日本メーカーはジュネーブ・モーターショーへの参加に積極的で、今年も、2013年に欧州での販売を中止したダイハツ、今回のジュネーブ・モーターショー開催期間中に欧州撤退を決めたインフィニティ、そして、そもそも欧州に進出していないアキュラ以外はすべて勢ぞろい。乗用車のラインアップを持っていないトラック専業メーカーのいすゞもピックアップトラックを引っ提げてブースを構える。
ただし、注目度はあまり高くないことが少なくなく、ニューモデルやコンセプトカーをお披露目しているにもかかわらず、プレスデイの2日目になると取材している人をほとんど見かけないことも多い。ところが今年は、プレスデイの2日目夕方に至っても取材の人垣が途切れないクルマがあった。しかも2台。
国産車、輸入車、女性向け、いま選ぶべきコンパクトカーのおすすめ12選
マツダ
1台は“マツダCX-30”。欧州を皮切りに2019年夏から販売が開始されるコンパクトSUVである。“マツダCX-3”と“CX-5”の間に位置するモデルだが、“CX-4”はすでに中国向けのSUVに使われてしまっているため、2ケタの名称を採用。全長4395×全幅1795×全高1540mm、ホイールベース2655mm。全長はCX-5より150mm短く、逆にCX-3よりは120mm長い。
全幅、ホイールベースもほぼ両車の間くらい。CX-3同様、全高は立体駐車場許容サイズに収まる。スタイリングは最近のマツダ車の流儀に則ったもので、遠くから見てもひと目でマツダ車とわかるデザインだ。2018年のロサンゼルス・モーターショーで発表された新型“マツダ3”のSUV版と呼べるもので、新しいボディ骨格をはじめ、機能面の多くをマツダ3と共有する。24V式のマイルドハイブリッドを備えた2.0L 直列4気筒のガソリンと1.8L直列4気筒ディーゼルターボのほかにマツダ独自の最新技術、火花点火圧縮着火エンジンが用意される点もマツダ3と同じだ。
ホンダ
もう1台はホンダが発表した小型電気自動車“ホンダeプロトタイプ”。都市部で使用することに主眼を置いた都市型のピュアEVである。そのため、航続距離は200km以上といったように400km超が当たり前になりつつある現在としては短めの設定だ。街中専用と割り切ったコンセプトもさることながら、注目はデザイン。
初代シビックを彷彿させる外観は愛らしいが可愛くなり過ぎていない絶妙なサジ加減で好感度は高い。棚の上にメーターを載せたような横基調のインパネも初代シビックのイメージを色濃く反映されている。車名にはプロトタイプと記されているが、ほぼこのまま市販されるらしい。正式発表は2019年後半。欧州だけでなく日本でも販売される予定だ。
日産
また日産と三菱、スバルの3社は未来を見据えた次世代モデルのデザインスタディを発表した。日産がお披露目したのは“IMQ”と名付けられたコンパクトSUV。欧州のCセグメントサイズのモデルというから、次期“日産キャッシュカイ”や“エクストレイル”の雛型かもしれない。ボディサイズは全長4558×全幅1940×全高1560mm。シャープなエッジのキャラクターラインと張りのある平面を組み合わせたデザインは力強く、精悍だ。
パワートレインには“ノート”や“セレナ”でお馴染みのシリーズ式ハイブリッドのeパワーを採用。1.5Lのガソリンターボで発電を行い、システム総合出力340os/700Nmを発生する前後2つのモーターで4輪を駆動する。また車内外のセンシング機能を用いることで、“見えないものを見る”といった次世代の運転支援装置もトピックのひとつだ。
三菱
三菱は次世代の“アウトランダー”と思われるSUV、“三菱エンゲルベルク・ツアラー”を発表した。2.4?のガソリンエンジンと前後に配した2つのモーターを組み合わせたPHEVを採用。パワートレインの構成を見る限り、現行型のアウトランダーPHEVの進化形と思われる。
ただし、電気のみでの航続距離が70kmへと現行型と比べると13kmほど伸びている。新型デリカD:5にも採用されている“ダイナミックシールド”と呼ばれる人間の顔で言うところのほほの部分にヘッドライトを配した新しい意匠のフロントマスクを採用。その存在感はかなり強烈だ。
エンゲルベルク・ツアラーのほかに、“三菱ASX”、日本名“RVR”のマイナーチェンジモデルも出品。新型ASXもフロントマスクにダイナミックシールドを採用しているが、こちらはエンゲルベルク・ツアラーやデリカD:5と比べるとちょっと控えめ。
SUBARU
最近、モーターショーで数年先に市販されるニューモデルのデザインスタディを出展することが多いスバル。今回のジュネーブ・モーターショーでも“ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプト”と呼ばれるコンセプトカーをひな壇に飾った。フロントフェンダーに樹脂を大胆にあしらうなど大胆な処理が施されたデザインはエッジの際立つアグレッシブなものに仕上がっている。フォレスターのクーペか、それとも次期XVか、はたまたまったく新しいSUVかは定かでないが、数年後にこのヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトから発展した新型車が登場することに期待しよう。
トヨタ
トヨタの主役は欧州初公開となった新型“GRスープラ”。基本的には2019年1月のデトロイト・モーターショーで発表された北米モデルと変わりはない。また2019年の東京オートサロンでは2020年から参戦予定のスーパーGT選手権のGT500クラス仕様のレーシングカーが登場したが、ジュネーブ・モーターショーでは欧州を中心に最近盛んになっている“GT4”カテゴリーに準拠した“GRスープラGT4コンセプト”を出展。日本だけでなく欧州でもGRスープラがサーキットで活躍する姿を見ることができそうだ。
GRスープラ以外では、新型“カローラ”の派生モデルを2モデル発表。1台は日本では未発表のステーションワゴン“ツーリングスポーツ”をベースにSUVテイストを持たせた風“カローラ・トレック”。前後バンパーにアンダーカバー風の装飾を施したり、ボディの下部に樹脂パーツを配するなどによりSUV風に仕立てた。欧州では2019年8月から販売される予定。
もう1台はハッチハッチバックの“カローラ・スポーツ”のスポーティグレードとなる“カローラGRスポーツ”。フロントのロアスカート、リアのディフューザーなどを装着することで、スポーティさをさらに際立出せている。パワートレインには標準仕様と同じ1.8L及び2.0Lハイブリッドが用意される。なお、GRスポーツの欧州での販売開始は2020年の1月から。
取材・文/編集部 撮影/望月浩彦
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