オールシーズンタイヤとレース用タイヤの意外に深い関係は?
グッドイヤーのオールシーズンタイヤとレース用タイヤが深い関係にある。そう聞くと多くの人は「そんなわけない」と思うことでしょう。
無理もありません。ここだけの話ですが筆者だって、グッドイヤーの担当スタッフから説明を受けるまでは、まったく意識していませんでしたから。
【画像】冬でも夏でもイケる? 最新オールシーズンタイヤの画像を見る!(14枚)
レース用のタイヤがどうオールシーズンタイヤと関係するのか。それはグッドイヤーがタイヤサプライヤーとして参戦する国際格式のレース「WEC(World Endurance Championship=世界耐久選手権)」に大きくかかわっています。
WECといってもかなりのレース通じゃないとピンと来ないかもしれません。でも、日本でもおなじみの「ル・マン24時間耐久レース」や日本で開催される「富士6時間耐久」がそのシリーズ戦のひとつだといえば、なんとなくイメージが湧くクルマ好きも多くいることでしょう。
グッドイヤーは2023シーズンまでWECの「LMP2」というカテゴリーの全マシンにタイヤを供給していました。驚くのは、用意するタイヤの種類です。
レースに詳しい人ならば、同じように見えるレース用タイヤでも気温や路面温度などによって複数のタイプを使い分けるのが常識だとご存じでしょう。
「ハード」と「ソフト」、ときにはその中間も用意するといったように、見た目は同じでも、コンパウンド(ゴムの特性)が異なるタイヤを用意するのです。
しかしグッドイヤーはそれをやめ、“たったひとつ”にしてしまったのです(溝がない「スリック」と濡れた路面用に同じ溝を入れた「ウェット」を用意するのみでコンパウンドはどちらも同じ)。
通常なら数タイプが必要という常識をグッドイヤーは最新のテクノロジーで打ち破り、1タイプのコンパウンドで幅広い気温や路面温度、そしてサーキットの特性に対応できるレース用タイヤを実現したのです。
聡明なみなさんならお気づきでしょう。その発想がオールシーズンタイヤとの共通点というわけです。
オールシーズンタイヤは、1本のタイヤであらゆる路面、幅広い環境に対応できるタイヤのこと。
レースでも公道でも、1本のタイヤで最大限に多くの路面に対応するというのがグッドイヤーの考え方ということなのです。
それがレースではコストダウンやサステナブル(原料も少なくて済むし数種類のタイヤを運ぶための環境負荷を低減できる)を実現。
いっぽうオールシーズンタイヤでは一般ユーザーに多くのベネフィットをもたらしてくれます。
日常的に降雪するような地域でなければ、夏タイヤと冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を履き替える必要がなくなるから、コストを低減し、履き替える手間を減らし、また保管場所の必要もなくなるからです。
レース用タイヤもオールシーズンタイヤも、技術のポイントとなるのは幅広い温度に対応するコンパウンド。
実は、グッドイヤーはレース用タイヤも市販のタイヤもコンパウンドの開発は同じチームがおこなっているとのこと。
考え方だけでなく、基礎的なテクノロジーまでレース用タイヤとオールシーズンタイヤがしっかりとシンクロしているのです。
そんなグッドイヤーの市販オールシーズンタイヤの最新版が「VECTOR 4SEASONS GEN-3(ベクター・フォーシーズンズ・ジェンスリー)」。
ちなみにオールシーズンタイヤはドライやウェットといった夏用タイヤの性能を高いレベルで保ちつつ、雪道も走れるのが特徴。
スタッドレスタイヤではないから氷の上を走るのまでは得意としないものの、雪道での高い性能が検証されたことを示す「スノーフレークマーク」もあり、高速道路の冬用タイヤ規制もスタッドレスタイヤなどと同様に通行可能なアイテムです。
新しいグッドイヤーのオールシーズンタイヤはどんな感じ?
今回、そんなVECTOR 4SEASONS GEN-3を「プジョー・リフター」に装着して雪国へドライブ。その実力をチェックしてきました。
まず、気になる雪道でのインプレッションからお伝えしましょう。テストした日は、しっかりと雪が積もって路面は真っ白。まずそこでの印象は「かなりイケる」です。
ノーマルタイヤなら空転して全く前へ進めないような真っ白い路面でも、VECTOR 4SEASONS GEN-3ならしっかりと路面を噛んで粛々と前へ進みます。
もちろんコーナーも不安なく、安心できます。そのあたりはスタッドレスタイヤとまったく遜色ない性能でした。
いっぽうで、さすがにアイスバーン(凍った場所)を通過する際はスタッドレスと同じようにはいきません。
とはいえ、氷の上でのグリップ感も夏タイヤのような「どうにもならない」というものではなく、「スタッドレスに比べればグリップしないけれどきちんと速度を落とせば超えられる」という印象。
グッドイヤーによると「アイス路面はスタッドレスタイヤの7割ほどのグリップ」とのことで、確かにそれは実際に走って感じた肌感覚とだいたい同じでした。凍っているのを感じたら、とにかく速度を落とすことがポイントです。
結論として、VECTOR 4SEASONS GEN-3はアイス路面を頻繁に走る人には向かないものの、雪道を走る分には不満なし。
そんな特性を踏まえると「日常的にスタッドレスタイヤは必要ないけれど、万が一に備えて雪道も走れるタイヤが欲しい」という人にはジャストな選択とあらためて感じました。
具体的には、東京、名古屋、大阪をはじめとする太平洋沿いの都市に住んでいる人には自信をもっておススメできます。
ところで、オールシーズンタイヤは雨にも強いことをご存じでしょうか。オールシーズンタイヤは一般的に排水性が高く、今回も高速道路移動中に激しい雨に見舞われましたが、そんなシーンでも安心して運転できました。
雨の日はスリップ事故が晴れの日の何倍も多いのですが、一つのタイヤでカバーできる範囲が広い長所は、雨の日でも生きてくるのです。
そして今回、「こんなに?」と思ったのがドライ路面での走り。特に高速道路をハイスピードクルーズするシーンで実感しました。
何をどう実感したかといえば、サマータイヤではない特別なタイヤだということを「まったく意識しなかった」こと。
静粛性や乗り心地といった快適性も、車体の安定感やしっかり感、そしてハンドリングといった走行性能面も気が付けば夏タイヤと同じ感覚で走っていたからです。
高速道路やドライの峠道もフツーに走れちゃうし、快適なのです。最新の「GEN-3」は、従来タイプの「VECTOR 4SEASONS Hybrid(ハイブリッド)」に対してパターンノイズを36%低減、ロードノイズは31%低減と静粛性が大幅アップ。
さらにタイヤのトレッド部分(接地面)の剛性を高めて舗装路での走行性能が高まったこともあって、オールシーズンであることをますます感じさせなくしたのでしょう。
車体が重く、重心だって高いリフターでも、車体がグラついたり挙動がフラフラしたりせずまったく不安なく高速巡航できたのだからさすがです。
「燃費が悪くなるのでは?」と思う人もいるかもしれません。でも高速道路を180キロの道のりを走っても巡航燃費は21km/Lを超えているのだから大したもの。
東京から雪国まで400キロを超えるツーリングをしてみたら、雪道性能から快適性、そしてドライの高速巡航性能まであらためてオールシーズンタイヤの進化と凄さを実感しました。
筆者は東京暮らしで雪国へ出かける機会もほぼないので、VECTOR 4SEASONS GEN-3のようなオールシーズンタイヤは実に賢い選択肢だと考えています。冬用タイヤを履き替えることなく雪の日でも困らないのは、やっぱり魅力です。
実は、同じように考えるユーザーがどんどん増えていて、オールシーズンタイヤの販売は毎年1割ずつアップしているのだとか。そんななか、定評の雪道性能に加えて快適性やドライ路面での走りも進化したVECTOR 4SEASONS GEN-3には注目しないわけにはいかないでしょう。
大切なことなので最後にもう1度書いておきますが、日常的に降雪してアイスバーンの上を走ることが多い人にはお勧めできるタイヤではありません。
でも、転ばぬ先の杖というか、雪がほとんど降らない地域の人が万が一の雪に備えての選択であれば、オールシーズンはとても理にかなったタイヤだと思います。
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みんなのコメント
しかし降ったら、そこいらで亀になってて
まあまあ大変な事になる
ってレベルなら通用しそう
よく、こんな無責任な記事を
書けるものだ。
妄想するなら
新型ランエボの記事でも載せとけ。
あ、すでに有ったかw