シカゴを出発したら最初に立ち寄りたい街がポンティアック
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内します。今回は、イリノイ州シカゴからスタートしたらまず最初に立ち寄っておきたいポンティアックの街です。
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ルート66協会のミュージアムは展示レベルがトップクラス
シカゴからルート66をのんびり走って2時間半、ポンティアックと名付けられた街にたどり着く。リビングストン郡の中心で約1万人が暮らしており、ルート66を旅するなら必ず立ち寄りたい街でもある。
その理由はイリノイ州ルート66協会が運営する、かつての消防署を利用したミュージアムだ。正式名称は「ルート66アソシエーション・オブ・イリノイ ホール・オブ・フェイム&ミュージアム(Route 66 Association of Illinois Hall of Fame and Museum)」で、展示の充実度はルート66沿線に数多く存在するミュージアムのなかでもトップクラスだと思っている。
ルート66を愛したアーティスト、ボブ・ワルドマイヤーの愛車は必見
とくに見逃せないのはルート66を旅しながら暮らしたアーティスト、ボブ・ワルドマイヤー氏(1945~2009年)が実際に使っていた愛車だ。惜しくも生前にお会いすることはできなかったが、彼が描いたクラシックで優しいタッチのモノクロ地図は、自分がルート66の旅を始める前からよく知っていた。
ミュージアムに到着して真っ先に目に入るのは、スクールバスを改造した彼のキャンピングカー。ベース車は1966年式のシボレーで、60あった座席を取り払い、トイレにシャワーにキッチンなど生活に必要な装備、さらにアトリエや応接スペースも設けられている。2階はベッドルーム兼ちょっとした倉庫になっており、日常生活を送るには何も不便しなさそうな作りだ。
また日本では絶対に認められないであろう、薪ストーブやサウナが車内に備え付けてある。安全かどうかという問題はさておき、発想とそれを許す寛容さに驚かされた。こんなクルマで気ままに旅する人生、もちろん不便や苦労もあるだろうが、私にとってはまさに憧れでしかない。
フォルクスワーゲン・マイクロバスと2台体制だった
キャンピングカーの車内は特別なイベント日を除き公開していないそうだが、スタッフのロバートさんが「日本から来てひとりでルート66を東から西まで走るのか! じゃカギを開けるから好きなだけ見ていきなよ」と。彼とはクルマ好きという共通点があったおかげで話が弾み、愛車でポンティアックの街を案内してもらったりもした。その話は次回で詳しく書こうと思う。
ワルドマイヤー氏の愛車はもうひとつあり、そちらはミュージアムの館内に展示されている。1972年式のフォルクスワーゲン・マイクロバスで数日のショート・トリップならこっち、全線走破のような長旅ならスクールバスと使い分けていたのかもしれない。
時間に余裕があるならミュージアムの1階から行き来できる、往年の警察署と留置所を改装したエリアにも足を運んでみよう。私が訪れたときは鉄格子や剥き出しのトイレなど当時の設備を残したまま、ルート66の写真がたくさん飾られておりミスマッチさを含めて楽しめた。
狭くて荒れた大昔のルート66も味わえる
説明する順序が逆になったがポンティアック近郊のルート66は、すぐ隣にもっと古く幅が狭いルート66の路面が残っており、ところどころはクルマで走ったり自らの足で歩くこともできる。現在と過去のルート66を1枚の写真に収めてもいいし、この地を通った数え切れないほどの旅人に想いを馳せつつ、荒れたアスファルトの感触を楽しんでもいい。東部のルート66はアリゾナやカリフォルニアのような壮大さこそないが、今も生活道路として沿線の住人にとって必要不可欠な存在なのだ。
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みんなのコメント
この町の名も車の名もインディアンの「ポンティアック酋長」から採られています
ルート66は元々インディアンの道であり地名のイリノイもシカゴもインディアンの言葉です