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止める者なしフェルスタッペン、歴代最多の年間14勝。メルセデス力及ばず……角田裕毅は接触DNF|F1メキシコシティGP

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止める者なしフェルスタッペン、歴代最多の年間14勝。メルセデス力及ばず……角田裕毅は接触DNF|F1メキシコシティGP

 F1メキシコシティGPの決勝レースが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝。今季14勝目を挙げ、年間最多勝記録を更新した。

 F1の2022年シーズンも20戦目を迎え、エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台にメキシコシティGPが行なわれた。このサーキットは2285mという高地に位置することで、通常のサーキットとは大きくコンディションが異なることが特徴だ。

■フェルスタッペンとハミルトンの”王座の価値”を比べるコメント拡散。アロンソ、SNSでの「敵対はやめよう」と呼びかけ

 空気密度が低いことでダウンフォース発生量が減り、各チームはハイダウンフォース仕様の空力パッケージを投入。それでもスピードトラップでは350km/h以上を記録している。そして、マシン冷却やパワーユニット(PU)、そしてドライバーの心肺機能にも厳しいことでも知られている。

 メキシコシティGPはグランプリ初日からドライコンディションが続き、決勝日となる10月30日(日)も日差しがサーキットを照らし、現地時間14時のコンディションは気温26度、路面温度は41度という状況だった。

 土曜日の予選でポールポジションを獲得したフェルスタッペンと2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)が決勝グリッドのフロントロウに並び、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とセルジオ・ペレス(レッドブル)が2列目。フェラーリ勢はバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を挟んで5番手、7番手と、レッドブルやメルセデスの後塵を拝した。

 今回はタイヤのデグラデーション(性能劣化)が低いというのが下馬評であり、スタートタイヤにレッドブル勢とフェラーリ勢がユーズドのソフトタイヤ、後方で序盤のジャンプアップを目指す13番手角田裕毅(アルファタウリ)らが新品ソフトタイヤを選択。一方でメルセデス勢を始め多くが新品ミディアムタイヤを選んだ。

 全車がグリッドに並び、71周のレースが幕を開けると、フェルスタッペンはターン1へ向けた長いストレートでもトップを維持。一方でラッセルは攻防の中でハミルトンとペレスに交わされて4番手に後退し、その後ろにはフェラーリ勢が並んだ。

 中団勢ではオープニングラップで7番手に浮上したフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)を先頭に、ボッタス、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ふたつポジションを上げた角田がそれを追いかけるという隊列が組み上がり、DRSトレインの中で走った。

 先頭に視点を戻すと、フェルスタッペンはマネジメントに徹しているのか、タイヤライフの面で有利と見られていたハミルトンとの差を1.5秒程度に保ちつつ序盤は周回。チームからはハミルトンにトウを使わせない距離(=1秒以内に接近させないこと)を維持するように無線が飛んだ。

 3番手ペレスと4番手ラッセルが接近し、予選に続いてレッドブルVSメルセデスの構図が出来上がる中、フェラーリ勢は上位2チームについて行けず。5番手カルロス・サインツJr.(フェラーリ)はレース22周目時点でラッセルから11秒以上離され、6番手シャルル・ルクレールもそこから4.5秒後方と、トップ争いとアロンソ以下中団争いの間をひた走った。

 ソフトタイヤはやはりデグラデーションが少なく、ペレスが23周目の終わりでようやくピットイン。フェルスタッペンも翌周にピットへ入り、新品のミディアムタイヤに切り替えた。それでも、作戦は2ストップなのではないかと見られていた。

 ハミルトンはスタートタイヤの状況は良いと伝えていたものの、レッドブル勢がギャップを縮めていたこともあってか、29周目の終わりにピットで新品ハードタイヤに交換。1ストップで走り切るつもりであることが見てとれた。ラッセルもその後遅れてハードタイヤに交換した。

 レース折返し時点での順位はフェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ラッセルというトップ4。ハードタイヤのハミルトンは、ミディアムタイヤを履くペレスに一時接近を許したもののペースを取り戻し、2番手をキープしていた。

 後方角田は、ミディアムタイヤを履いた第2スティントでもマクラーレン勢との入賞争いを展開。しかしレース51周目、第1スティントを引っ張ったことでソフトタイヤを投入したことで後方から迫ったペースの良いダニエル・リカルド(マクラーレン)に、ターン6のイン側に飛び込まれ接触……リカルドの左フロントタイヤが角田の右サイドのボディカウルと右リヤタイヤに当たり、飛び跳ねたマシンがダメージを負ったことで、角田はピットへ戻りリタイアを強いられた。

 レーススチュワードは接触の原因はリカルドにあると判断し、10秒のタイム加算ペナルティが科した。

 ミディアムタイヤを履くフェルスタッペンはにはデグラデーションの傾向は一向に見られず、ハミルトンとの差が13秒へと拡大。1ストップで走り切る公算が高くなった。一歩ハミルトンはハードタイヤの扱いに苦慮し、不満をチームに訴えた。

 65周目には10番手アロンソにPUトラブルが発生。64周目に入った直後のホームストレートでパワーを失い、ターン1のランオフエリアにマシンを止めることとなった。コンストラクターズランキング4位争いを展開するマクラーレンとポイント争いをしていたこともあり、アルピーヌとしても痛いリタイアとなった。

 アロンソのストップによりバーチャル・セーフティカー(VSC)が提示されたものの、ピットストップを行なうドライバーはおらず。マシン回収が終了するとすぐにVSCは解除された。

 フェルスタッペンは2番手以下に15秒近い差を築き、ファイナルラップへ。そのままトップチェッカーを受け、ミハエル・シューマッハーやセバスチャン・ベッテルが持つ記録を抜く、シーズン史上最多勝記録となる今季14勝目を上げた。

 2位にはハミルトン。前戦アメリカGPに続いて、フェルスタッペンとレッドブルを前に優勝は叶わなかったが、シーズン序盤の苦戦を鑑みると力強い結果と言えるだろう。

 3位にはペレスが入り、母国で表彰台を獲得。昨年大会と同じ顔ぶれ、同じ並びの表彰台となった。

 ラッセルは最終盤にソフトタイヤを投入し、ファストテストラップを記録して4位チェッカー。フェラーリは5位にサインツJr.、6位にルクレールが入ったが、レッドブルとメルセデスのトップ争いの”蚊帳の外”とシーズン序盤に有していた輝きが失われつつある。

 7位にはリカルド。角田との接触により10秒のタイム加算ペナルティが科されていたものの、ソフトタイヤでのペースを存分に活かして帳消しにし、貴重なポイントを手にした。

 8位にはオコン、9位にノリス、ボッタスが10位というトップ10。角田を失ったアルファタウリはピエール・ガスリーの孤軍奮闘となったが、0.625秒ボッタスに届かず11位となった。

 次戦は2週間後のサンパウロGP。シーズンも残り2戦、フェラーリに代わってメルセデスがレッドブルに接近するなど、勢力図にはまだまだ変化がありそうだ。

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