現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「ミラノ」と発表から5日で車名変更したアルファロメオ「ジュニア」! 謎の事件の「裏側」

ここから本文です

「ミラノ」と発表から5日で車名変更したアルファロメオ「ジュニア」! 謎の事件の「裏側」

掲載 4
「ミラノ」と発表から5日で車名変更したアルファロメオ「ジュニア」! 謎の事件の「裏側」

 この記事をまとめると

■アルファロメオの新型SUV「ミラノ」は発表の5日後に車名を「ジュニア」に改名した

アルファの「盾」が……エンブレムの図柄! 賛否両論巻き起こるアルファロメオ・ジュニアの外観をデザインのプロが分析

■改名の理由は「ミラノという名前の使用について、イタリア政府より法律で禁止されているとの通達があった」から

■アルファロメオは「議論によってもたらされた無料の宣伝に対し、政府に感謝します」と粋な対応をした

 アルファロメオの新SUV「ミラノ」→「ジュニア」の改名劇

 ここ数日ネットの世界で、アルファロメオ・ジュニアについて取り沙汰されてるのを目にする機会が増えてるんじゃないかと思う。理由はとてもシンプル。認証前の生産型プロトタイプの段階ではあるのだが、ジュニアの国際試乗会がイタリア本国のテストコースで行われ、ほぼ同時期にこれまで公開されてなかったジュニアに関する詳細が明らかにされたからだ。

 アルファロメオ初のピュアなバッテリーEVとマイルドハイブリッドの2本立て。メディアが触れることができたのはバッテリーEVの高性能版“ジュニア・ヴェローチェ”のみだが、従来はラインアップにあったミトやジュリエッタなどコンパクトなサイズをしたアルファロメオの再来のようなもの。不思議なことに黙って注目を浴びてしまいがちなブランドではあるのだが、世界のジュニアへの関心は高いようだ。

 ジュニアはもともと、“ミラノ”という名称で今年の4月10日に正式発表されたモデルだった。にもかかわらず、それからわずか5日後に車名がジュニアへと変更されることになったのは、皆さんの記憶にも新しいことだろう。斬新といってもいい印象的なスタイリング、そしてブランド初のピュアEVということで話題になったのに、前代未聞の出来事でさらにクルマ好き達の耳目を集めてしまったわけだ。

 アルファロメオの公式発表によれば、改名の理由は“ミラノという名前の使用について、イタリア政府より法律で禁止されているとの通達があった”から。現地の同業の知人によれば、その通達は“ミラノ”の発表会の模様が世界に向けてオンラインで流された、わずか数時間後のことだったらしい。

 アルファロメオがニューモデルの名称を“ミラノ”とすることは2023年末から正式にアナウンスしていたにも関わらず、発表したあとに横やりを入れてくるなんて、イタリア政府がボケてたのか、それとも何かのイジメなのか。いずれにしても、“何だそりゃ?”なお話である。

 どうやら「ポーランドで生産されるクルマなのに“ミラノ”と名乗るのは法律違反だ」というのが政府側の論旨で、たしかにこのニューモデルは、アルファロメオが属するステランティスグループ内のプラットフォームを共有するモデルたちと同様、ポーランド工場で生産される。そしてイタリアには、“イタリアの製品だと誤解させる表示を禁じる”という法規制があるようだ。

 すったもんだがあった「ジュニア」だがクルマのデキはお見事

 が、自動車メーカーだって、そんなことは百も承知だろう。何せ正式な諸手続を経て正式に車名を登録し、新型車を正式に発表したわけだし。イタリア政府の主張に説得力がまったく感じられないのは、当然といえば当然だ。

 これは何だかキナ臭いぞ。そう思ってたのだけど、これまで先述の知人によると、どうやら目に見えないところでステランティスとイタリア政府の間で、イタリア国内での自動車生産にまつわる対立構造があった模様。

 イタリア国内での生産を増強して雇用を確保しろと迫ることで国民にアピールしたい現政権。イタリア国内で生産しないことでクルマの販売価格を1万ユーロほど引き下げたいステランティス。そしてグローバルな企業であるステランティスは、同じプラットフォームをもつフレンチブランドのクルマやアメリカン・ブランドのクルマと同じく、イタリアン・ブランドのニューモデルをポーランドで生産するという、当然の選択をした。

 今回のイタリア政府の措置はそれに対する報復のようなものだろう。現地ではそういわれているらしい。

 それを受けてのステランティスの動きは見事なもので、“ミラノ”と同じく一般公募から候補に上がっていた“ジュニア”という歴史的な名前へと車名を変更するとともに、車名変更を伝えるプレスリリースのなかに、“この議論によってもたらされた無料の宣伝に対し、政府に感謝します”と、粋とも皮肉とも受け取れるコメントを刻み込んでるのだ。

 デビューに際して子どもじみた政府の干渉を受けることになってしまったミラノ改めジュニアだが、もちろんその出来事がこの新しいモデルの魅力を左右するようなことにはならない。いや、じつにお見事! といえるだけの出来映えを見せてくれたからだ。

 そう、じつは僕もジュニアの国際試乗会のために、イタリアはバロッコにあるテストコースに飛んでいたのだ。近々、そのときのリポートを皆さんに御覧いただけると思うので、どうかお楽しみに。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

オーダーメイドグレードにしか設定されていなかったホイールを標準装備! レクサスLBXに「Elegant」を新設定
オーダーメイドグレードにしか設定されていなかったホイールを標準装備! レクサスLBXに「Elegant」を新設定
WEB CARTOP
11月から自転車の「ながらスマホ」「飲酒運転」厳罰化で懲役・罰金も! 法改正のポイントを解説。【道路のニュース】
11月から自転車の「ながらスマホ」「飲酒運転」厳罰化で懲役・罰金も! 法改正のポイントを解説。【道路のニュース】
くるくら
トヨタの新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待大! 新開発「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」が凄い! 市販化に向かう「GR最強モデル」とは
トヨタの新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待大! 新開発「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」が凄い! 市販化に向かう「GR最強モデル」とは
くるまのニュース
ITS Connect、子育て応援フェスタに初出展…運転時の死角解消技術を体験可能
ITS Connect、子育て応援フェスタに初出展…運転時の死角解消技術を体験可能
レスポンス
中古で100万切り!? 登場早すぎたBMWのi3こだわりが衝撃説
中古で100万切り!? 登場早すぎたBMWのi3こだわりが衝撃説
ベストカーWeb
プリンス・チェリー・サティオ・モーターの名前は残れど中身は一緒! 日産ディーラーの個性豊かなマルチチャンネルが廃止されたワケ
プリンス・チェリー・サティオ・モーターの名前は残れど中身は一緒! 日産ディーラーの個性豊かなマルチチャンネルが廃止されたワケ
WEB CARTOP
3クリックで完結する新EV充電サービス、ステランティスが欧州で展開
3クリックで完結する新EV充電サービス、ステランティスが欧州で展開
レスポンス
軽量ボディに6速MT、ポルシェ『911カレラT』改良新型を発売…1865万円から
軽量ボディに6速MT、ポルシェ『911カレラT』改良新型を発売…1865万円から
レスポンス
スイス世界初の「レベル4自動運転バス」 、25年運行開始――なぜ日本は一歩遅れているのか?
スイス世界初の「レベル4自動運転バス」 、25年運行開始――なぜ日本は一歩遅れているのか?
Merkmal
レクサス新型「小さな高級車」を初公開! めちゃ“豪華内装×特別カラー”採用した「新型LBX エレガント」発表! “420万円”から発売スタート!
レクサス新型「小さな高級車」を初公開! めちゃ“豪華内装×特別カラー”採用した「新型LBX エレガント」発表! “420万円”から発売スタート!
くるまのニュース
トヨタ「ルーミー」のライバル! スズキ新型「ハイトワゴン」そろそろ登場!? 高性能エンジン搭載&軽量化実施の可能性に「待ってます」の声! 「次期型ソリオ」に期待集まる
トヨタ「ルーミー」のライバル! スズキ新型「ハイトワゴン」そろそろ登場!? 高性能エンジン搭載&軽量化実施の可能性に「待ってます」の声! 「次期型ソリオ」に期待集まる
くるまのニュース
2024年「自動車関係功労者大臣表彰」整備分野から唯一の受賞は大阪のショップ工場長
2024年「自動車関係功労者大臣表彰」整備分野から唯一の受賞は大阪のショップ工場長
バイクのニュース
MotoGPマレーシアFP1|バニャイヤがライバルに大差つけてトップタイム。5年ぶり復帰イアンノーネ、驚きの9番手
MotoGPマレーシアFP1|バニャイヤがライバルに大差つけてトップタイム。5年ぶり復帰イアンノーネ、驚きの9番手
motorsport.com 日本版
ポルシェ911 6速MT専用モデルとなるピュアな新型「911 カレラT」の予約受注を開始
ポルシェ911 6速MT専用モデルとなるピュアな新型「911 カレラT」の予約受注を開始
Auto Prove
名門マーチ復活を諦めたくない!! こんなかたちなら復活できる…はず!!
名門マーチ復活を諦めたくない!! こんなかたちなら復活できる…はず!!
ベストカーWeb
ランキング3位に落ちたレッドブル。代表はシーズン中のペレス解雇の可能性を否定せず「F1は結果重視のビジネス」
ランキング3位に落ちたレッドブル。代表はシーズン中のペレス解雇の可能性を否定せず「F1は結果重視のビジネス」
AUTOSPORT web
アルパインが『キャラバン』専用新製品を一挙発表、11型大画面カーナビ、OPTMサウンドシステムなど
アルパインが『キャラバン』専用新製品を一挙発表、11型大画面カーナビ、OPTMサウンドシステムなど
レスポンス
スズキが新型「カタナ」発売! めちゃ“旧車感”あふれる「レトロデザイン」採用! “鮮烈ブルー”採用した「レジェンドバイク」最新モデルの姿とは!
スズキが新型「カタナ」発売! めちゃ“旧車感”あふれる「レトロデザイン」採用! “鮮烈ブルー”採用した「レジェンドバイク」最新モデルの姿とは!
くるまのニュース

みんなのコメント

4件
  • はし もとや
    パルサーミラノX1と言うクルマがあってな
  • rvu********
    「Made in Italy」法に関してはミラノ名発表時から各方面で言われていたし、ステランティスのプレスリリース(2023年12月14日付、観覧可能)でも、「ミラノ」の名前は「A clear tribute to its hometown, ambassador of Made in Italy around the world」なんて書いているから、ステランティスがイタリア政府を煽った結果の自業自得としか思えないんだよね。

    今度は新法でアウトビアンキ、イノチェンティ両ブランドは未使用イタリアブランドとして政府に接収される可能性があると報じられているし、ステランティスも早く政府と仲直りした方が良い気がする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村