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災害対策としての最強のクルマ選びはSUV+PHEV!

掲載 更新 12
災害対策としての最強のクルマ選びはSUV+PHEV!

 自販連が発表した燃料別乗用車販売台数(2021年1月)を見ると、乗用車全体の53.4%がガソリン車、HV車は37.0%、7.2%のディーゼル車。これに続くのが、2.7%と想像以上に少ないのが、プラグインハイブリッド車(PHVまたはPHEVと呼ぶ)である。ちなみに、EVは0.9%、FCV(燃料電池車)は0.1%。

 みなさんもよくご存じの通り、HVについては走行中に充電しながら走るが、PHVは外部電源からの充電も可能という点が大きな違い。走行中でもHV同様充電可能だが、停車中にコンセントにつないで充電できるのだ。

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 さらにほとんどのPHVはHVよりバッテリー容量が大きく、EV走行の航続距離がHVよりはるかに長く、最高速度も高い。例えばプリウスの蓄電池容量は3.6Ah(E-Fourは6.5Ah)だが、プリウスPHVでは25Ahとプリウスの3.8~7倍だ。

 PHVの魅力はなんといっても、HVの駆動用バッテリーを10倍近くの量に増やし、充電設備があれば買い物などの近距離の利用は電気自動車、遠出の際は燃費のいいハイブリッドカーとして使え、エンジンが付いているので電気自動車が弱い冬場のヒーターの心配もない。

 さらに災害の時にはPHVを4~5日ぶんの一般家庭用電源として、照明や冷蔵庫、電子レンジなど、災害などで停電した時に電化製品に給電することができるのだ。

 そこに多くが4WDとなるSUVという要素が加わると、悪路走破性も高く、荷物をたくさん積めることができる。SUV+PHVこそ、これからの時代、もっともっと増えていくべき電動車ではないだろうか。

 そこで今日本で買える、SUV+PHV車はどんなものがあるのか、魅力をモータージャーナリストの永田恵一氏が解説する。

文/永田恵一
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部

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トヨタRAV4 PHV

EV走行距離95km、駆動用バッテリー容量18.1kWh、給電○、価格469万~539万円

 RAV4に2020年6月に加わったPHVは、フロントは2.5Lエンジンを搭載するトヨタ式2モーターハイブリッド、リアはモーターで駆動する点はRAV4ハイブリッドの4WDと共通だ。

 RAV4 PHVはRAV4ハイブリッドに対し後輪モーターこそ変わらないものの、エンジンの若干のパワーアップ、フロントの駆動用モーターは120馬力から182馬力と大幅に強力になっており、フルパワーとなるシステム出力は222馬力から306馬力に向上。0~100km/h加速は6.0秒と、スポーツカー並みの速さを誇る。

 それでいて補助金なども加味したRAV4ハイブリッドとPHVの実質的な差額は動力性能の向上だけでも納得できる約50万円と、内容を考えれば非常にリーズナブルという高い商品力を持つ。

 そんな魅力に溢れたクルマだけに登場時の300台という月間販売目標台数に対し注文が殺到し、駆動用バッテリーの生産がまったく追いつかず、現在注文が一時停止となっていることが最大の欠点だ。

三菱アウトランダーPHEV

EV走行距離57.6km、駆動用バッテリー容量13.8kWh、給電○、価格436万4800~529万4300円

 SUVのプラグインハイブリッドのパイオニア的存在で、2012年の登場以来時間は経っているものの、エンジンを2リッターから2.4リッターに排気量アップするなど度重なる改良により、未だに魅力を保っている。

 アウトランダーPHEVのハイブリッドシステムはフロントはエンジンを基本的に発電に使い、速度域が上がりEV走行だと効率が悪くなってくるとクラッチを介しエンジンとタイヤを直結するエンジン駆動モード付き2モーターシリーズハイブリッド、リアはモーター駆動というもので、エンジンの存在感が非常に薄い静かな走りや三菱自動車の4WDらしい雪道などでのコントロール性の高さが大きな特徴となっている。

三菱エクリプスクロスPHEV

EV走行距離57.3km、駆動用バッテリー容量18.1kWh、給電○、価格469万~539万円

 2020年12月のビッグマイナーチェンジでエクリプスクロスに加わったPHEVは駆動用バッテリーやハイブリッドシステム自体といったハードウェアは、同じプラットホームを使うアウトランダーPHEVと共通だ。

 しかし、アウトランダーPHEVに対しボディサイズの小さいクーペルックのSUVというキャラクターも反映し、アウトランダーPHEVにはないグラベル、ターマックといった走行モードに加え、ビッグマイナーチェンジでボディ剛性の強化やサスペンションのリセッティングが行われた効果により、SUVに乗っていることを忘れさせるほどスポーティな走りを楽しめる。

メルセデスベンツGLC350e 4MATIC、GLC350e 4MATICクーペ

EV走行距離47.3km、駆動用バッテリー容量11.3Wh、給電×、価格899万円。GLC350e 4MATICクーペはEV走行距離47.5km、駆動用バッテリー容量11.3kWh、給電×、価格932万円

 CクラスベースのSUVとなるGLC、GLCを流麗なクーペルックとしたGLCクーペに設定されるプラグインハイブリッドは、211馬力の2L、直4ターボに9速AT内蔵のモーター(122馬力)との組み合わせにより、システム出力は3.5L、NA並の320馬力を誇る俊足プラグインハイブリッド+SUVだ。

 また大容量バッテリーの搭載で車両下部の重量が増していることにより、ベンツらしい重厚感がより濃厚な点も特徴となっている。

BMW X3 xDrive 30e

EV走行距離43.9km、駆動用バッテリー容量12.0kWh、給電×、価格778万~781万円

 3シリーズベースのSUVという点などベンツGLCと似たところが多々あるX3は、プラグインハイブリッドも184馬力の2L、直4ターボに8速AT内蔵のモーター(109馬力)を組み合わせる点もよく似ており、動力性能は292馬力のシステム出力により0~100km/h加速は6.1秒とスポーツカーに匹敵する速さを持つ。

BMW X5 xDrive 45e

EV走行距離79.2km、駆動用バッテリー容量24.0kWh、給電×、価格1028万円~1118万円

 ベンツならGLEに相当するX5のプラグインハイブリッドは3L、直6ガソリンターボ(286馬力)に8速ATに内蔵された113馬力のモーターを組み合わせたものだ。

 駆動用バッテリー容量が24.0kWhと大きいこともあり、車重2500kgという重量級ながら0~100km/h加速は5.9秒とスポーツカーに匹敵し、EV走行距離もプラグインハイブリッドとしては長い。

ミニクロスオーバーPHEV

EV走行距離53.0km、駆動用バッテリー容量10.0kWh、給電×、価格510万円

 ミニクロスオーバーPHEVは、フロントは6速ATと組み合わされる136馬力の1.5L、3気筒ターボ、リアは88馬力のモーターが駆動するというもので、EV走行中はリアのみの駆動、4WDとなる際はフロント/エンジン駆動、リア/モーター駆動となるなど、ユニークなシステムとなっている。

ポルシェカイエンEハイブリッド、カイエンEハイブリッドクーペ

EV走行距離44km、駆動用バッテリー容量17.9kWh、給電×、価格 カイエン1275万円、カイエンクーペ1343万円

ポルシェカイエンターボS Eハイブリッド、カイエンターボS Eハイブリッドクーペ

EV走行距離41km、駆動用バッテリー容量17.9kWh、給電×、価格カイエン2408万円、カイエンクーペ2465万円

 ポルシェのラージSUVであるカイエンとカイエンクーペには2種類のプラグインハイブリッドが設定されている。

 2種類のうちバランス型となるのが340馬力の3L、V6ターボに8速ATに内蔵される136馬力のモーターを組み合わせたEハイブリッドで、それでもシステム出力は462馬力に達し、0から100km/h加速はスポーツクロノパッケージ付で5.0秒、最高速253km/hと第一級のスポーツカー並みの動力性能を備える。

 もう1つはザックリいうとEハイブリッドのエンジンを550馬力のV8ツインターボに換えたものとなるターボS Eハイブリッドで、こちらは680馬力のシステム出力を誇り、0~100km/h加速はスポーツクロノパッケージ付きで3.8秒、最高速295km/hとスーパーカー級だ。

プジョー3008GTハイブリッド4

EV走行距離64.0km、駆動用バッテリー容量13.2kWh、給電×、価格565万円

 プジョー初のプラグインハイブリッドとなるミドルSUVの3008GTハイブリッド4は、フロントは200馬力の1.6Lターボ+8速AT内蔵の110馬力のモーター、リアは112馬力のモーターによる駆動で、システム出力は300馬力というミドル級のスポーツカーに匹敵し、RAV4 PHVの車格を半クラス下にしたようなキャラクターを持つ。

レンジローバープラグインハイブリッドP400e

EV走行距離41.4km、駆動用バッテリー容量13.1kWh、給電×、価格1493万~2956万円

レンジローバースポーツプラグインハイブリッドP400e

EV走行距離43.8km、駆動用バッテリー容量13.1kWh、給電×、価格1218万~1351万円

 SUVの王様的存在となるレンジローバー、レンジローバーよりはスポーティかつカジュアルなキャラクターとなるレンジローバースポーツに設定されるプラグインハイブリッドは300馬力の2L、直4ターボに8速AT内蔵のモーター(142馬力)組み合わせたもので、システム出力は404馬力となる。

 レンジローバー、レンジローバースポーツともに車重は2600kg台からとなるが、モーターのアシストもあり重量車ながら走りは軽快だ。

ボルボXC40リチャージプラグインハイブリッドT5

EV走行距離45.6km、駆動用バッテリー容量10.3Wh、給電×、価格649万円

 48Vマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッド、スウェーデン本国ではすでに登場している電気自動車という3本柱で電動化を進めるボルボは、小さめのミドルSUVのXC40にもプラグインハイブリッドとなるリチャージプラグインハイブリッドT5を設定している。

 XC40リチャージプラグインハイブリッドT5は180馬力の1.5L、3気筒ガソリンターボに7速DCT内蔵のモーター(82馬力)というプラグインハイブリッドシステムを使っており、当記事で登場するプラグインハイブリッドのSUVでは唯一のFF車となる。

 動力性能は1.5L、3気筒ガソリンターボながらシステム出力は262馬力と、車名通り動力性能重視の2Lガソリンターボ級で、振動に代表される3気筒エンジンの弱点をほとんど感じさせないところも魅力だ。

ボルボXC60リチャージプラグインハイブリッドT8 AWD

EV走行距離40.9km、駆動用バッテリー容量11.0kWh、給電×、価格949万円

ボルボXC90リチャージプラグインハイブリッドT8 AWD

EV走行距離40.6km、駆動用バッテリー容量11.0kWh、給電×、価格1139万円

 ボルボの大きめのミドルSUVとなるXC60と7人乗りラージSUVのXC90のプラグインハイブリッドとなるリチャージプラグインハイブリッドT8は、フロントを駆動するターボとスーパーチャージャーを持つ2L、4気筒ガソリンターボ(318馬力)+8速AT内蔵のモーター(46馬力)、リアを駆動するモーター(85馬力)という構成で、システム出力はT8の名に相応しい4Lを超えるV8エンジン級となる400馬力以上に達する。

 なおボルボのプラグインハイブリッドはXC40も含め駆動用バッテリーをセンタートンネルに搭載する点も大きな特徴となっている。

ジープレネゲード4xe

EV走行距離49.8km、駆動用バッテリー容量11.4kWh、給電×、価格498万~503万円

 ジープブランドでは末っ子となるレネゲードのプラグインハイブリッドはフロントを駆動する1.3L、直4ガソリンターボ+6速AT内蔵のモーター(45馬力)、リアを駆動するモーター(128馬力)というシステムだ。

 グレードは最低地上高170mmというシティ派SUVで131馬力のエンジンを搭載し、システム出力は191馬力のリミテッド(498万円)と210mmの最低地上高を確保し、179馬力となるエンジンの搭載によりシステム出力も239馬力に向上するトレイルホークの2つだ。プラグインハイブリッドながらリミテッド、トレイルホークともにジープの名に恥じない悪路走破性も備えている。

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みんなのコメント

12件
  • 「PHVを4~5日ぶんの一般家庭用電源として、照明や冷蔵庫、電子レンジなど、災害などで停電した時に電化製品に給電することができるのだ。」 おいおい。。
    これは家庭への全電力供給のことだろう。
    その前提条件は、チャデモの急速充電コネクタが装備された車両で、且つ自宅にV2Hが装備されていないと、車載用の1500Wのコンセントからチマチマとするだけ。

    現在、知っている限りでこれに対応するのは、国産車ではプリウスPHVの最新型。
    三菱エクリプスクロスPHEV アウトランダーPHEV ミーブ
    日産 リーフ全グレードのみだと記憶。

    マツダは知らん。できても販売量が少ないから無視する。
    プリウスPHVは、バッテリー自体がショボいから供給力としては弱い。

    災害強いってタイトルなら三菱のSUV PHEVが現在一択だろう。
  • 災害対策だけじゃない
    キャンプ等アウトドアで重宝しますよ!その点三菱車は使い勝手良いし、映えますよ。それにしても欧州車は給電機能無さ過ぎ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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