開幕戦『デイトナ24時間レース』を直前に控えるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の公式テスト、『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス24』がアメリカ、フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われている。1月19日(金)から3日にわたって実施される同テストの初日は、ウェーレン・エンジニアリング・キャデラック・レーシングの31号車キャデラックVシリーズ.R(ピポ・デラーニ/ジャック・エイトケン/トム・ブロンクビスト組)が一番時計を記録した。そんな公式テストの現場から金曜日のさまざまなトピックをお届けする。
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デイトナ24時間に初参戦するバトンの挑戦。ポルシェとアキュラの乗り換えによって生じる苦痛の理由
***アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)のピポ・デラーニは、19日(金)の夕方に行われた2回めのセッションで“チャンピオンカー”の31号車キャデラックを駆り、『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス24』初日の総合トップタイムとなる1分35秒217をマークした。この週末最初のトラックアクションとなったセッション1では、ニック・タンディがドライブした6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が1分35秒617を記録している。
***ニール・ジャニによると、このテストのオープニングセッションへの参加が遅れた5号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)はまだ組み立ての最終段階であったという。セッション1ではアンドレッティ・モータースポーツの43号車ポルシェ911 GT3 Rを除くすべてのクルマがラップタイムを記録した。アンドレッティのポルシェは午後のセッション2からコースインし、35周を周回してGTDクラス20番手のタイムをマークした。
***最初のセッションでレッドフラッグの原因となった20号車オレカ07・ギブソン(MDK・バイ・ハイクラス・レーシング)の問題は、この日唯一の注目すべきアクシデントにおいて幸運なことに、LMP2カーに明らかなダメージをもたらさなかった。
***パフ・モータースポーツのチームマネージャーであるスティーブ・ボルトロッティによると、同チームはマクラーレン720S GT3エボで最初のラップを記録したという。このクルマは昨年12月中旬にカナダチームに納入されたが、サプライチェーンの問題によっていくつかのコンポーネントに遅延が発生し、事前にテストを行うことができなかった。
***チームはデイトナ遠征中にも問題に直面した。「クルマを送ったとき、トレーラーの中で動かなくなってしまったんだ」とボルトロッティはSportscar365に語った。「ラジエーターが割れてしまった。だから昨晩と今朝は大打撃を受けたが、いまはもう大丈夫だ。今朝は意図したとおりに走れたし、マクラーレンのみんなも素晴らしかった」
***またボルトロッティは、エンジニアを含む数人のパフクルーが2月17~18日にオーストラリアで行われるIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの開幕戦『レプコ・バサースト12時間』へのエントリーをサポートすると明らかにした。このエントリーには、ケビン・エストーレ、クラウス・バッハラー、パトリック・ピレという2023年プチ・ル・マンと同じラインアップが含まれている。
***ドイツからアメリカにやってきたドライバーの中には、冬の悪天候のために移動に遅れがでた者もいた。ドイツでもっとも混雑しているフランクフルト空港は、すべての離陸を停止した。これにより何百ものフライトが欠航となった。ポール・ミラー・レーシングのシェルドン・ファン・デル・リンデはフライト・キャンセルのため木曜日のメディアデーの活動を欠席し、ルカ・シュトルツ、マキシミリアン・ゲーツ、イェンス・クリングマンも悪天候の影響を受けた。
***ローンスター・レーシングのアダム・クリストドーロウも、デイトナへの通勤に苦労したひとりだ。彼のインスタグラムに記録されているように、インドでの休暇から43時間かけてデイトナに向かったイギリス人ドライバーは4回のキャンセルに見舞われた。しかし、彼は最初のセッションに間に合うようにサーキットに到着し、80号車メルセデスAMG GT3エボのステアリングを握って11周を走行している。
■GTPは予選と決勝で21セット
***IMSAとミシュランはロアでのタイヤ使用条件を更新し、GTPチームが明日のナイトセッションに加え、土曜日の日中2セッションでもソフトタイヤを使用できるようにした。ミディアム・コンパウンドは、今週末のテストと翌週デイトナ24時間の公式練習セッションで使用できる。
***GTPチームは昨年のデイトナ24時間の夜間走行で、ソフト・コンパウンドとミディアム・コンパウンドの両方のタイヤの使用が認められていた。Sportscar365は、今年はさらに多くのレースで複数のコンパウンドのタイヤが使用される予定であることを理解している。
***ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツでマネージングディレクターを務めるジョナサン・デグィットによると、2023年のクラスデビュー戦と比較して、ロアとロレックス24の間のタイヤ使用にはより柔軟性があるという。GTPチームには、ロアと翌週のデイトナ24時間の公式練習で33セット、予選と決勝で21セットの使用が認められている。
***一方GTDプロとGTDでは、今季デビューするミシュラン・パイロットスポーツ・プロGT H1コンパウンドが、ロアテストでは6セット、デイトナの本番では25セット割り当てられる。各車の予選用タイヤは翌週のレースに持ち越して使用することが許可されている。
***既報のとおりミシュランのGTPクラス用タイヤは、SLT(ソフト・ロー・テンプラチャー)、SHT(ソフト・ホット・テンプラチャー)、MHT(ミディアム・ホット・テンプラチャー)の各コンパウンド名称がそれぞれソフト、ミディアム、ハードに変更された。
***プロトン・コンペティションのフォード・マスタングGT3は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のフルシーズングリッドに遅れて追加された。マルチマチック社のラリー・ホルトによると、このクルマはプロトンチームに割り当てられたWECシャシーのひとつであり、ドイツチームは3月にカタールでスタートするLMGT3キャンペーンを前に、2台の新しいシャシーを受け取る見込みだという。
***ハート・オブ・レーシングチームは、今季2024年のウェザーテック・スプリント・カップのレースで、新たにドライバーカテゴライズにより“ゴールド”に格付けされたロマン・デ・アンジェリスが乗る27号車アストンマーティン・バンテージGT3エボのパートナーをまだ決定しておらず、“シルバー”に格付けされたザック・ロビションがGTDエントリーでミシュラン・エンデュランス・カップのレースに出場することだけが確定している。
***ロビションはSportscar365に対し、プロトンのフォードLMGT3の一員として参戦しているWECのレースと重なるため、スプリントカップには5戦のうち2戦しか参加できないと語った。
***イアン・ジェームスが率いる同チームは、アレックス・リベラスがロス・ガンとともにシーズンをとおしてGTDプロに参戦することが決定しているが、ハート・オブ・レーシングはアストンマーチンのLMGT3車両で世界選手権に復帰する見込みであり、同じように日程が重複する状況に直面している。
■多忙なインディカードライバーたち
***コア・オートスポーツとメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)でエンジニアを務めたゲイリー・デイビスが、WEC・LMGT3への参加に向けアストンマーティンからシボレーにGTブランドをスイッチし、コルベットZ06 GT3.Rを走らせることを決定したTFスポーツの新しいテクニカルディレクターに就任した。デイビスは、チームのデイトナ24時間での不正スキャンダルを受けてIMSAから出場停止処分を受けたライアン・マッカーシーの後任として、昨年MSRに招かれた。
***なお、マッカーシーはAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズのLMP2チーム、ニールセン・レーシングに移籍している。
***チップ・ガナッシ・レーシングのWECチームマネージャーであるスティーブン・ミタスは、2023年とは異なり今季はシングルエントリーであるにもかかわらず、昨年と同じように現地でチップ・ガナッシのキャデラックVシリーズ.Rをサポートしている。
***マーカス・エリクソンをはじめ、スコット・ディクソン、アレックス・パロウ、ロマン・グロージャン、トム・ブロムクビスト、コルトン・ハータ、カイル・カークウッドといったNTTインディカー・シリーズのドライバーたちは、ロア後の1月22~24日に行われるテストに参加するため、ホームステッド・マイアミ・スピードウェイを訪れる。
***これに加えて、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの“助っ人”ドライバーであるジョセフ・ニューガーデンは、テスト初日に参加した後、昨年のインディアナポリス500での優勝を記念した“ベイビー・ボルグ”トロフィーを受け取るために22日(火)のうちにミシガンへ移動する予定だ。
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