この記事をまとめると
■ジュリアーノ・アレジがスーパーフォーミュラ・ライツとスーパーGTに参戦している
■ジュリアーノ・アレジは元F1ドライバーのジャン・アレジと女優の後藤久美子の息子
■FIA-F2からの離脱は「後退」と取る向きもあるが、F1への道が閉ざされたわけではない
アレジの息子であるジュリアーノが今年から日本を主戦場としている
フランス出身のドライバー、ジュリアーノ・アレジをご存知だろうか? その名前のとおり、元F1ドライバーのジャン・アレジを父に持ち、女優の後藤久美子を母に持つドライバーで、レーシングカートを経て2015年にフランスF4選手権で四輪レースにデビュー。2016年から2017年にはGP3シリーズに参戦するほか、2019年から2020年にはFIA-F2シリーズに参戦するなど、これまで主にヨーロッパで活躍してきた二世ドライバーだ。
そんなジュリアーノは2021年に来日し、ミドルフォーミュラのスーパーフォーミュラ・ライツに参戦するほか、スーパーGTのGT300クラスに参戦している。その理由について、ジュリアーノは「トムスと出会い、もう一度、成長するチャンスをもらった。自分のキャリアを日本で築き上げたい」と語っているのだが、果たしてジュリアーノにとって、この日本でのレース活動は”前進”となったのか、それとも”後退”となったのか?
仮にジュリアーノがF1へのステップアップをターゲットにしているのであれば、F1直下の下部カテゴリーとなるFIA-F2を離脱しているうえ、日本のスーパーフォーミュラ・ライツへの参戦は明らかに遠回りであることから、”後退”と言うことになるだろう。
日本で成功を収めるには話題性だけではなく実力も必要だ
とはいえ、ジュリアーノはFIA-F2での不振について「FIA-F2は政治的なカテゴリーで莫大な資金を持ち込むか、F1のマネージャーがついていないとトップチームに入ることは不可能だった。ワンメイクカテゴリーだけど実際にはチームの実力に差があり、トップチームにいなければチャンスはなかった」と某雑誌のインタビューで答えていただけに、ヨーロッパでのチャンスを失ったジュリアーノにとって、日本でのレース活動は魅力的な選択肢だったに違いない。
スーパーフォーミュラ・ライツで結果を残してスーパーフォーミュラへステップアップし、そこで結果を残すことができれば、たとえ遠回りになっても再びF1への道は切り開くことができるし、仮にF1へのステップが難しくなったとしても、日本はトヨタを筆頭に、ホンダ、ニッサン、スバルとモータースポーツ活動を展開する自動車メーカーを数多く持つだけに、プロドライバーをターゲットに置くならば、ジュリアーノの来日は”前進”となるに違いない。
もちろん、日本のレースシーンにおいて成功を収めるためには”アレジとゴクミの息子”という話題性だけではなく、実力も求められてくるが、名門トムスでスーパーフォーミュラ・ライツにデビューしたジュリアーノは、第14戦を終えた段階で計2勝をマークしたほか、スーパーフォーミュラにもスポット参戦を果たし、第3戦のオートポリスで自身初優勝を獲得。ほぼすべてのサーキットが初経験ということを考えれば、悪くないリザルトと言っていい。
2022年以降もトムスの一員としてスーパーフォーミュラ・ライツに参戦し、素晴らしいリザルトを残すことができれば、その翌年はスーパーフォーミュラおよびスーパーGTでGT500クラスに参戦することも不可能ではないだけに、ジュリアーノの日本でのチャレンジを前進とするのか、後退とするのかは、彼の動向次第だと言えるだろう。
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