■「SUV」は実用性とスタイリングを兼ね備えた万能モデルだ
オフロード車のようなクロスオーバースタイルを持ったスタイリッシュな「SUV」がいま、人気を集めています。
ラージクラスからコンパクトクラスまで、国内外の各社がさまざまな車種を発売していますが、そんなSUVに乗るメリットとは、どのようなことがあるのでしょうか。
【画像】めちゃカッコいい! ホンダ「800馬力の“超すごい”SUV」を画像で見る(30枚以上)
クルマを乗り換えるなら今より性能が良く、よりスタイリッシュなタイプがいい。そんなユーザー心理をうまくとらえているのがSUVです。
ちなみに、SUV(Sport Utility Vehicle)とは単なる乗用モデルではなく、オフロードやアウトドアなどのスポーツアクティビティ向けのクルマという意味を持っています。
SUVの一番の特徴はそのスタイリングです。
トヨタ「ハリアー」のように街乗りを重視し、都会的な流れるフォルムを採用したスタイリッシュなモデルもあれば、トヨタ「ランドクルーザー250」のように悪路走行でのタフな走破性をイメージさせる、スクエアでエッジの利いたデザインのモデルなど、各々個性的なデザインが魅力的です。
クルマを日常の足として考え、実用性を追求すると積載性の高いミニバンや軽スーパーハイトワゴンなどが定番のスタイルだと思います。
しかし実用性も確保しつつスタイルにもこだわるユーザーにとって、SUVへの乗り換えもクルマ選びの視野に入って来ているようです。
ミニバン系のデメリットといえば、背が高く大きなボディのため重心が高くなり、運動性能がセダンやコンパクトカーなどと比べ劣ってしまう点です。
緩慢なハンドリングや、高速走行時の横風による不安感などは難点となるでしょう。
その点SUVはやや重心は高めなものの、ミニバン系と比べればキビキビとした走りを楽しむことができます。
また一部の例外を除き、地上高が高く設定されているSUVは座席の位置が高く、運転している際の視界が良いメリットもあります。
さらに地上高が高いことでアウトドアシーンでの走破性も高まっており、実用性も確保されています。
もちろん、降雪時にワダチができた際にもボディ下部をこするリスクも低減できます。
ちなみに悪路走行に強そうなSUVの最低地上高は、ランドクルーザー250で215~225mm、スズキ「ジムニー」205mm、スバル「フォレスター」220mm、マツダ「CX-5」210mm、三菱「アウトランダー」195~200mm、トヨタ「RAV4」で190~200mmという風に、200mm程度の地上高が確保されています。
近年、ゲリラ豪雨や台風などの影響で、道路が冠水することが増えていますが、そのような場合でも地上高が高いことで、冠水時の車両故障のリスクも低減できます。
ただしSUVであっても過信は禁物で、そもそも冠水した場所は避けるべきであることは改めてお知らせしておきます。
なおコンパクトクラスで比較すると、トヨタ「ヤリス」は130~160mmなのに対し「ヤリスクロス」が160~170mmで、わずか10~40mm程度の差でした。
SUVだからといって、必ずしも地上高が高いといいきれないクルマもある点は留意する必要があります。
もし走破性を気にしてSUVを選ぶ場合は、最低地上高に着目してクルマ選びをすると良いでしょう。
■「3列シートSUV」の実用性にも注目
一方、最低地上高が高いモデルはデメリットもあります。特に背が低い子供やお年寄りが乗り降りしづらい場合があるのです。
乗降性は、後席ドアの開閉角度や開口部の形状などにも左右されるため一概にはいえませんが、購入時は販売店に家族を連れ、実車の乗降性をチェックしてみる必要があるでしょう。
SUVには2列シートのほか3列シートのモデルもあります。
短距離であれば、ランドクルーザー250や日産「エクストレイル」、アウトランダーの3列シートもじゅうぶんに使えます。
ある程度大人もしっかり乗せたいということであれば、マツダ「CX-80」などは充分な空間が確保されているのでオススメできます。
最近発売された新型CX-80の場合、3列目にもドリンクホルダーやUSBポートに加え、エアコンの吹き出し口も備えており、2列目並みの快適性を備えています。
また後面衝突時の安全対策として、国内法規にはない時速80キロ・70%オフセット追突というマツダ独自の基準を設け、3列目シートの生存空間を確保するといった考慮もされています。
ミニバンの代わりにSUVにしたいという人にも、より安心に使うことができるでしょう。
※ ※ ※
その他、意外なSUVのメリットとしては、「塗装していない黒い樹脂のパーツ」が挙げられます。
もともとはSUVらしいタフさを演出するため、ホイールアーチやバンパーなどに採用されているものですが、塗装されているパーツと違い多少のコスリキズが目立ちにくいといった点があります。
またパーツを塗装していないので、交換コストも安いという点もあります。
ただ最近ではデザイン性を高めるために特に上級グレードはボディ同色に塗装している仕様もあるので、今後はこのメリットは享受できないSUVが増えていくかもしれません。
国内メーカーでは、セダンやステーションワゴンのラインナップが激減し、代わりにSUVのラインナップが増加しています。
1990年代、本格オフローダーの三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」などのブームに始まり、乗用車ベースSUVの先駆けとなる初代RAV4、ハリアーなどで大いに盛り上がったSUVブームがありました。
しかしその後2000年代に入り、ラダーフレーム系の本格オフロードモデルのラインナップが激減してしまい、ブームが沈静化したかのように見えた時期もありました。
今回のSUVブームは今後、どのようになっていくのかも気になるところです。
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みんなのコメント
セダンやクーペほどどっしり安定はしてないしミニバン1BOXほど居住性・積載能力はない。
CX-5乗ってる同僚はスクラム(エブリイ)程も荷物載らないってボヤいてる。