前戦ハンガリーGPの予選でクラッシュした角田裕毅(RB)。68Gもの衝撃を受けた角田のモノコックは壊れ、パワーユニットは日本のHRC Sakuraに戻された。
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)によれば、「裕毅のパワーユニットはまだ調査中で、完全に使用不可能になったわけではない」と言う。
角田裕毅、PUの5基目投入「最後方グリッドから最大限の結果を出す」スペシャルヘルメットも披露/F1第14戦
にもかかわらず、今回第14戦ベルギーGPで5基目を投入した理由を折原GMは次のように説明する。
「ダメージが大きいことは確かで、ペナルティを受けるとしたら、今回のベルギーGPはグリッドペナルティを受けてもコース上でオーバーテイクでき、挽回できるので入れることにしました。ここを逃すとなかなかチャンスはなく、ベルギーGPが終わってからハンガリーGPのエンジンが使えないことが判明しても、遅すぎるからです」
すべてのコンポーネントを交換したのは、今シーズンの予選でのパフォーマンスを考えた場合、ICEだけ交換して10グリッド降格にとどめたとしても、限りなく最後尾からスタートする可能性が高いからだと考えられる。
これにより、初日の角田のプログラムは土曜日の予選に向けたものはいっさい組み込まれず、日曜日のレースに向けたものに集中した。しかし、ロングランではマシンバランスに苦しめられた。フリー走行1回目ではアンダーステアに悩まされ、それはフリー走行2回目も同様だった。
「フロアなど、いろんなところに少しずつ問題があって、フリー走行2回目も同じパーツで走ったので、基本的には改善されませんでした。土曜日に向けて、それをどのようにして準備し直すかがポイントとなると思います」
パーツの問題に悩まされた角田だが、金曜日にしっかりとロングランをできたことが、日曜日に向けて好転するかもしれない。というのも、今週末のスパの天気は土曜日が雨で、日曜日が晴れと予報されているからだ。
もし、予報通り土曜日が雨になれば、金曜日にドライコンディションで行った予選シミュレーションはあまり意味がなく、むしろロングランに徹した角田に有利に働くかもしれない。
パワーユニットをすべて交換して、最後尾スタートが決まった金曜日。フリー走行を終えた角田は、今週末の戦い方を次のように語った。
「いつもと変わりません。できるだけオーバーテイクして、ポイントが獲れれば、最高です」
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