もくじ
ー カーシェアリングを見据えた完全自動運転EV
ー 充電まで自動化 自動運転のEVトラックも準備中
ー 相乗りOK? 新時代のコミュニケーションツール
ー 次世代スマートを予感させるスタイリング
ー 社会との共存性を高めた走る掲示板
ー 「ビジョンEQフォーツー」 画像6枚
カーシェアリングを見据えた完全自動運転EV
シティカー、都市型モビリティの解決策、カーシェアリング対応モデル。今後の社会がますます必要とするであろうそうしたもろもろに、スマートがどのように応えるのか。それを示すのが、このビジョンEQフォーツーだ。
この自動運転式の2シーターが目指すものは、スマートのアネット・ウィンクラーCEOに言わせればふたつある。ひとつはこのブランドが思い描く未来のシティカー、もうひとつは親会社のメルセデス・ベンツが進めるカーシェアリング・プログラムのカー2ゴーにおいて、2030年を目途に重要な役割を担うことだ。
「スマート・ビジョンEQフォーツーは、わたしたちが考える都市における移動手段の未来像です。完全自動運転で、最大限のコミュニケーション能力を備え、動力は電気を採用します」とウィンクラーは述べる。
この新しいコンセプトカーでもっとも重要なポイントは、先進的なレベル5自動運転システムだ。それは群知能に組み込まれるが、それにより将来のクルマそのものはもちろん、カーシェアリングの運営においても、利用者の需要が予測しやすくなり、利便性や効率が向上するとされる。
「将来的に、カーシェアリングの利用者は次に使えるクルマを探す必要がなくなるでしょう。クルマのほうが利用者を探し、望む場所から乗れるようになるはずです」というのがウィンクラーの説明だ。
スマートは、カー2ゴー計画の発展に自動運転技術を組み込むことが、自社の成長戦略の鍵になると考えている。現在、カーシェアリングで使用されるスマートは、世界中で260万人のユーザーへ、1.4秒に1台の割合で貸し出されているという。スマートの試算では、2025年までにこのユーザー数がおよそ15倍の3670万人まで増える見込みだ。
充電まで自動化 自動運転のEVトラックも準備中
スマートがほのめかすのは、将来的にEV専用モデルを、メルセデス・ベンツが新設するサブブランドのEQに組み込むというプランで、これは来年のジュネーブ・ショーで正式発表されると見られる。その最有力候補であるビジョンEQフォーツーは、電気モーターと30kWhのリチウムイオン電池をリアに積み、300kmを優に超える航続距離を実現するという。
利用者がいないときは、自動で充電場所までたどり着くことも想定されている。そこでは電磁誘導充電でチャージするため、プラグの差込は不要。無人運用が可能になる。
「コネクティビティにより、クルマの手配と利用がスマートフォンを介して行えます」と言うのは、ダイムラーのディーター・ツェッチェ会長だ。
「このスマートはグループ単位で運用され、長距離の移動もできるようになるでしょう。夜間の配送業に使うには、スマートは明らかに輸送量が足りませんが、近いうちに完全自動運転の電力を用いたふそうトラックも発表する準備があります」
相乗りOK? 新時代のコミュニケーションツール
この新型2シーターのキーとなる要素は、曲線的なヘッドライトと大型の台形グリルを用いた、新解釈のフロントエンド。どちらも黒いパネルディスプレイが組み込まれ、これにより将来のモデルは、コミュニケーションとパーソナライゼーションを強化できるとスマートでは主張する。乗員が近づくと、ヘッドライトはまばたきするようなグラフィックを映し、グリルにはメッセージが表示される。
スマートが予測する将来の都市モビリティは、スマートフォンで呼び出せて、メルセデス・ベンツのEQ Cコンセプトにも多用されたブラックパネル技術によりカーシェアリングのユーザーだけでなく、道行くひとびとに対してもメッセージを表示できるようになるという。
ブラックパネルのモニターは、乗員がひとりかふたりか表示することもできる。スマートが提案するのは、相乗りで利用したいユーザーが、セーブされたプロフィールや旅行プランを通じて他のユーザーとコンタクトを取ること。その場合、リクエストを受けるか断るかは、先にクルマを利用しているユーザーが決定できる。
次世代スマートを予感させるスタイリング
ポッドのようなセーフティセルは、スマートが1998年の立ち上げ以来すべてのモデルに採用してきた高張力スティールのトリディオンセルをどのように進化させるかというプランのヒントとなる。ビジョンEQに見られる1.5ボックスのボディスタイルは、次世代のスマート各車に影響を与えることになりそうだ。
スタイリングは、現在のスマートよりも丸みを帯びたデザイン。特徴的なのは、カーブの大きいルーフラインと大きなホイールハウス、そして卵形のドアだ。
先代フォーツーの流れを汲むデザインの中に、このコンセプトカーは前後とも18インチのホイールを組み込んだ。インテリアの広さを最大限確保しつつ、フットプリントも可能な限り大きく採るのがその狙いだ。
全長は2699mm、全幅は1720mm、全高は1535mm。これは3代目フォーツーと長さは同じだが、50mm広く、25mm低いディメンションとなる。
「ビジョンEQフォーツーは、急進的なアプローチです」と述べるのは、メルセデス・ベンツのチーフデザイナー、ゴードン・ワグナーだ。「強調されたホイールアーチを持ち、オーバーハングをなくした典型的なスマートのプロポーションでありながら、次のレベルのコミュニケーションとパーソナライゼーションも組み込んでいます」
社会との共存性を高めた走る掲示板
駆動系をリアに積むクルマがフロントに明確なボンネット部を持つのは、現行フォーツーでもそうであるように、衝撃吸収ゾーンとして安全性を高めるため。リアには2分割の大きなガラスハッチが配され、テールライトは高く接地されるが、これはルックスを違和感なく見せることと、前方の渋滞や遅いクルマの存在などを後続車へ知らせるためのものだ。
タイトな駐車スペースでの乗降性を高め、自転車などとの接触の危険を減らすために、左右の丸い電動ドアはボディと平行に後方へ跳ね上がる。フラットなフロアを持つキャビンへ乗り込む開口部は大きい。
完全自動運転なので、室内にはステアリングホイールやペダルといった、見慣れた操作系は存在しない。機能面の操作は、スマートフォン経由か音声入力で行う。2名分のスペースには、リトラクタブル式アームレストを備える、ラウンジスタイルのシートが据え付けられている。
左右へ回り込んだフロントウインドウとガラスドアは、透明な状態から不透明な状態まで色合いを変化させることが可能だ。乗員向けの情報は、ダッシュボードに当たる部分の24インチ・ディスプレイに表示される。スマートではドアにもニュースや天気、地域イベントなどの情報を表示し、走る掲示板のようにすることを想定している。
「ビジョンEQフォーツー」 画像6枚
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