現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 現代を走破する最新ブリティッシュカフェレーサー、トライアンフの『スラクストンRS』!

ここから本文です

現代を走破する最新ブリティッシュカフェレーサー、トライアンフの『スラクストンRS』!

掲載 2
現代を走破する最新ブリティッシュカフェレーサー、トライアンフの『スラクストンRS』!

 トライアンフは120年以上の歴史を持つイギリスのオートバイメーカー。今回紹介する「スラクストンRS」は、トライアンフの歴史と文化を強く受け継いでいるモデルのひとつです。

 名前の由来となっているのは、かつてイギリスのスラクストンサーキットで行われていた「スラクストン500マイル」です。1950年代後半から1970年代前半まで開催されていた耐久レースで、トライアンフが大活躍。ボンネビルT120をベースに製作されたレーサーに「スラクストン」と名付けられたのが最初といわれています。

トライアンフ新型「ストリートトリプル765」に試乗! 誰もが扱えるスーパースポーツの走りを体感

 1950年代後半から60年代初めにかけてのロンドンは不景気にみまわれ、低所得の若者たちの間で、クルマよりも安価なバイクが好まれるようになっていました。主に乗っていたのはトライアンフやノートン、BSAなどの単気筒や2気筒エンジンのバイク。黒の革ジャンと革パンに身を包んだ彼らはロッカーズと呼ばれ、夜な夜なバイクでカフェに集まっていたのです。

 その舞台となったのが、ロンドンのノースサーキュラーロード沿いにある「エースカフェ」です。カフェのジュークボックスにコインを入れてロックンロールを流し、その曲が終わるまでに誰が一番早く戻ってこられるかを競う、ストリートレースに夢中になっていました。

 より速く走るため、レーサースタイルを取り入れたカスタムが流行。低くセットされたハンドル、シングルシート、バックステップが特徴で、「カフェレーサー」と呼ばれました。現在も世界中に多くのファンが存在し、そのカスタムスタイルを受け継いでいます。

 そうして2004年、トライアンフの「モダンクラシック」シリーズにスラクストンの名が復活。往年のカフェレーサースタイルを踏襲しつつも、現代的なエッセンスが盛り込まれています。

 最新のスラクストンRSは、いったいどんな乗り味なのでしょうか?

 第一印象はまさにモダンクラシックって感じです! セパレートハンドルにシングルのシートカウル。マフラーはテーパードされたメガホンタイプでスポーティーです。スピードとタコの二連メーターなんて、クラシカルなディテールが詰め込まれています。

 ちなみにカラーはラメ入りシルバーが美しいコンペティショングリーン・シルバーアイス。オプションとしてボディカラーと同色のフライスクリーンと取り付けキットが装備されています。

 特にこだわってるな~と思ったのがタンクの造形です。ニーグリップする部分にエグりの入った細くて長めのタンク。中央に配置されたスチールのタンクベルトがクラシックレーサーっぽい雰囲気です。

 それにエノット型のタンクキャップがポイント! 本来はワンタッチで開閉できて、素早く給油できることがメリットなのですが、実は開けるともう一個タンクキャップがあって鍵がついています。クラシカルな見た目を演出しながら、防犯性も確保しているのです。

 一方で現代の交通事情に対応したハイテクな足まわりがセットされています。フロントにはショーワ製倒立ビッグピストンフォーク、リアにオーリンズ製フルアジャスタブルショックを採用。ゴールドの輝きがグッと目を引きます!

 また、フロントブレーキにブレンボ製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー、ブレンボ製310 mm径ツインフローティングディスクを採用。リアは Nissin製2ピストンフローティングキャリパーに220 mm径シングルディスクをセット。前後ともにABSを装備しています。

 排気量1200ccの水冷並列2気筒エンジンは105馬力! 最大トルクは低めの4250回転で112Nmとなっています。ドッカンとしたパワフルな加速が期待できそう!! それでいて、欧州の厳しい二輪排出ガス規制、ユーロ5基準規制をクリアしてるというのだからオドロキ。時代に求められる機能をおごった高性能マシンなのです。

 実際にまたがってみると、身長158cmの私で足の親指が接地する程度の足つき。シート高は810 mmとそこそこ高めだし、シートの幅もあるので足つき性はあまりよくありません。

 ハンドルはセパレートハンドルですが、グリップ位置はトップブリッジより少し高く設定されているので、そこまで前傾はキツくありません。ステップ位置もバック寄りのミッド。肘に少しゆとりがあるので、ライディングポジションは意外とラクです。

 ヨイショッと引き起こすと、結構な重量を感じます。先代モデルより6kgも軽量化されているそうですが、装備が豪華なだけあって車両重量217 kgと重めです。それでも、安定感はしっかりあるので、バランスを崩したりフラついたりしません。

 セルスターターでエンジンをスタートさせると意外とアイドリングは静か。さすが水冷エンジンです。

 ライディングモードはロード、レイン、スポーツの3種類で、スロットルマップだけでなく、トラクションコントロールの設定も各モードで切り替わるんだとか。

 まずはロード。アクセルを開けるとトルクフルながらもスムーズに加速。思ったより振動が少なくて静かですが、ツインエンジンらしいダカダカダカッとした鼓動感はしっかりあって私好みです。

 アクセルを開けると力強く加速。ほどよい重量感で操作しやすく感じます。ハンドルが曲がりたい方向へ素直に切れてくれるので、コーナリングでそこまで重さを感じません。無理に力でバンクさせる必要がありません。

 スポーツモードではレスポンスよく、ドンッとした加速が味わえます。思わずアクセルを開けたくなる楽しい設定。駐車場の試乗コースなのが残念です。街中よりも、勾配のあるワインディングロードで力量を発揮しそう!

 ブレーキもしっかり効いてくれるので、ストレートで加速、グンと減速してコーナリング、立ち上がりで加速…という一連の操作が楽しい! もっと走りたいと思わせてくれる試乗でした。

 ちなみに走りが楽しいのはもちろんですが、多彩なオプションパーツがあるのも魅力です。今回の試乗車はオプションのフライスクリーンが装備されていましたが、カフェレーサーフェアリングもあります。ローハンドルバーキットやフットステップなどもあって、好みに合わせたスタイリングができちゃうのです!

 トライアンフの公式サイトでアクセサリーのシュミレーションができるので着せ替え感覚で遊んでしまいました(笑)。どんなパーツをつけようか考えるのも楽しいですよね! 夢が広がります。

 1年だけの限定カラーというクロームエディションもあるので、カフェレーサースタイルを追求したい人はコチラもオススメです。

■TRIUMPH Thruxton RS全幅×全高:745 × 1030mm軸距:1415 mmシート高:810 mm車両重量:217 kgエンジンタイプ:水冷SOHC並列2気筒 8バルブ総排気量:1200 cc内径×行程:97.6 × 80 mm圧縮比:12.1:1最高出力:105 PS (77 kW) / 7,500 rpm最大トルク:112 Nm / 4,250 rpm燃料タンク容量:14 Lタイヤ:前 120/70 ZR17、後 160/60 ZR17ブレーキ形式:前 油圧式ダブルディスク(ABS)、後 油圧式シングルディスク(ABS)懸架方式:前 テレスコピック式(倒立)、後 スイングアーム式フレーム形式:鋼管製クレードル

■メーカー希望小売価格:201万5000円~208万3000円(税込)

こんな記事も読まれています

サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村