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B9系の最後を飾る限定仕様 アウディRS4 アバント・コンペティションへ試乗 実用性と積極性

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B9系の最後を飾る限定仕様 アウディRS4 アバント・コンペティションへ試乗 実用性と積極性

RSスポーツ・サス・プロが標準装備

アウディがRS4 アバントの限定仕様、コンペティションを発表したのは2022年。それから数か月を経て、やっとグレートブリテン島への上陸を果たした。オシャレにうるさい英国人のために、カッコいいホイールを入念に磨いていたのかもしれない。

【画像】B9系の最後を飾る限定仕様 アウディRS4 アバント・コンペティション 競合の高性能ステーションワゴン 全112枚

英国へ導入されるRS4 アバント・コンペティションは、75台のみ。すべてが写真の通り、グロス・ブラックに塗装されて届けられる。

通常のRS4 アバントとの違いは多岐に渡る。英国仕様の場合、フロントバルクヘットに取り付けられる防音材が薄くなり、美声を響かせる専用エグゾーストシステムが標準で組まれる。

目玉といえるのが、KW社製の車高調整式コイルオーバー・ダンパー。RSスポーツ・サスペンション・プロと呼ばれる、高性能なアイテムが与えられている。

出庫時の時点で、通常のRS4 アバントより車高は10mm低い。ジャッキアップして工具で調整すれば、さらに10mm低くすることもできる。剛性の増したアンチロールバーも組まれ、タイトな走りを叶えている。

ダンパーのダイヤルを回せば、減衰力は3段階から選べる。従来と異なり運転席からは特性を変更できず、タイヤを外す必要があるという事実が、コンペティションのシリアスぶりを物語る。

スポーツ・リアディファレンシャルも装備される。クラッチベースのトルクベクタリング機能を備え、専用の制御特性を得ているという。ステアリングレシオも、比較的クイックな13.1:1の固定式になる。

洗練されたRS4 アバントの個性は変わらない

かなりの変更が加えられたといえるコンペティションだが、試乗車を運転してみた限り、RS4 アバントの個性はそのままだった。ダンパーは乗り心地重視で、車高は通常の10mmダウンという設定なら。

最大のライバル、BMW M3 ツーリングと比較して、ドライビング体験のアグレッシブさは控えめ。路上での容姿も、筆者の印象としては、落ち着きが残されている。

理想的なモデルを何台か選ぶ時、多くのドライバーがRS4 アバントをその1台にノミネートさせると思う。筆者も、その考えにはうなずける。

通常のRS4 アバントは洗練度が高く、一般道をスムーズに走れる。コンペティション仕様でも、それはまったく変わらない。乗り心地には若干の硬さが出ているものの、姿勢制御には締まりがあり、不快に感じさせるほどではない。

コーナリングやブレーキング時のボディの傾きは限定的。ステアリングホイールは軽く回せ、反応はクイック。強い一体感をもたらすほどではないものの、自然で、全体の設定にまとまりがあり心地良い。

ロードノイズが抑えられているから、舗装の古い高速道路でも問題無く長時間運転できるだろう。それでいて、気持ちが高ぶるワインディングへ差し掛かれば、不満なく応えてくれるに違いない。

450psのV6ツインターボに上質なインテリア

今回の試乗は公道に限られたため、専用チューニングのリアデフがコーナリングにどれだけ影響を与えるのか、確かめることはできなかった。ジャッキアップして、ダンパーをサーキット志向の設定へ切り替えた変化も、あいにくご報告できない。

少なくとも、限界領域は公道で解き放てるレベルを越えている。週末の早朝にタイヤを外して、自分好みのセットアップを探す作業が楽しいことも、間違いないだろう。

パワートレインの設定は従来のまま。3.0L V6ツインターボ・ガソリンエンジンが、450psを5700-6700rpmで発揮する。2000rpmから湧き出る最大トルクは、61.1kg-mとたくましい。

スロットルレスポンスは鋭敏で、トルク曲線はフラット。粘り強く扱いやすいだけでなく、4000rpmを超えた辺りからパワーが高まり、呆れるほどの加速が繰り出される。

上質なインテリアは、アウディへの期待どおり。車内は大人4名が問題なく長時間過ごせる広さがあり、荷室は大容量で旅行にも困らない。内装は落ち着いたカラーリングでコーディネートされ、ソリッドな素材で仕立てられている。

ドライブモードを切り替えれば、ステアリングホイールの重み付けやドライブトレインの特性を変更できる。ただし、前述の通りサスペンションの設定は変わらない。

B9系のラストを飾る素晴らしい特別仕様

恐らく、ステーションワゴンが嫌いでなければ、RS4 アバント・コンペティションを簡単に好きになれるはず。事実、グレートブリテン島で販売される75台は完売状態。だが、9万ポンド(約1629万円)程度で、転売された個体が売に出ているようだ。

アウディA4 アバントの秀でた実用性と、RSの明確な積極性が、見事に融合している。通好みの俊足ワゴンとして、魅力は巨大だ。間もなくB9系のRS4 アバントはモデルライフを終える。そのラストを飾る特別仕様として、素晴らしい内容にあると感じた。

アウディRS4 アバント・コンペティション(英国仕様)のスペック

英国価格:8万4600ポンド(約1531万円)
全長:4782mm
全幅:1866mm
全高:1414mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.3km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1745kg
パワートレイン:V型6気筒2984ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:450ps/5700-6700rpm
最大トルク:61.1kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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