クルマ選びでコストパフォーマンスのよさは気になるもの。今、コスパに優れるモデルは? コスパ自動車評論家 渡辺陽一郎氏が選ぶ、主要7カテゴリーのなかのコスパイチオシモデル&イチオシグレードはコレだ!
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※本稿は2020年2月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年3月26日号
■コストパフォーマンスのいいクルマとは?
コストパフォーマンスの優れた商品とは、ユーザーや社会のニーズを高い水準で満たしながら、価格を割安に抑えていることだ。クルマにはさまざまなカテゴリーが用意され、それぞれにコスパの優れた車種がある。ユーザーの求める走行性能や居住性などの機能、装備のわりに、価格を抑えた商品が注目される。社会のニーズを満たすうえでは、優れた安全装備と環境性能もコスパの大切な条件だ。
そして複数のカテゴリーのなかでも、特にコスパを重視するのが、軽自動車、コンパクトカー、ミニバンといった実用的なクルマだ。日常生活のツールとして使われ、ユーザーには出費が増える就学年齢の子供を持つ世帯も多い。便利で安全なクルマを使いながら、維持費を効率よく節約することが求められる。軽自動車やミニバンは、生活を支える切実なニーズに基づいて開発されるから、高機能で買い得感が強く、販売も好調だ。
■コンパクトカー(5ナンバーサイズ)をコスパで選ぶとイチオシは?
コンパクトカーの優れたコスパの条件は、居住性、積載性、運転のしやすさといった実用性が優れ、価格は割安で、燃費などの維持費も安いことだ。安全性も重視され、機能を幅広く充実させながら、出費を抑える必要がある。
そのなかでもイチオシ車はフィットだ。全長はクロスターを除くと4m以内で、全高も立体駐車場が使える高さだが、燃料タンクを前席の下に搭載して車内は広い。
●コンパクトカーのコスパNo.1…ホンダ フィット 1.3ホーム(171万8200円~)
新型フィットは廉価グレードで155万7600円から設定されているが、1.3ホームが必要十分な装備が揃っていてお薦め
後席の足元空間はミドルサイズセダンと同等で、荷室の床が低く、積載容量にも余裕を持たせた。運転のしやすさと優れた実用性を両立させている。コンパクトカーでは走行安定性と乗り心地もよく、安全装備を充実させて価格は安い。
1.3Lの「ベーシック」は、基本的な安全&快適装備を充実させて、価格は160万円以下。ハイブリッドのe:HEVは、発電機と駆動用モーターを別個に搭載して効率を向上させながら、1.3Lエンジンとの価格差を大半のグレードで約35万円に抑えた。
次点はソリオのマイルドハイブリッドを搭載したMXだ。全長と全幅を小さく抑えながら、全高は1700mmを上回り、後席を含めて車内が広い。後席を畳むと自転車のような大きな荷物も積める。スライドドアで乗降性もよく、燃費も優れ、価格は割安だ。
●フィットの“コスパ”力
・価格の割安感…★★★★★
・リセールバリュー…★★★☆☆
・走行性能&乗り心地…★★★☆☆
・居住性&使い勝手…★★★★★
●次点…スズキ ソリオハイブリッドMX(173万4700円~)
■スーパーハイト軽自動車をコスパで選ぶとイチオシは?
2019年の国内販売ランキングは、1位がN-BOX、2位はタント、3位はスペーシアで、すべてスーパーハイト軽自動車だ。全高が1700mmを超え、軽自動車なのに車内は広く、後席のドアはスライド式だから乗降性もいい。
コスパに優れるスーパーハイト軽自動車の条件は、外観や内装が上質で、乗り心地とシートの座り心地もよく、安全装備が充実することだ。
そこで、最も推奨される車種はN-BOXになる。高い天井、燃料タンクを前席の下に搭載して得られた低い床面、軽自動車で最長のホイールベース、縦長に設計して前後寸法を詰めたエンジンなどにより、軽乗用車では車内が最も広い。
●スーパーハイト軽 コスパNo.1…ホンダ N-BOX G・L ホンダセンシング(154万3300円)
ベストセラーとなっているN-BOX。広い室内空間と充実の安全装備でこのクラスではコスパナンバー1
後席を後端までスライドさせた時の足元空間は、VIPセダンのセンチュリーを超える。後席を畳むと自転車も積めて、荷室の床が低いから積む時に前輪を大きく持ち上げる必要がない。内装の質、乗り心地、静粛性も優れる。
●N-BOXの“コスパ”力
・価格の割安感…★★★★☆
・リセールバリュー…★★★★☆
・走行性能&乗り心地…★★★☆☆
・居住性&使い勝手…★★★★★
次点はタントだ。助手席側のBピラーはドアに内蔵され、前後ともに開くと開口幅は1490mm。そのためベビーカーを持った状態で乗車できる。運転席のスライド量も長いから、子供をチャイルドシートに座らせた後、車内で運転席に移動できるのも便利だ。
●次点:ダイハツ タントX(価格:149万500円)
■ワゴンタイプ軽自動車をコスパで選ぶとイチオシは?
スーパーハイト軽自動車の全高は1700mmを超えるが、ワゴンタイプは1600~1700mmだ。それでも車内は広く、4名で快適に乗車できる。
後席のドアは大半がヒンジ式だが、開口部は広く乗り降りしやすい。価格はスーパーハイトタイプに比べて10万~15万円安い。従ってコスパに優れるワゴンタイプ軽自動車の条件は、居住性と積載性が優れ、収納設備や安全装備も充実させて、価格を割安に抑えていることになる。
この条件を持つコスパナンバー1はN-WGNだ。走行安定性と乗り心地が優れ、前後席ともに座り心地も快適。燃料タンクを前席の下に搭載したから後席の下には傘や靴が収まる横長の収納設備を備える。
●ワゴンタイプ軽 コスパNo.1…ホンダ N-WGN Lホンダセンシング(136万4000円)
昨年7月にフルモデルチェンジしたN-WGN。新型プラットフォームによりパッケージングと走りの両方で大きく進化した
荷室の床も低く積載容量に余裕があり、専用のボードを使うと、後席を畳んだ時に平らで広い荷室に変更できる。衝突被害軽減ブレーキは、自転車の検知も可能にした。
●N-WGNの“コスパ”力
・価格の割安感…★★★★★
・リセールバリュー…★★★★☆
・走行性能&乗り心地…★★★☆☆
・居住性&使い勝手…★★★★☆
次点はワゴンRだ。居住性が快適で、後席は背もたれを倒すと座面も連動して下がり、床の低い平らで大容量の荷室に変更できる。前後のスライドも含めて左右独立式だから、乗員や荷物の量に応じた調節もしやすい。収納設備も豊富で、マイルドハイブリッドにより燃費も優れている。
●スズキ ワゴンR ハイブリッドFX(119万9000円)
■ミニバンをコスパで選ぶとイチオシは?
3列のシートを備えるミニバンは多人数乗車が可能だ。3列目を畳めば広い荷室になり、4名で乗車して、自転車のような大きな荷物も積める。居住性と積載性が大切だから、大半の車種の全高が1800mmを上回る。
また、ミニバンは車内を広く確保するために背が高いから、外観の存在感を重視するユーザーにも人気が高い。そのために大半のミニバンにエアロパーツ装着車が用意され、特にフロントマスクは迫力のあるデザインに仕上げている。
この条件を踏まえると、ミニバンで最もコスパが優れた車種はミドルサイズのセレナだといえる。背の高いボディは車内の広さを表現しており、エアロパーツを備えたハイウェイスターVは存在感も強い。
●ミニバン・コスパ No.1…日産 セレナハイウェイスターV(298万6500円~)
昨年のマイチェンでハイウェイスターが迫力ある顔つきになったセレナ。e-POWERも設定されるがコスパでは2L車がお薦め
しかもセレナは車内に入るとミドルサイズミニバンでは3列目のシートが最も広く、多人数で長距離を快適に移動できる。シートアレンジも多彩だ。ミニバンの機能を充実させ、外観も立派であるにもかかわらず、ライバル同士の競争が激しいために価格は割安に抑えられている。
●セレナの“コスパ”力
・価格の割安感…★★★★☆
・リセールバリュー…★★★★☆
・走行性能&乗り心地…★★★☆☆
・居住性&使い勝手…★★★★★
次点はシエンタXだ。1.5Lエンジンを搭載するコンパクトミニバンだが、薄型燃料タンクの採用で床を低く抑え、全高は1700mm以下でも車内は意外と広い。Xの7人乗りは価格が185万200円で、燃費も含めて経済性が優れている。
●次点…トヨタ シエンタX(価格:185万200円)
■コンパクトSUVをコスパで選ぶとイチオシは?
SUVは悪路を走破するクルマとして誕生したので、大径タイヤを装着するなど外観の迫力がある。ボディの基本スタイルはワゴンやハッチバックだから、居住性や積載性も良好。SUVはカッコよさと実用性を兼ね備えて人気を集めたクルマだといえる。
ただし、SUVで国内市場に適しているのは、運転がしやすいコンパクトSUVだ。SUVのボディスタイルは空間効率が高いから、全長が4.3m前後でも、居住性や積載性には満足感がある。
その代表がコスパの優れたヴェゼルだ。フィットと同じく燃料タンクを前席の下に搭載して、荷室の床が低い。後席の足元空間も広く、居住性と積載性はミドルサイズSUV並みだ。
●コンパクトSUV コスパNo.1…ホンダ ヴェゼルX ホンダセンシング4WD(242万5093円)
ヴェゼルは1.5Lのガソリンエンジンとハイブリッド、ターボを用意されるが、ガソリン車が最も割安感がある
ボディはコンパクトで、SUVだから視線の位置は適度に高く、混雑した街中でも運転しやすい。1.5Lエンジンの搭載で、SUVでは価格も割安だ。この実用性と価格がコスパを高め、ファミリーユーザーの間でも人気を得て販売は好調だ。
●ヴェゼルの“コスパ”力
・価格の割安感…★★★★☆
・リセールバリュー…★★★★☆
・走行性能&乗り心地…★★★★☆
・居住性&使い勝手…★★★☆☆
次点はライズ。5ナンバーサイズのSUVで運転感覚はコンパクトカーに近い。後席はヴェゼルよりも狭いが、4名乗車は充分に可能だ。外観はRAV4に似て、悪路に強い印象がある。SUVの原点回帰も感じさせて人気も高い。1Lターボエンジンの搭載で価格も割安だ。
●次点:トヨタ ライズ4WD・Z(228万2200円)
■ミドルクラスSUVをコスパで選ぶとイチオシは?
SUVは海外でも人気が高く、日本メーカーの商品開発も海外市場を重視する。そのためSUVにはミドルサイズの3ナンバー車が多い。
車内は広く、荷室に3列目のシートを装着して、多人数乗車を可能にした車種もある。ワイドボディで安定性も高い。従ってコスパのいいミドルサイズSUVの条件は、内外装が上質で居住性も優れ、走行性能と乗り心地も満足でき、価格に割安感が伴うこととなる。
そのなかでも最もコスパに優れている車種がCX-5だ。全幅が1800mmを超えるSUVでは価格が割安なのだ。特に2.2Lクリーンディーゼルターボは、実用回転域の駆動力が4.5Lのガソリンエンジンと同等で、燃料代はハイブリッド並みに安い。
●ミドルクラスSUV コスパ No.1…マツダCX-5 XDプロアクティブ(317万3500円)
マツダCX-5はガソリン車もあるが、主力パワーユニットは4Lガソリン車級のトルクを持つ2.2Lディーゼル車だ
走行安定性、内装の質、シートの座り心地も優れ、価格のわりに高い満足感を得られる。とてもコスパが優秀だ。
●CX-5の“コスパ”力
・価格の割安感…★★★☆☆
・リセールバリュー…★★★★☆
・走行性能&乗り心地…★★★★★
・居住性&使い勝手…★★★★☆
次点はRAV4。前輪駆動ベースのシティ派SUVだが、外観はオフロードモデル風でSUVの原点回帰を感じさせる。4WDのグレードが多く、その4WDグレードである「アドベンチャー」はカーブを曲がる時などに、後輪左右の駆動力配分を積極的に変化させるシステムを採用。舗装路から悪路までアクティブな運転を楽しめる。
●次点:トヨタ RAV4 4WDアドベンチャー(319万5500円)
■ハッチバック車(3ナンバーサイズ)をコスパで選ぶとイチオシは?
ミドルサイズハッチバックの外観は、コンパクトカーの拡大版に見えるが、ユーザーニーズと車両の性格は異なる。コンパクトカーは運転しやすい小さなサイズで居住性や積載性が優れ、燃費と価格を抑えることが大切だ。
これに比べてミドルサイズハッチバックでは、内装の質、シートの座り心地、走行性能、乗り心地が重視される。実用性よりもクルマとしての満足度が問われるのだ。
そのミドルサイズハッチバックで最もコスパがいいのがインプレッサスポーツだ。水平対向2Lエンジンは、パワフルではないが動力性能に不満がなく、走行安定性もいい。4WDなら安心感はさらに高まり、乗り心地も快適だ。
●ハッチバック・コスパ No.1…スバル インプレッサスポーツ 2.0i-Lアイサイト 4WD(246万4000円)
2Lエンジンと4WDによる安心感と快適な走りが魅力の2.0i-Lアイサイト4WDがお薦めグレード
また、ほかの車種に比べて視界もいいから、ミドルサイズハッチバックでは運転しやすい。後席の足元空間が広いことも特徴だ。走りや居住性の満足度が高いうえに、実用性も優れている。価格設定は4WD、アイサイト、歩行者保護エアバッグなどを搭載しながら割安に抑えた。
●インプレッサの“コスパ”力
・価格の割安感 ★★★★☆
・リセールバリュー ★★★☆☆
・走行性能&乗り心地 ★★★★☆
・居住性&使い勝手 ★★★★☆
次点はマツダ3になる。後席は狭く後方視界もよくないが、独特のデザインによって周囲の風景がボディに美しく映り込む。ディーゼルは実用回転域の駆動力が高く燃料代は安い。安全装備も充実させているので価格は割安だ。
●次点…マツダ3(お薦めグレード:XDプロアクティブツーリングセレクション 価格:291万1741円)
【番外コラム】輸入車のコスパイチオシは?
輸入車のコスパもカテゴリーにより異なるが、機能や装備のわりに価格を抑えているのは、日本車と同じくコンパクトカーだ。VWポロの買い得感が強いが、3気筒1Lターボは低回転域の駆動力が足りずノイズも大きい。4気筒1.5LターボのRラインは、1Lのハイラインより31万円高いが推奨できる。
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みんなのコメント
N-BOXで200万超えるくらいなら絶対ソリオが良い。
広さ快適、燃費も良し、動力性能も問題無し。