現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【FRへの憧憬 15】メルセデス・ベンツ 300SLはガソリン車初の燃料噴射を採用したスポーツカー

ここから本文です

【FRへの憧憬 15】メルセデス・ベンツ 300SLはガソリン車初の燃料噴射を採用したスポーツカー

掲載 更新
【FRへの憧憬 15】メルセデス・ベンツ 300SLはガソリン車初の燃料噴射を採用したスポーツカー

スーパーカーといえばエンジンはミッドシップ…と思われがちだが、コンベンショナルなFR(フロントエンジン リアドライブ)を採用しているモデルも、1960年代から21世紀の現代まで数多く存在する。そこで、FRならではの美しい佇まいも備えたスーパースポーツカーを紹介する連載企画をお届けしよう。

MERCEDES-BENZ 300SL:メルセデス・ベンツ 300SL(1954-1963)
メルセデス・ベンツは、現在もなおフラッグシップ・スポーツカーに「SL」の名を与えているが、その始まりは、ここで紹介する300SLだ。SLとはドイツ語の「Sport Leicht(シュポルト ライヒト)」の略で、軽量スポーツカーを意味する。もっとも、現代のSLはかつてほど軽量とは言いがたいから、SLのLはLuxury(ラグジュアリー:豪華な)のLになったという人もいる。

【スクープ】専用スペースフレーム採用か!? 特許公開でわかったRX-9の開発進捗状況

300SLは1950年代当時、メルセデス・ベンツの最高技術を投入した自動車界きってのスーパースポーツカーという存在だった。第二次大戦後、300SLのプロトタイプによってメルセデス・ベンツはスポーツカーレースに復帰した。1952年のル・マン24時間レースやカレラ・パナメリカーナ・メヒコなど、数多くのレースで優勝した、そのレースカーをもとにした市販型が300SLである。デビューは1954年のニューヨーク国際オートショーだった。

フロントに搭載されたエンジンは、乗用車の300シリーズに搭載された3L 直列6気筒SOHCがベースだが、徹底的に強化された。特に注目すべき点はボッシュ社と共同開発した燃料噴射装置をキャブレターに代わって採用したこと。これにより、300SLは史上初の燃料噴射装置を採用したガソリンエンジン車となった。しかも、このエンジンは重心を下げるために40度以上傾けて搭載された。

シャシは、細い鋼管を組んだマルチチューブラーフレームを採用し、その形状は鳥カゴのようなのでシャシはバードケージなどとも呼ばれている。このシャシは構造上サイドシルが高くなるため、ドアは普通のスイングドアではなくルーフを支点にしたガルウイングドアが採用された。市販車にガルウイングドアを初めて採用したのもこの300SLである。

ガルウイングドアゆえの乗降性の問題などもあり、1957年にクーペの300SLは生産を終了し、代わりにオープントップの300SLロードスターが生産される。乗り降りがしやすく、クーペほどスパルタンなイメージでないことから、クーペ以上に人気を集める。1963年に230SLに代を譲るまで、300SLは高額なスポーツカーではあったが、クーペとロードスターを合わせて3000台以上が生産された。

日本でも、プロレスラーの力道山や俳優の石原裕次郎など、クルマ好きの著名人が愛車にしていたことは有名な話だ。また、クーペと同時に発表されていた廉価版の190SL(110psの1.9Lエンジンを搭載)は、300SLに比べれば手ごろな価格と適度な性能で、2万5000台以上を生産する人気モデルとなった。

メルセデス・ベンツ 300SL 主要諸元
●全長×全幅×全高:4520×1790×1300mm
●ホイールベース:2400mm
●車重:1295kg
●エンジン形式・排気量:直6 SOHC・2996cc
●最高出力:215ps/5800rpm
●最大トルク:28.0kgm/4600rpm
●燃料タンク容量:130L
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.90×15

スーパーカー図鑑のバックナンバー

[ アルバム : メルセデス・ベンツ 300SL はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[15秒でニュース]ポルシェ『マカン』新型がユーロNCAPで最高評価
[15秒でニュース]ポルシェ『マカン』新型がユーロNCAPで最高評価
レスポンス
日産とホンダ、2026年8月に経営統合へ。ここに三菱も加わる? 3社協業形態の検討に関する覚書を締結
日産とホンダ、2026年8月に経営統合へ。ここに三菱も加わる? 3社協業形態の検討に関する覚書を締結
motorsport.com 日本版
2024年のもっとも美しい色のクルマはCX-80の銅色! 開発者が狙った「溶けるような銅」とは
2024年のもっとも美しい色のクルマはCX-80の銅色! 開発者が狙った「溶けるような銅」とは
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツ、AMG「SL」にPHV追加 価格は3350万円
メルセデス・ベンツ、AMG「SL」にPHV追加 価格は3350万円
日刊自動車新聞
「AT車」の「MTモード」なぜ搭載されている? 使ったことない人も多い!? “手動で変速”したほうが良い意外な場所とは?
「AT車」の「MTモード」なぜ搭載されている? 使ったことない人も多い!? “手動で変速”したほうが良い意外な場所とは?
くるまのニュース
初代VW『ティグアン』はかなり本気度の高いSUVだった【懐かしのカーカタログ】
初代VW『ティグアン』はかなり本気度の高いSUVだった【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
NDロードスターやFFコンパクトでジムカーナするならまさにジャストサイズ! WedsSport TC105Xの16インチに待望の幅広リムをラインアップ
NDロードスターやFFコンパクトでジムカーナするならまさにジャストサイズ! WedsSport TC105Xの16インチに待望の幅広リムをラインアップ
WEB CARTOP
EVって固いイメージあったけどこんなアソビ心あったんか! 楽しさ爽快感マシマシなEVオープンカー9選
EVって固いイメージあったけどこんなアソビ心あったんか! 楽しさ爽快感マシマシなEVオープンカー9選
THE EV TIMES
【ブレイズ】ブレイズの電動モビリティ全機種が対象!「ゼロ金利キャンペーン」を1/7より実施
【ブレイズ】ブレイズの電動モビリティ全機種が対象!「ゼロ金利キャンペーン」を1/7より実施
バイクブロス
ほどよい「しなり」でしっとり上質な乗り味に、HKS『GR86/BRZ』用カーボンブレース発売
ほどよい「しなり」でしっとり上質な乗り味に、HKS『GR86/BRZ』用カーボンブレース発売
レスポンス
【米国】スズキが「ジムニー」ベースの“自動運転台車”を公開! 斬新すぎる「ぺったんこボディ」採用で積載性バツグン! CES2025で実車お披露目へ
【米国】スズキが「ジムニー」ベースの“自動運転台車”を公開! 斬新すぎる「ぺったんこボディ」採用で積載性バツグン! CES2025で実車お披露目へ
くるまのニュース
ホンダと日産、経営統合の検討へ基本合意書を締結 持ち株会社設立し上場廃止 2025年6月の最終合意目指す
ホンダと日産、経営統合の検討へ基本合意書を締結 持ち株会社設立し上場廃止 2025年6月の最終合意目指す
日刊自動車新聞
え、プラス700万もしたの…ベンツ500SECのガルウィング仕様衝撃の今
え、プラス700万もしたの…ベンツ500SECのガルウィング仕様衝撃の今
ベストカーWeb
「ポルシェ・タイカン ターボS」で、英ウェールズのクリスマス巡礼。特別な道を特別なクルマで
「ポルシェ・タイカン ターボS」で、英ウェールズのクリスマス巡礼。特別な道を特別なクルマで
LE VOLANT CARSMEET WEB
まずは次期プレリュード プロトタイプで気持ちよさの片鱗を体感!「Honda S+ Shift」から始まる「Honda e:HEV」の革新は、内燃機関の未来に新たな刺激をプラスする
まずは次期プレリュード プロトタイプで気持ちよさの片鱗を体感!「Honda S+ Shift」から始まる「Honda e:HEV」の革新は、内燃機関の未来に新たな刺激をプラスする
Webモーターマガジン
【MotoGP】「紳士でいるのはやめろ」ドゥカティ幹部、王座争い劣勢バニャイヤにかけた厳しい言葉明らかに
【MotoGP】「紳士でいるのはやめろ」ドゥカティ幹部、王座争い劣勢バニャイヤにかけた厳しい言葉明らかに
motorsport.com 日本版
モトマスターの CB1100/EX用「ブレーキディスク」がアクティブから発売!
モトマスターの CB1100/EX用「ブレーキディスク」がアクティブから発売!
バイクブロス
ホンダ『N-BOX』2WD向け車高調キット、ブリッツ「DAMPER ZZ-R」が価格を変更
ホンダ『N-BOX』2WD向け車高調キット、ブリッツ「DAMPER ZZ-R」が価格を変更
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1342.01783.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

120.02688.0万円

中古車を検索
SLの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1342.01783.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

120.02688.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村