この記事をまとめると
■テスラが生み出した最初のモデルがロードスター
テスラは商用車でも天下を取るのか? EVトレーラヘッド「テスラ・セミ」の納車スタートでどうなるトラック界!
■2018年に発表された新型ロードスターについて解説
■初代ロードスターについても振り返る
幅広いジャンルでビジネスを展開するテスラ
自動運転タクシーやEVトラック、人間型ロボットの開発など自動車ユーザーのみならず多くの人から話題を集めるテスラ。2022年に入り株価が下落したことなどでも話題となっています。
そんなテスラが生み出した最初のモデルが2008年から販売されたテスラ・ロードスター。ロードスターはすでに新型が2018年に発表されていますが、いまだ販売が開始されていません。
今回は新型ロードスターの情報とともに、初代ロードスターについても改めて紹介していきます。
電気自動車で有名なテスラとは?
ここ10年、自動車業界で話題となっているテスラ。同社は2003年にアメリカで設立された企業です。
設立当初は「テスラ・モーターズ」との社名でしたが、2016年にテスラへと変更。これは自動車のみならず、幅広いジャンルでビジネスを展開するようになったことが理由です。
事実、現在テスラのホームページには同社について「電気自動車や太陽光発電、総合的な再生可能エネルギー ソリューションを提供する企業」だと説明しています。
テスラは2008年に同社初となるモデル「ロードスター」を発表。その後、2012年に4ドアセダンの「テスラS」、2016年に廉価モデルの「モデル3」と相次いで発表。EVの先駆メーカーとして世界中にその名を広めました。
2010年にはパナソニックと共同でEV用の次世代バッテリーを開発、また同年、トヨタをEVの共同開発を行う提携を結んだことを発表するなど日系メーカーとの関わりが強かったことも特徴といえるでしょう。
ただし、トヨタとの提携はうまくいかずに頓挫。パナソニックもテスラが自社の車載電池を自ら生産する計画を示したことなどで現在は保有しているテスラ株をすべて売却しています。ただしパナソニックからテスラへのEV用バッテリー提供は続いており、2022年の夏には増産することが発表されています。
CEOはイーロン・マスク氏
テスラのCEOに就いているのはイーロン・マスク氏。同氏についてはテスラ共々認知度が高いことはご存知の通りです。
マスク氏はテスラのみならず、民間有人宇宙飛行を実現させた「スペースX」、オンライン決済サービス「PayPal」など有名企業も設立するほどの起業家でもあります。
また2022年10月にTwitter社の買収を完了。買収後、CEOをはじめ多くのスタッフを解雇したことが大きな話題となりました。
驚異的な加速力を発揮する新型ロードスター
新型のテスラ・ロードスターの発売は2023年?
テスラは2018年に2代目となるロードスターを発表しています。
世界最高峰のパフォーマンスを実現することを目指し開発された2代目ですが、発表されてからすでに約4年経った現在でもデリバリーが開始されていません。
その理由として世界的な半導体不足の影響を挙げていますが、一説には開発が難航しているためではないか、との声も上がっています。イーロン・マスクCEOいわく「来年(2023年)には発売したい」とのことですが、2022年も残りわずかとなった現在までに販売開始時期についてのアナウンスはありません。
ロケットエンジン技術で高馬力を実現
すでに新型ロードスターのエクステリアなどは公開されていますが、大きな注目を集めたのが「スペースXロケットスラスター」。
標準モデルでさえ0-100km/h加速が2.1秒を実現すると発表されている新型ロードスターですが、ロケットのようなスラスター(推進装置)を装着することでさらに加速性が向上。0-96km/hの加速がなんと1.1秒となることが公表されています。
ただ、これら世界最高峰のパフォーマンスの実現が困難になったことで市販に遅れが出ているのでは……と揶揄する声も。いずれにせよ、新型ロードスターの販売を待ちわびている自動車ファンにとって、少しでも早いデリバリーを期待したいものです。
新型テスラ・ロードスターの値段は未定
デリバリーがまだ決まっていない現在、新型テスラ・ロードスターの価格も判明していません。ただし2018年の発表後、一旦、打ち切られた予約はすでに再開されました。この予約時には少なくとも600万円ほどが必要となります。
初代ロードスターの価格は2010年の国内販売時にエントリーモデルが1270万円。その後、改良が加えられたことで価格も上がっていきました。
半導体不足の影響により販売開始が遅れた新型ロードスターは、2000万円を超える価格で販売されると見られています。
初代テスラ・ロードスターの実力
初代ロードスターの特徴1:CFRPボディの2シーター・ミッドシップEVスポーツ
2010年から国内販売が開始された初代ロードスター。初代はロータス・エリーゼをベースにEVユニットを搭載し開発。2006年にプロトタイプが発表され、2008年から市販モデルの販売がスタートしました。
ボディはエリーゼ同様、アルミ押出材を接着する方法で構成されたプラットフォームにCFRP(炭素強化プラスチック)のボディが載せられています。ただし、バッテリーなどを搭載したことで車重が690kgのエリーゼと比べ1270kg(グレードはスポーツ)と重くなっています。
また運転席と助手席を配置しているキャビン後方にモーターや充電器、コントローラーなどで構成されるEVユニットやバッテリーを搭載するMRレイアウトを採用。スポーツカーらしい低めの着座位置やMRレイアウトを備えたロードスターは本格的なオープンスポーツカーでした。
初代ロードスターの特徴2:リチウムイオン電池を6831個搭載
初代ロードスターにはノートPCなどに使用するリチウムイオンバッテリーを6831個配置したバッテリーパックが搭載されていました。
このバッテリーは総容量53kWhとなり航続距離は394km。初代ロードスターは現在販売されているEVと比べても引けを取らない航続距離を誇っていたのです。
初代ロードスターの特徴3:0-100km/hは3.7秒
初代ロードスターに搭載されているモーターの出力はグレードのよって異なりました。エントリーモデルには370Nm、ハイパフォーマンスモデルには400Nm。ハイパフォーマンスモデルの「スポーツ」は0-100km/hがわずか3.7秒。
現在販売されているポルシェ911カレラ4 GTSの0-100km/hが3.6秒と同等の数値を記録していますが、こちらは最高出力450馬力を発揮する3リッターターボエンジンを搭載してのもの。
290馬力の初代ロードスターが同等の数値を叩き出しているのは、いかにモーターによる加速が優れているかがわかります。
初代ロードスターの中古車相場
初代ロードスターの中古車を探すことは極めて難しいのが現状です。
執筆時点で各中古車販売サイトでの販売数は0。今年1年で流通した台数を調べてみたところわずか2台でした。
その2台の価格は600~650万円。正直、高いか適正か、またバッテリーの状況はどうなのかなどの判別ができないほどの台数しか流通していません。
初代ロードスターの購入を考えている場合は少なくとも600万円ほどの費用は必要となるようです。
【豆知識】宇宙に行った唯一の市販車
初代テスラ・ロードスターの隠れたエピソードとなっているのが、自動車として初めて宇宙空間に飛び立ったこと。ただし、同車が自ら宇宙へ飛び立ったわけではなく大型ロケットに積載されてのことです。
イーロン・マスク氏が設立したスペースX社の超大型ロケットの初打ち上げの際、試験的な積荷となったロードスターは打ち上げが成功したことで宇宙空間に飛び立った世界初の自動車となりました。
まとめ
冒頭でお伝えしましたが時価総額がトヨタを超える株価を誇ったテスラですが、2022年に入り時価総額が約半分に減少してしまいました。
これは同社が開発している製品がいまだ市場に投入されていないことが大きな要因だといわれています。
新型ロードスターも含まれますが、テスラにとってマーケットに魅力的なモデルを投入できないと企業価値がますます下がるのではないかと懸念されています。
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