5月22日、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、8月20~23日に開催が予定されていた『2020 第49回サマーエンデュランス「BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース」』について、新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催を中止すると発表した。
鈴鹿10時間は、1966年に初めて開催された鈴鹿1000kmがルーツ。1983年からは全日本耐久選手権~全日本スポーツプロトタイプカー選手権の一戦として争われ、その後SWC世界スポーツカー世界選手権やBPR GT、FIA-GTなどさまざまなシリーズの一戦として開催された。単独開催の時期をはさみ、2006年からはスーパーGTの一戦として行われてきた。
SUZUKA Race of Asia 2020が開催中止に。GTワールドチャレンジ・アジアはオートポリスで開幕へ
2018年からは、新たにGT3カーの“世界一決定戦”として、レース距離を10時間レースに変更。鈴鹿1000kmからの伝統を引き継ぐかたちで新たなレースに生まれ変わり、SROモータースポーツ・グループが展開するIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジのうち、アジアを代表するレースとして開催され、世界の強豪たちと、日本のスーパーGT GT300チームやピレリスーパー耐久シリーズのチームが相まみえるスタイルとなっていた。
また、鈴鹿10時間開催にあたっては、鈴鹿市とモビリティランドが協力し、日本では非常に珍しい参戦車両の公道パレードを中心とした『鈴鹿モータースポーツフェスティバル』を開催。交通安全を啓発し、モータースポーツ都市としての鈴鹿の魅力を発信する試みも行われ、2018年こそ台風のため中止となったものの、2019年は印象的なイベントを実施した。
そんな鈴鹿10時間だが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、レース自体が中止されることになってしまった。モビリティランドは、この中止の理由について「国内外における新型コロナウイルスに関する対策の状況などを踏まえ、慎重に検討を重ねて参りましたが、欧州、アジアなど世界各国で活躍するチームが多数参戦していることや、IGTCとしても開催される本レースの特性を鑑み、開催中止を判断いたしました」としている。
また、今回の決定にともない、鈴鹿モータースポーツフェスティバルも同様に2020年の開催は中止されることになった。
「BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レースについて、開催を目指して準備を進めておりましたが、欧州をはじめ世界各国からの参戦が多いなか、各国での大規模イベントの開催禁止や渡航規制の延長が見込まれる状況をうけ、中止の判断をいたしました」とモビリティランドの田中薫代表取締役社長はコメントした。
「鈴鹿市主催のもと、昨年初開催となり歴史的な第一歩を踏み出した出場マシンによる公道パレードも中止となります。ご来場を楽しみにされていたファンの皆さま、関係者の皆さまにおかれましては、ご理解くださいますようお願いいたします」
鈴鹿10時間の中止は、前身の鈴鹿1000kmも含めると、オイルショックのため1974年から79年まで中断されて以来となる。2年間の開催で、新たな10時間レースとしてのスタイルも定着しはじめていただけに、やむを得ないながら今回の決定は非常に残念なところだ。なお、インターコンチネンタルGTチャレンジは10月にインディアナポリス8時間とスパ24時間を開催する予定で、アジアでのレースについては、今後鈴鹿10時間の代替戦を探っていくとしている。
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