ノート、8年ぶりのモデルチェンジ
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】やっぱり新型派? いやいや旧型も捨てがたい【日産ノート新旧を比べる】 全188枚
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)
今やすっかり日産の屋台骨を支えるモデルへと昇華したノートの新型モデルが発表となった。
先代型が登場したのは2012年9月のことだから、なんと8年振りのフルモデルチェンジということになる。
そもそも先代ノートは、マーチ並みの価格帯ながらミドルクラスセダンに匹敵する広い後席を持ったお買い得なコンパクトカーといったキャラクターだった。
悪いクルマではないものの爆発的な人気となるにはやや弱い、というモデルだった。
しかし、2016年11月に行われたビッグマイナーチェンジで「eパワー」と呼ばれる、エンジンで発電してモーターで走行するシステムを搭載するモデルを追加したことで一気に人気車種となり、30年2か月ぶりに月間販売台数ランキングのトップを飾った。
その後も2017年から2019年まで3年連続でコンパクトセグメントで1位の販売台数をマークし、名実ともに日産を代表する車種となったのである。
かく言う筆者も2017年2月にノートeパワーを購入し、すっかりモーター駆動の魅力に取りつかれてしまい、現在では純EVのリーフに乗り換えるという、日産の電動化技術にまんまとハマった1人だ。
ノートに乗っていた頃は概ね満足できていたが、そのときに感じた魅力や不満点など、新型はどうなっているのか。
元オーナーの目線でチェックしてみたい。
気に入っていたワンペダルドライブが
新しくなったノートはプラットフォームも一新されたということで、ボディ剛性などは大きく向上したとアナウンスされている。
従来型はeパワーのシステムやバッテリーを搭載したことで、ガソリンエンジンモデルよりも150kg前後車両重量が増えており、キャパオーバーの感もあった(そのため、ボディ補強が追加されるニスモ系などは明らかに動きが良く感じられたのだが)。
また、発電用のエンジンの更なる高効率化や、新型となったモーターの出力向上などは言わずもがなだが、更なる静粛性の向上や、路面状況を判断して発電用エンジンを動かすという試みは気になるところ。
一方で、疑問点もある。
それがワンペダルドライブとも呼ばれたアクセルオフで回生ブレーキが利き、ブレーキペダルに踏みかえることなく減速できるという仕組みがやや変更されたようなのだ。
従来型は平坦路であれば、アクセルオフで停止するまで減速してくれたのだが、新型は停止までは減速せず、クリープ状態になるという。
つまり、停止するためには絶対にブレーキペダルを踏まなければならないのだ。
新型ノートは電動パーキングブレーキも備わったため、てっきりリーフのようにアクセルペダルの動きだけで停止まででき、停止後は電動パーキングブレーキで停止保持をしてくれると思っていただけに非常に残念に感じるポイントだ。
内装は近代化 しかしデザインは……
従来型ノートはデビューが2012年ということもあり、当時の他のコンパクトカーと比較すると小物入れの少なさやUSBソケットなどがない点など、やや不満が残る点も多かった。
新型となってスマホに対応した小物入れや、紙パック対応カップホルダー、USBやHDMI端子が純正(オプション)で用意されるなど、一気に近代化が進んだ印象だ。
また、メーターも7インチの液晶モニターを組み合わせてバイザーレスとした近代的なものとなっており、メーカーオプションの9インチナビと組み合わせることで、センターディスプレイと一体化した内装になる、と発表されている。
しかし、実際はナビとメーターに10センチほどの段差が存在しているのだ。
恐らく、ディーラーオプションなどの従来型のナビなども装着できる奥行きを確保した結果だとは思うが、この段差のおかげでシームレスとは無縁の内装となっているのは残念としか言いようがない。
内装色も、従来型に存在していたプレミアムホワイトインテリアなどの明るめなものはなく、どのグレードを選んでもブラックとなるのも不満点。
確かに明るい系の内装色は汚れが目立つなどの理由で敬遠されがちではあるが、室内空間が広く明るく見えるので、筆者はノート、リーフともに明るい系をチョイスしており、ぜひ残してほしい設定色だった。
セットでしか選べぬメーカーオプション
従来型オーナーからすれば、念願の装備とも言えるのがプロパイロットだろう。
さすがにスカイラインに搭載された2.0ではないものの、ナビ情報と連動することで、よりきめ細かな制御がなされるという点で利便性が向上している。
しかし、ナビと連動するがために必然的に純正ナビとのセットオプションとなってしまった。
さらにインテリジェントアラウンドビューモニターやインテリジェントルームミラー、SOSコールなども付随することで、なんとオプション価格はおよそ45万円という高額商品なのである。
さらに従来型では上級グレードには標準装備となっていたLEDヘッドライトや本革巻きステアリングもセットオプションとなり、これらを装着しようと思ったら約10万円のLEDヘッドライト周りのオプションと、約7万円の寒冷地仕様を選ばなければならない。
カタログ写真のようにスタイリッシュな16インチアルミホイールを装着したいと思ったら、約33万円のセットオプションで本革シートやリアセンターアームレストも受け入れる必要があるのだ。
そのため、目ぼしいメーカーオプションを選択していくと支払総額はあっという間に300万円を超えてしまう。
新型ノートは魅力的であることは間違いないが、需要の高そうなオプションは単品で選択できるようになると、もっと買いやすくなるのではないだろうか。
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みんなのコメント
欲しいのは、ACCだけなんだよなぁ。