開放式でもメンテナンスフリーでも、いつかは使えなくなるバッテリー。ダメなバッテリーは交換するしかないが、ただ新品に載せ替えるだけでは能力を十分に発揮できないこともある。本記事では、バッテリーと車体の事前準備を再確認しておこう。
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バッテリーの性能を長く発揮できるよう準備を整える
バイクや自動車に搭載されているバッテリー(鉛蓄電池)は、充放電を繰り返すことでサルフェーションにより容量低下を起こす。
サルフェーション除去機能つきの充電器が普及し、利用しているサンデーメカニックも多いだろう。それでも長期間の使用により、結晶化した硫酸鉛を完全に除去できなくなったり、電極が腐食や破損したり、自己放電によって寿命が来る。
バッテリーを交換する際は、バッテリー容量を確認するのは言うまでもない。ただし容量が同じでもターミナル位置の左右が異なるバッテリーがある場合、プラスとマイナスの方向を正しく選択することが重要。
バッテリーケースやバッテリーケーブルのサイズや長さはピッタリ設計されているため、ターミナルの向きが逆だとまったく届かない場合が多い。開放式の場合、排気パイプの取り付け方向にも注意が必要だ。
「すぐに使える即用式」と箱に書いてあっても、車体に取り付ける前に一度補充電を行うこともバッテリーの長寿命化にとって有効。旧車や絶版車の場合、配線側の端子が腐食によって接触面積が減ったり抵抗増加につながるので、搭載前にワイヤーブラシや不織布で磨いておこう。
マイナス側がクランクケースにアースされている機種では、丸端子が酸化皮膜に覆われていることもあるので、一度取り外して確認しておくと良い。せっかくバッテリーを交換するのなら、なるべく長く性能を発揮できるよう準備を整えておこう。
―― マイナスアースの場合、バッテリーを取り外す際はマイナスが先でプラスが後。取り付ける際はプラスが先でマイナスが後だ。電気系のアクセサリーが満載で付属ボルトでは長さ不足の時は、配線自体の見直しを検討しよう。端子をいくつも重ねることで抵抗も増えてしまう。
―― 端子表面の腐食はワイヤーブラシや不織布で清掃しておく。アース線の反対側で芯線が緑青を吹いていないか、丸端端子が黒く酸化していないかを確認する。
―― ショートによる車両火災などを避けるため、プラスのターミナルはしっかりカバーしておく。破れたり切れてしまったら純正部品や汎用用品で入手して装着する。
―― 開放式には排気孔があり、内部から希硫酸を含むガスが放出されるため、必ず付属のパイプを差し込む。これを怠ると排気孔周辺が腐食でボロボロになってしまう。
―― バッテリーケースやサイドカバー裏などにパイプの通し方が記載してあれば、それに従う。途中で折れたり潰れることなく、マフラーの熱で溶けないように通す。
リチウムイオンバッテリーの特徴(BSバッテリーの場合)
鉛バッテリーに比べて圧倒的に小型軽量で、見た目もカッコいいリチウムイオンバッテリー。丸中洋行が取り扱っているBSバッテリーの場合、5タイプのリチウムフェライトバッテリーを発売。ここでは「何がイイのか」をおさらいしておこう。
スマホやノートPCの電源としておなじみのリチウムイオン電池は、充放電が可能な二次電池の中でもエネルギー密度がきわめて高い。鉛バッテリーと比較すると、重量あたりのエネルギー密度が5倍、体積あたりのエネルギー密度は4~5倍となるらしく、同じ電力量なら圧倒的に軽く小さくできるのは当然だ。
また、内部抵抗が非常に小さいため一気に大電流を放電でき、発熱が少ないので急速充電が可能。自己放電が少なく繰り返し充電に強く、低温でのクランキング性能を維持できるようになったことで、冬季使用の不安も払拭。
さらにバイクにとって大きな利点なのが電圧。リチウムフェライトの1セル電圧は3.2Vで、12V車用バッテリーの実電圧は13Vを超えるのだ。電圧が高く電流がスムーズに取り出せれば、点火系や灯火系に流れるエネルギーも大きくなる。これは現行車だけでなく絶版車にとっても、うまく活用すれば相当のメリットがあるはずだ。
―― BSバッテリーのリチウムバッテリーは、リチウムイオン電池の中で「リチウムフェライトバッテリー」と呼ばれるタイプ。鉛バッテリーと比べると自己放電が少ないため、長期間使用していなくてもエンジン始動が可能。バッテリーの性能を測る基準の一種であるCCA(コールドクランキングアンペア)でも、鉛バッテリーを大きく上回る能力がある。BSリチウムバッテリーのラインナップは、容量別に4サイズ、端子方向の違いで5タイプとなり、鉛バッテリーよりも種類が少ない。これは1製品で複数の鉛バッテリーを包括できる能力があるのと、鉛バッテリーよりも搭載時の自由度が高いことが理由。本体上部には充電状態を示すインジケーターがあり、ボタンを押せばコンディションを把握できる。
―― 開放式/MF/SLAといった鉛バッテリーの需要も高いが、性能面でそれらを圧倒的に上回るリチウムバッテリー。BSバッテリーの場合、同容量の鉛バッテリーに対してリチウムは70%軽量で、それだけで大幅な軽量化となる。
◆鉛バッテリーも需要の多いサイズを中心に幅広いラインナップを展開
―― 丸中洋行が取り扱いを行うBSバッテリーは、フランスのブランド。開放式バッテリーにはサルフェーションを発生しにくい電極板が採用されており、長期保管時の性能低下が少ないのが特徴。
―― 電解液をガラスマットに染みこませることで、電解液が波打つことなく、常に電極との接触面積が一定になるため、始動性に優れ自己放電が少なく寿命も長いSLAバッテリー。MFと互換性のあるアップグレード版。
6V⇔12V切り替え&リチウム対応の高性能充電器
バッテリーのコンディション維持に補充電は不可欠。BSバッテリーのスマートバッテリーチャージャー&メンテナー「BS10」は、6Vと12Vの鉛バッテリーだけなく、リチウムバッテリーにも対応する守備範囲の広さが特長。本体のデザインもオシャレだ。
―― 【BSバッテリーチャージャー BS10】
バイクに乗らなくても、バッテリー内部では一定の割合で化学反応が進行し、自己放電によって性能が低下する。頻繁に走行すれば充電できるが、それができない時には補充電が必要。BSバッテリーの場合、絶版小排気量車ユーザーが喜ぶ6Vモードを備えた(もちろん12Vも充電可能)充電器「BS10」を販売している。
鉛バッテリーより自己放電の少ないリチウムバッテリーに、補充電が必要な場面はそれほどない。しかし電気系アクセサリーの切り忘れなどで放電してしまった場合は充電しなくてはならない。
鉛バッテリーとリチウムバッテリーでは充電メカニズムが異なり、リチウムは電圧と電流のコントロールがシビアなため、一般的な鉛バッテリー用充電器は使用できない。だがこの充電器は、バッテリーに繋ぐと鉛かリチウムかを自動で判別して、それぞれに適したプログラムで充電を行う賢さを備えている。
充電状況、LEDインジケーターの色で表示されて、維持充電も行える。BS10充電器は、6V/12V/リチウムに対応できるマルチプレーヤーぶりが魅力だ。
―― コンセントに差し込むプラグが充電器本体にあり、側面のスイッチで鉛バッテリーの6Vと12Vを切り替える。6V対応の充電器が少数派となる中、この設定はありがたい。通常、鉛バッテリーユーザーがリチウムバッテリーを導入すると、専用メンテナーも購入することになるが、BS10なら1台でOK。対応容量は最大20Ahで、接続時のスパーク防止/逆接続/短絡/オーバーヒート保護機能も搭載。バッテリーへの接続は、クランプとターミナル直結の常時接続コードの2種類。
―― 6Vバッテリー対応品、待ってました!!
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みんなのコメント
この記事に書いてあるやり方でOK。
でも、平成中頃とかそれ以降の車だったら、
昭和のやり方そのままだと面倒になることがあります。
昭和の時代には思いつきもしなかった手順が必要です。
この記事に、そこが書いてないですねー。