世界中で脅威となっている新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で多くのモータースポーツシリーズが大会中止や開催日程延期を余儀なくされている。そんななか注目を集めているのがレースゲームを使ったeスポーツだ。
F1をはじめ、MotoGPやインディカー・シリーズなど多くのシリーズオーガナイザーがシミュレーターやシリーズ公式ゲーム上でレースを開催。例えばF1では、ランド・ノリスやマックス・フェルスタッペンをはじめとする、現役レーサーも参戦し、実戦さながらの熱戦が繰り広げられている。
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誰でも手軽に始めることができることが魅力のeスポーツ。外出自粛要請もあり自宅にいる時間が長くなっていることから、これから始めてみたいというかたも多いはず。しかし、実際にeスポーツを始めるために何が必要なのか分からないという人も多いのではないだろうか。
そこで、今回はeスポーツデビューに必要なゲーミングPCやソフトウェアなどの一例をご紹介しよう。
■必要なのは“ゲーミングPC”
現在、各カテゴリーの公式eスポーツに使用されているのはプレイステーション4やXbox Oneといった家庭用ゲーム機向けのソフトではなく、よりハイスペックなゲームを楽しめるPC向けソフトがメインだ。
そしてそういったPC向けレースゲームは、事務作業やふだんのネットサーフィンに使うような一般的スペックのPCではプレイすることができない。より高いパフォーマンスを持つ“ゲーミングPC”が必要になる。
そして、いざそういったゲーミングPCでレースゲームをするとなると、ミドル~ハイスペックのPCが必要になる。プレイするソフトによって要求されるスペックはさまざまだが、ここではF1公式eスポーツに使われているコードマスターズの『F1 2019』を基準に必要スペックを紹介しよう。
ちなみにゲーミングPCを手にする場合、以前はCPUやグラフィックボード、メモリなど、PC用部品を自分で購入して組み立てる“自作PC”が一般的だったが、近年はPCショップなどが各ゲーム向けにパーツをセレクトし、あらかじめ動作するように組み上げた状態で販売している“BTOパソコン”の選択肢も増えている。
自作PCの場合、自分が理想とする筐体やスペックを実現できるが、組み立てやOSのインストールなども自分の手でやらなければならず、万が一トラブルが出た場合も自力で解消しなければならない。
一方、BTOパソコンはあらかじめショップがセレクトしたものを選ぶことになるため自分好みにするのはなかなか難しいが、ショップ側で組み立てや初期設定をしてくれることがほとんど。また万が一の場合にサポートを行ってくれるショップも多い。
どちらの形で手にするかは、自分の好みやPCスキルにあわせて選択しよう。どちらの場合もネット通販を活用すれば自宅にいながらパーツの吟味や購入ができる。
PC向けゲームの場合、公式に必要なPCスペックをアナウンスしていることがほとんど。F1 2019の場合、プレイするために最低限必要なCPUは『Intel i3 2130』、または『AMD FX4300』。グラフィックボードは『NVIDIA GTX640/HD7750』。必要メモリは8GBとされている。
この条件を満たすPCは5~7万円程度で揃えることができるはず。ただし、これはF1 2019をプレイするのに最低限必要なスペックであり、ゲームの画質設定を落とすといった妥協が必要になる。
より高精細なグラフィックで快適に楽しみたいという場合の推奨スペックは、CPUが『Intel i5 9600k/AMD Ryzen 5 2600x』、グラフィックボードが『Nvidia GTX 1660ti/RX590』、メモリは16GBとされている。このスペックをカバーするには予算は10万円~13万円ほどになるだろう。
ただ、この推奨スペックをカバーできれば、F1 2019はもちろん、さらに本格的なシミュレーターであるアセット・コルサ、ノリスやフェルスタッペンもプレイしている会員制レースシミュレーター、iRacingもプレイすることができるはずだ。
■ゲームの導入方法
実際にゲーミングPCを手に入れ、使える状態にできたら、次はソフトをインストールしよう。F1 2019やMotoGP、アセット・コルサなどをプレイするためには、PCゲーム専門のデジタル販売サイト『Steam』への会員登録が必要だ。
Steamへの会員登録が完了したら、専用のアプリケーションをインストールした上、そのアプリ経由で各ゲームを購入する。そしてPCにダウンロードすることでプレイ可能となる。
ちなみに各ゲームの追加コンテンツ購入やオンライン対戦、アップデートなども、すべてこのSteamを経由して行う。
■オートスポーツweb的おすすめハンドルコントローラー
ゲーミングPCにSteamをインストールし、各ゲームを購入すれば、あとはゲームを遊ぶだけ。しかし、このままだとキーボード&マウスでクルマを操ることになってしまう。ゲーム用のコントローラーを購入したほうがより快適にプレイできるが、せっかくレースゲームを楽しむなら、ここはやはりハンドルコントローラーを購入したくなるところ。最後にそんなハンドルコントローラーをいくつか紹介しよう。
まずは、ゲーミングキーボードやマウスを手掛けるロジクール社製の『G29』だ。
特徴は革巻きのステアリングに、アルミペダルを備えていること。実車に近い質感でレースゲームを楽しめる。価格は4万円ほど、初めてのハンドルコントローラーで悩んでいる方におすすめしたい。
ワンランク上の走りを求める方にはスラストマスター社製の『T-GT』をおすすめする。
先述したG29がマシン挙動や路面情報を振動として表現する“フォースフィードバック(FFB)”の動力を歯車を介してステアリングに伝達する方式なのに対し、T-GTはモーターから直接ステアリングに伝達する方式を採用している。
そのためFFBの強さがG29よりも大きくなっている上、路面の凹凸やサスペンションの動きなども、より現実に近いかたちで伝わってくるため、臨場感は抜群だ。
そしてPCゲーム用ハンドルコントローラーを語る上で欠かせないのが、Fanatecの『ClubSport Racing Wheel 2.5』だ。
このハンドルコントローラー最大の特徴はクイックリリース機能が搭載されていること。実際のレーシングカーさながらにステアリングを取り外すことができ、フォーミュラカータイプ、ツーリングカータイプなど、ゲーム内で乗るクルマに合わせて、実際にステアリングを交換できるのだ。
ステアリングとペダルを合わせて15万円以上、さらに交換するステアリングも別途購入しなければならない代物だが、国内のレースシミュレーターショップの多くが採用しているコントローラーであり、その性能は折り紙つきだ。
ちなみに、今回紹介した3つのハンドルコントローラーのうち、G29とT-GTについてはプレイステーション4用ソフト『グランツーリスモSPORT』でも利用できる。PCゲーム用環境と合わせて、プレイステーション4でもレースゲームを楽しみたい場合は、このふたつのコントローラーがおすすめだ。
F1のeスポーツシリーズをはじめ、WRC世界ラリー選手権やWTCR世界ツーリングカー・カップ、インディにNASCARと、eスポーツを活用するモータースポーツは日に日に数を増している。これを機会にeスポーツに挑戦してみたいという方は、ぜひこの記事を参考に自分に合ったプレイ環境を整えて、バーチャルレースを楽しんでみては。
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