現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 166】レオーネ3ドアクーペは、RX/IIでスバル初のフルタイム4WDを採用

ここから本文です

【昭和の名車 166】レオーネ3ドアクーペは、RX/IIでスバル初のフルタイム4WDを採用

掲載 更新 1
【昭和の名車 166】レオーネ3ドアクーペは、RX/IIでスバル初のフルタイム4WDを採用

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「スバル レオーネ3ドアクーペ RX/II」だ。

スバル レオーネ3ドアクーペ RX/II(AG6型):昭和61年(1986年)4月発売
1986年に富士重工(現スバル)が発売したレオーネ3ドアクーペRX/IIは、駆動方式がパートタイムからフルタイム4WDとなったことでエポックメイキングなクルマとなった。ドライブトレーンは、前輪と後輪の間にセンターデフを設けることで前後の回転速度差を吸収し、タイトターンブレーキング現象を解消しスムーズなコーナリングを可能とするセンターデフ式フルタイム4WDだ。直前にマツダがファミリアにフルタイム4WDを採用したため日本初とはならなかったが、それまで乗用車型4WD車の先陣を切ってきたスバルの意地ともいえるメカニズムだ。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

ライバルのファミリアとの最大の違いは、レオーネにはスバルが独自に開発したベベルギア方式のセンターデフが採用されていたことだ。ベベルギア方式の最大の特徴はコンパクトなサイズに収まることで、デフケースが従来のパートタイム4WDとほぼ同じサイズとなったのは大きなメリットだった。シンプルな機構のため耐久性が高かったのも特筆される。ファミリアはセンターデフにプラネタリーギアを使用していた。こちらも合理的ではあるが耐久性に難があったといわれる。

フルタイム4WDといってもセンターデフが差動して1輪でも空転してしまえば駆動力は伝わらないのはオープンデフの宿命だ。それではアイスバーンなどの極低ミュー路を走る場合には都合が悪い。そこでデフロックシステムが搭載された。これはコンソール部のダイヤルスイッチによって行われる。

さらにレオーネでは、デュアルレンジ・システムと称しトランスミッションギヤ比をHi/Loの2段階切り替えとしていたのも特徴に挙げられる。これはいわゆるエクストラロー的な使い方ではなく、Loレンジではエンジンの回転を高めに保ち、加速性能を重視したスポーティ走行を、Hiレンジではエンジン回転が抑えられて燃費・静粛性に優れた走りを実現するものだった。

エンジンは基本的には1984年発売のレオーネターボに搭載されたEA82ターボとなる。1.8Lの水平対向4気筒エンジンをターボチャージャーで過給したもので、スバル得意の低重心・コンパクトな水平対向エンジンの完成度を高めた。それまでのOHVからSOHCとし、ピボット部を油圧調整式にしたHLA(ハイドロラッシュアジャスター)を採用することで静粛性向上とメンテナンスフリー化も図っている。ターボは直径約50mmのタービンとコンプレッサーが一体化された小型軽量ユニットを採用。これに加えEGI(電子式燃料噴射装置)で吸入吸気量に合わせたガソリンを緻密にコントロールすることにより、より効率的に過給している。

サスペンションはフロント:ストラット/リア:セミトレーリングアームというオーソドックスなもの。RX/IIでは、この4輪独立サスペンションをベースにスポーツチューニングを施した。具体的には4WDスタンダードに比較してスプリングレートをフロント4%、リア12%強化し、ショックアブソーバーの減衰力を約2倍に高めた。さらにリアスタビライザーも追加している。ブレーキも進化した走りに対応して、フロントにベンチレーテッドディスクを配した4輪ディスクブレーキを採用した。

スタイルは従来のレオーネ3ドアクーペを踏襲するものだ。直線基調のボディは洗練された・・・とは言い切れないが、グレーをワンポイント的に配したホワイト外装と、大型フロントエアダムスカート、大型リアスポイラーにより、スポーティ感覚や若々しさを強調したものとなっている。1986年の全日本ラリー選手権ではファミリア4WDを抑えてチャンピオンに輝き、スバルの高い4WDの技術力を大いにアピールした。



スバル レオーネ3ドアクーペ RX/II 主要諸元
●全長×全幅×全高:4370×1660×1405mm
●ホイールベース:2465mm
●重量:1110kg
●エンジン型式・種類:EA82型・対向4 SOHCターボ
●排気量:1781cc
●最高出力:120ps/5200rpm(ネット)
●最大トルク:18.2kgm/2400rpm
●トランスミッション:5速MT×2
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:191万円

[ アルバム : スバル レオーネ3ドアクーペRX/II はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

F1オーストリアGPスプリント速報|フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィン! マクラーレンは力及ばず2-3。角田裕毅13位
F1オーストリアGPスプリント速報|フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィン! マクラーレンは力及ばず2-3。角田裕毅13位
motorsport.com 日本版
スーパーフォーミュラ富士公式テストが7月7~8日に開催。スケジュールとイベント情報が公開
スーパーフォーミュラ富士公式テストが7月7~8日に開催。スケジュールとイベント情報が公開
AUTOSPORT web
MINI カントリーマン 新型、最強「JCW」は300馬力ターボ搭載…新写真を公開
MINI カントリーマン 新型、最強「JCW」は300馬力ターボ搭載…新写真を公開
レスポンス
MotoGPオランダ予選|絶好調バニャイヤ、レコード大幅更新でポール獲得。マルティン僅差2番手
MotoGPオランダ予選|絶好調バニャイヤ、レコード大幅更新でポール獲得。マルティン僅差2番手
motorsport.com 日本版
トヨタが新型「カローラFX」初公開! 80年代イメージの「レトロ×スポーティ」斬新デザイン採用! ド派手な「FX16」の再来モデル アメリカ仕様に反響あり
トヨタが新型「カローラFX」初公開! 80年代イメージの「レトロ×スポーティ」斬新デザイン採用! ド派手な「FX16」の再来モデル アメリカ仕様に反響あり
くるまのニュース
“カワサキ製3気筒”を16基も連結! 4.2リッター48気筒の「モンスターエンジン」搭載!! ワケありカスタムバイクは“1気筒当たり約39万円”で落札
“カワサキ製3気筒”を16基も連結! 4.2リッター48気筒の「モンスターエンジン」搭載!! ワケありカスタムバイクは“1気筒当たり約39万円”で落札
VAGUE
デロリアン『DMC-12』をEVに、コンバージョンキット登場…0-96km/h加速5秒以下で航続240km以上
デロリアン『DMC-12』をEVに、コンバージョンキット登場…0-96km/h加速5秒以下で航続240km以上
レスポンス
GPSデータから見えたレッドブルとマクラーレンの違い。フェルスタッペンは最高速、ノリスはトラクションが武器に
GPSデータから見えたレッドブルとマクラーレンの違い。フェルスタッペンは最高速、ノリスはトラクションが武器に
motorsport.com 日本版
「ル・マン」は「メディアセンター」も24時間の戦い!? フランスの新聞社はおしゃべりも宴会も一流でした【みどり独乙通信】
「ル・マン」は「メディアセンター」も24時間の戦い!? フランスの新聞社はおしゃべりも宴会も一流でした【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ヤマハ発動機、ロードスポーツ二輪「MT-03」「MT-25」に新色ダークグレー追加
ヤマハ発動機、ロードスポーツ二輪「MT-03」「MT-25」に新色ダークグレー追加
日刊自動車新聞
ただの直4SOHCにあらず。三菱が満を持した純国産ターボで強力な過給時のパワーを実現!【GTmemories12 A183Aスタリオン ダイジェスト(4)】
ただの直4SOHCにあらず。三菱が満を持した純国産ターボで強力な過給時のパワーを実現!【GTmemories12 A183Aスタリオン ダイジェスト(4)】
Webモーターマガジン
「俺のデモランを妨害した……幼稚だ」フェルスタッペン父の主張をレッドブルのホーナー代表が否定。“チーム外”からの雑音は意に介さず
「俺のデモランを妨害した……幼稚だ」フェルスタッペン父の主張をレッドブルのホーナー代表が否定。“チーム外”からの雑音は意に介さず
motorsport.com 日本版
新型ヴェゼルや新型フリードに適用! 300万画素カメラ搭載のスマホ連動型純正ドライブレコーダーが登場
新型ヴェゼルや新型フリードに適用! 300万画素カメラ搭載のスマホ連動型純正ドライブレコーダーが登場
くるまのニュース
ホンダは新型EV『N-VAN e:』のアウトドアカスタム「e: FUN」を展示…東京アウトドアショー2024
ホンダは新型EV『N-VAN e:』のアウトドアカスタム「e: FUN」を展示…東京アウトドアショー2024
レスポンス
ヴェイロンよりもゾンダよりも速かった「アポロ」ってナニモノ? 世界にたった10台&4億円超えのスーパーカーで復活したブランドの正体
ヴェイロンよりもゾンダよりも速かった「アポロ」ってナニモノ? 世界にたった10台&4億円超えのスーパーカーで復活したブランドの正体
WEB CARTOP
BMW 4シリーズクーペとカブリオレの一部改良
BMW 4シリーズクーペとカブリオレの一部改良
Auto Prove
レクサスESに「ブラックライン」、限定1000台で4年ぶりに復活…米2025年型
レクサスESに「ブラックライン」、限定1000台で4年ぶりに復活…米2025年型
レスポンス
アルファベット3文字だらけのクルマ用語……意味わからん! とりあえずこれだけ知っとけばOKの13用語を解説
アルファベット3文字だらけのクルマ用語……意味わからん! とりあえずこれだけ知っとけばOKの13用語を解説
WEB CARTOP

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

143.0159.0万円

中古車を検索
レオーネの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

143.0159.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村