前戦比マイナス18kg(1047kg)が最も大きな変化となった。
他にもフェラーリ499Pが10kg、トヨタGR010が9kg軽量化。フェラーリ499PとトヨタGR010の最高出力は508kWで揃っているが、1スティントで使える最大エネルギー量はトヨタが906MJなのに対し、フェラーリは889MJに抑えられている。
2024年のBoPについて定められたガイドラインでは、日曜日のテストデーから翌週水曜日の練習走行と予選の開始までの間にBoPが変更されることはないと考えられている。
また通常、WECが発表するBoP表には調整による変動値が記載されているが、FIAとACO(フランス西部自動車クラブ)は全長13kmを超えるサルト・サーキットの特性から、他のシリーズ戦のBoPとは独立したものとみなしており、発表されたル・マンのBoPには変動値が記載されなかった。
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