この記事をまとめると
■ホンダ・ステップワゴンとトヨタ・ノアを比較検証した
【試乗】ターボとe:HEVの悩ましい選択肢! ステップワゴン2モデルを比較試乗してみた
■どちらも防振性と静粛性に優れた上質感と安定した走行性能を備える
■筆者が下した判断は「多人数での移動が多いのであればステップワゴンを選ぶ」
ミドルサイズミニバンの元祖と王者を比較!
ステップワゴンのベンチマーク、ノア&ヴォクシー。 長らくミドルミニバンの王座に君臨したノアに対し、元祖ミドルミニバンはどこまで仕上げられているのか。奇しくも昨年、両車ともにフルモデルチェンジ。 そこでそれぞれ最上級ハイブリッドモデルを用意し、比較検証を実施した。
プレミアムラインが秀逸! ぜひAIRへの設定もお願いしたい
ここで持ち込んだステップワゴンは、AIRのFF車とスパーダ・プレミアムラインのFF車。すべてハイブリッドモデルで勝負!
AIRのFFモデルはしなやかさが感じられる仕上がりだ。フロア振動も、シートに伝わるビリビリとした感覚も、旧型とは明らかに違って進化したことが窺える。旧型ハイブリッドではボディダンパーを使っていたが、それを廃しても、それ以上の質感を出したことが新型の凄さのひとつだ。
分解能を10倍にして、切る方向と戻す方向を独自にアシスト設定できるようになったパワステのおかげもあり、かなりスッキリとしたハンドリングが味わえる。ややソフトになった足だが、それでも扱いやすさはなかなか。しなやかかつスムースに、安定してコーナーを駆け抜ける印象だ。
80km/hまでは微振動も音もかなり抑え込まれているが、その速度域を超えると、窓やBピラー周辺からの音が気になってくる。下が静かすぎて逆に上が気になるという感じだ。ガラスを分厚くするか(モーターを大容量にするなど大工事が必要らしい)、下の静粛性を抜くか? 何かしらの対策が欲しいところ。
続いて乗ったスパーダ・プレミアムラインは、そのさらに上を行く感覚があることを痛感させられる。
表皮の違いだけだというが、座り心地がしなやかになったシート。そして専用チューニングとなった17インチタイヤによって、静粛性も乗り心地もマイルドになり、開放的な視界で癒しを与えてくれるステップワゴンの世界観を見事に表現。
これなら独自の世界観を構築したAIRにもプレミアムラインが欲しいくらいだ。
音はするけど極端じゃないトヨタらしい巧妙な仕上げ
対するノアはプラットフォームが改められたことで得た、ドライバーとボディとの一体感がなかなか。走りに振ったのか? それとも構造用接着剤を使わない作りということもあるのか? タウンスピードにおけるゴツゴツ&ビリビリとした感覚はつきまとうが、どの速度レンジであったとしてもフラットに走る感覚はスポーティ。コーナーワークもなかなか。
ただ高速道路の直進安定性はステップワゴンのほうが上とみた。パワーユニットはエンジンを感じる仕上がりがあり、エコモードであったとしてもリニアに吹き上がる感覚。キビキビ走るならノアのほうが良いかもしれない。
音については下まわりが大きめな印象。かといってそれが悪くなく、下と上のうるささがバランスしたことで、速度を上げても風切り音が気にならないところはなかなかだと思えた。つまり、静かにすれば万事OK、というものでもないことがよく理解できる今回の試乗となった。
2列目・3列目の作り込みはいかほど?
違いは室内で如実に出た細かな仕様をよく見るべし
ステップワゴンの2列目は、旧型ノア&ヴォクシーのように横スライドを与え、中央寄せにすれば大きくスライドすることができるのが新しい。
一方のノアは、プラットフォームを改めたことでタイヤハウスとレールとの位置関係も見直すことが可能となり、横スライドを廃止。それでもかなり後ろまで下げられるようになった。
ならばノアの勝ち! かと思うとそうでもないことが判明。3列目を折りたたんで最後端までスライドしたとき、3列目シートが真横に来て圧迫感があるのだ。一方のステップワゴンは中央に寄せた状態で下がること、また3列目が床下収納なため、最後端までスライドしても横方向が気にならず開放的だった。
3列目に関してもステップワゴンは座面が分厚く、開放的で使いやすいところが印象的。視界も広く、ハズレの席という感覚がなくなってきたところも◎だ。
オットマンや2列目シートヒーターを装備するグレードが共に出たことは面白いが、いざ比べてみると意外と違う部分が多かった2台。それらを統合して祖父/祖母を乗せて走る機会も多いならステップワゴンを選ぶかな。
※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております
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みんなのコメント
と言いたいところだが、両方乗ってた事あるけどやっぱりどっちでもええやんけーですわ
カネが動いてるな。
ステップワゴン、現行も苦戦してるんだろうね。
まあ当たり前だと思うけど。