新型エクストレイルにも、e-POWER搭載か――。
2020年11月13日、欧州日産は、来年2021年に発売が予定されている新型キャシュカイに関する情報をリリース、そのなかで、新型キャシュカイにe-POWERが搭載されることが明らかとなった。
日本で苦戦も北米でヒット! 小粋な日産 NXクーペの挑戦と挫折【偉大な生産終了車】
3代目となる現行型キャシュカイは、北米市場では「ローグスポーツ」という名で販売されているクルマだ。
キャシュカイ(北米名:ローグスポーツ)とエクストレイル(同:ローグ)は、装備面や内外装デザインに若干の違いはあるものの、共通のプラットフォームを使用しており、新型キャシュカイにe-POWERが搭載されることで、日本仕様の新型エクストレイルにも、e-POWERが搭載される可能性が、かなり高まった。
今回は、新型キャシュカイのe-POWERに関するリリースを見ながら、そこから推定する「新型エクストレイルの姿」について、考察していこうと思う。
文/吉川賢一、写真/NISSAN、TOYOTA
【画像ギャラリー】2021年発売予定のe-POWER搭載・新型キャシュカイと新型ローグを見る
新型エクストレイルは第2世代e-POWERで勝負
欧州日産が公開した、3代目となる新型キャシュカイのティザー画像。全長は新型ローグよりも短いが、フロントマスクは新型ローグに近い、2本のLEDヘッドライトがあるように見える
欧州日産のキャシュカイは、2007年の初代モデルと、2014年の2代目モデルを合わせ、欧州で通算300万台以上が販売されており、欧州コンパクトSUVカテゴリにて、日産の名を一躍広めた功績を持つ重要なブランドだ。
新型キャシュカイ プロトタイプのテスト走行の様子が発表された。新型ノートに搭載予定の第2世代e-POWERが搭載されるだろう
今回の新型キャシュカイのe-POWERに関して、発電用エンジンの排気量や、モーターサイズなど、スペックに関する発表はないものの、先日公開された新型ノートに搭載される「第2世代のe-POWER」が採用されるのは間違いないだろう。
そして、2021年登場とされている新型エクストレイルも、同様のシステムが採用されるのは間違いない。
第2世代e-POWERは、1.2Lのエンジン排気量は維持し、小型化・軽量化を実現しながらも、モーター出力を10%以上アップ(最大トルクは254Nmから280Nm、最大出力は6%UPで、80kWから85kWに)。発進加速シーンでは、第1世代e-POWERを凌ぐレスポンスを実現している。
新型エクストレイルはe-POWER専売の可能性も
新型ノートの燃費は、WLTCモード燃費29.5km/L(市街地29.9、郊外32.6、高速27.6)だが、新型キャシュカイ、そして新型エクストレイルはノートよりも質量が重たくなるぶん、これよりも燃費は落ちる。
しかし、e-POWERが第2世代となり、高効率となったことによって、現行型に比べて、はるかに低燃費を実現できるはずであり、だからこそ今回、新型キャシュカイへのe-POWER搭載となったのだろう。
2020年10月下旬より北米で発売開始した新型ローグが、現時点でも2.5リッター4気筒ガソリンエンジンのみなのは、e-POWER 4WDを日本で世界初発表するための布石?
欧州市場で販売される新型キャシュカイでは、欧州特有のハイスピード領域での燃費が気になるところではあるが、動力用バッテリーのサイズを増やして、EV走行比率を上げるなど、対策はある。
なお、新型キャシュカイには、現行型にあるマイルドハイブリッド付の1.3Lガソリンエンジン(現行型は140PSと 160 PSの2種類)も、大幅改良されて、引き続き設定される。
欧州では根強い人気がある、マニュアルトランスミッションで乗りたいユーザーに向けて残すのだろうが、AT比率95%以上の日本市場では、そうした需要はほぼ期待ができないため、新型エクストレイルは、日本ではe-POWER一本でいく戦略となる、と考えられる。
大幅パワーアップで電動車ならではの4WD制御は期待大!!
2020年12月23日に発売する新型ノートe-POWER。先に2WD、2021年2月には4WDを販売予定
新型ノートは、2021年2月に4WDが追加される予定だ。日産が「e-POWER 4WD」と呼ぶ新型の4WDシステムは、4輪すべてを強力なモーターで駆動する本格電動4WDであり、新型キャシュカイにも、新型エクストレイルにも、おそらく同じシステムが搭載される。
新型ノートの場合、リアに50kWのモーター(旧型ノート4WDのリアは3.5kWなので、なんと14倍もの容量アップ)を積むことになり、フロントモーターの出力と合わせれば、135kW級(最大出力180PS、最大トルクは400Nm近いと推定)となり、エクストレイルの4WD級の車重(約1.6トン)であっても、相当な速さを得ることになる。
北米市場で10月からすでに発売されている新型ローグは、2.5Lの4気筒ガソリンエンジン(181ps/245Nm)のみの販売だ。
しかし、日産は、2020年5月に2019年度決算/事業構造改革計画の場で発表した構造改革プラン「NISSAN NEXT」の中で、「新技術は日本市場から投入する」と発表している。
これは日本市場に花を持たせるための戦略で、おそらくローグにもe-POWER車は順次追加されると思われる。
最上級グレードにはPHEVのラインナップも期待
e-POWER専売車として、2020年6月に販売開始した新型キックス
キックス、そして新型ノートが、すべてe-POWERとなったように、特別な理由がなければ、日本仕様の新型エクストレイルも純ガソリン仕様を作らずに、全グレード電動車となるだろう。
技術的な希望としては、VCR(可変圧縮比)で、最も美味しい圧縮比にコントロールし、発電効率を上げるような「ミドルクラス向けの第2世代e-POWER」があってほしい。
そして、最上級モデルには「プラグインハイブリッド(PHEV)」を期待する。協業関係にある日産と三菱が、新型エクストレイルと新型アウトランダーで、PHEVシステムを共有できれば、開発費や量産コストの面でも、両者にとって大きなメリットとなる。
現在、RAV4 PHVの受注受付は、年度内のバッテリー生産状況により、一時中止している。(バッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離95km)
RAV4 PHVは、バッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離は95kmと、アウトランダーPHEVを完全に上回ってきた(アウトランダーPHEVは総電力量13.8kWh、EV走行距離は65km)。
しかし、バッテリーの量産技術から中古バッテリーのライフサイクルまで、2社の知識と経験をかけ合わせれば、RAV4 PHVを越え、史上最高のPHEVシステムを構築できるはずだ。
筆者の予想は、総電力量20kWhでEV航続距離「100km」だ。ベンチマーキングを好む日産であれば、きっとこの数字にしてくるだろう。
新型ノートでは、期待を大きく超えるものをみせてくれた、日産。新型エクストレイルでも、その仕事ぶりを、大いに期待している。
【画像ギャラリー】2021年発売予定のe-POWER搭載・新型キャシュカイと新型ローグを見る
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
あの車は、カッコいい。
やっちゃえ!日産!!
これまで、10台近い車を乗り継いできたが、これほど走りが楽しい車は初めてで感動している。
もはや、普通のエンジン車には戻れないと感じている。
リーフで10年以上にわたって培った技術と、エンジンとの直結モードがない(EV車と駆動系の構造が同じ)であるため、モータの電気的な制御だけで車をコントロールできるので、こんなすばらしいドライバビリティが実現できる。
日産は、発電用エンジンについて、高級車ブランド(インフィニティ)に搭載されているVCR(可変圧縮比)技術を導入し、熱効率世界一の発電専用エンジンを作る目途をつけたとのこと。
そうすれば弱点である高速燃費も改善されるでしょう。
現状、高速燃費では他車に負けても、時速80Km以下では、燃費もドライバビリティも他車を圧倒。
将来を見据えると、こういった車が必要だと思います。