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【空飛ぶクルマ】量産サービス化までの道のり、極めて厳しいワケ トヨタが約433億円投資も

【空飛ぶクルマ】量産サービス化までの道のり、極めて厳しいワケ トヨタが約433億円投資も

トヨタ近未来型実験都市の上空を飛ぶのか?

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】アウディやアストン マーティンも披露 意外と多い空飛ぶクルマ 全24枚

トヨタは米国時間の2020年1月15日、いわゆる「空飛ぶクルマ」を研究開発しているベンチャー企業、ジョビー・アビエーション(本社カリフォルニア州サンタクルーズ市)に対して、3.94億ドル(1ドル110円換算で約433億円)の投資を伴う事業連携を行うと発表した。

開発の対象は、eVTOLと呼ばれる電動モーターを使った垂直離着陸型の飛行体だ。

今回の事業連携で、トヨタの役割は、設計/素材/電動化の技術開発に直接携わることで、生産についてもトヨタ生産方式を活用する。

最終的には量産化を目指すとしているが、現時点では明確な量産時期は公表していない。

トヨタはトヨタグループ各社と共同出資のかたちで、日本のベンチャー、スカイドライブにも出資しているが、出資の規模と事業への関わり方として、今回のジョビー・アビエーション案件の方が重要度が高いようにみえる。

また、今回の発表の1週間ほど前、米ラスベガスで開催されたIT・家電の世界最大級見本市・CES2020で、静岡県裾野市に約2000人が居住することを想定した近未来型実験都市「WovenCity(ウーブン・シティ)」を2021年に着工すると、豊田章男社長自らが世界に向けてプレゼンテーションしたばかり。

当然、ウーブン・シティの上空を、ジョビー・アビエーションと協業開発する「空飛ぶクルマ」が飛び回るようなイメージを抱く人が増えるだろう。

「空飛ぶクルマ」実用化のきっかけ、ドローン商用利用

ひとことで「空飛ぶクルマ」といっても、小型飛行機のような形状から、大型ドローンのようなモノまで飛行の様式は様々ある。

筆者(桃田健史)はいま(2020年)から33年前の1987年、米カリフォルニア州べーカーズフィールド市で飛行訓練を行い、米連邦航空局(FAA)の自家用双発飛行機の操縦免許を取得した。

その後、自動車関連の仕事に加えて、航空関連の取材等をこれまで継続してきたが、いわゆる「空飛ぶクルマ」の類は90年代から、いかにも発明家といった雰囲気の事業家から
夢のよう量産化計画を聞かされることが多かった。

「空飛ぶクルマ」が夢物語でなくなったのは、米連邦航空局が2015年、小型ドローンの商用利用に関して法改正を伴う規制緩和に動き出してからだと、筆者はみる。

2015年5月、米ジョージア州アトランタで行われた無人操縦機器に関する国際シンポジウムで、米連邦航空局のマイケル・フエルタ長官(当時)がドローン遠隔操縦の商用化に関する実証試験について発表した。会見には筆者も参加し、フエルタ長官や米航空宇宙局(NASA)の関係者と直接意見交換した。

その中で「VTOL(垂直離着機)として、将来的には有人飛行も視野に入れたいが、技術的、またサービス事業として確立させるにはまだ多くの課題がある」との指摘があった。

大きなハードル=電動化

米連邦航空局やNASAが「技術的な課題」としたのが、パワートレインの問題だ。

VTOLには、広義ではヘリコプターも含まれるように、液体の航空燃料を使った内燃機関をパワートレインとすれば、技術的なハードルは当然低い。

だが、今回のトヨタ事案にあるように、多くのベンチャーが目指しているのパワートレインを電動化させたeVTOLだ。小文字eは、電動化を意味する。

大型飛行機でもパワートレインの電動化に関する技術開発は行われており、航空関連シンポジウムで航空機大手が実験データを基に将来構想を発表することは珍しくない。

その場合でも量産化について、高いエネルギー密度を持つ小型の蓄電池が早期に実用化されるかどうか、疑問の声が挙がる。

なかには、現行のリチウムイオン二次電池へ、空中給油ならぬ空中充電の構想を打ち出すケースもある。

一方、近年実用化されている小型ドローンでも、電池に関する課題は極めて大きい。測量や橋梁の検査などで使われる商用ドローンの場合、最大飛行時間は15分程度が一般的だ。

こうした状況で、サービス事業者としては「15分間で、いかに効率的で収益性の高いサービスができるか」を顧客に提案することが事業の中核になっている。

こうした現状を見る限り、リチウムイオン二次電池のさらなる技術革新が進み、またトヨタが現在進めている全固体電池が量産化されたとしても、長時間の飛行に十分に対応できる電池がeVTOLに採用されるのは、今後10年ていどのスパンでは実現できないように感じる。

収益性のあるサービスができるのか?

eVTOLにしろ、他の形式の飛行体にしろ、「空飛ぶクルマ」が直面する最も大きな課題は、マネタイズ(収益性のある事業)をどうやって確立させるかだ。

前述の2015年の米連邦航空局の商用ドローン規制緩和の動きの後、ライドシェアリング大手のウーバーが「空飛ぶクルマ」のサービスモデル化を公表。NASAなどから技術者など幹部をウーバー社内に招聘し、ウーバー独自開催の空飛ぶクルマに関する国際会議を仕立てるようになった。

最近では、韓国ヒュンダイとウーバーが連携するなど、自動車産業との連携を模索し始めた。

ウーバーとしては、ウーバー創業者グループがライドシェアリング事業で体験したように、巨額の先行投資によって当面は赤字経営でも先行者利益として市場の占有を狙っているようにみえる。

トヨタが本格的な一歩を踏み出した「空飛ぶクルマ」。日本政府は、2023年の実用化を目指し産学官連携体制で臨むが、技術面とサービス面で課題は山積している。

これから、トヨタの手腕が問われる。

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