ポルシェ911シリーズに追加されたGTSは、タイプ992のデビュー当初から待ち望まれていた7速マニュアルトランスミッション車が用意された。もちろん、それ以外の魅力も多い。今回は、MT車でさっそくテストドライブで出かけることにした。(Motor Magazine2022年1月号より)
カレラSとターボの間に位置するGTS
ポルシェほどモデル名とそのポジションがわかりやすいブランドは、他にないだろう。たとえば、911を見るとベーシックモデルがカレラでその上にカレラSがあり、トップモデルがターボである。価格は、カレラSが1760万円、ターボが2500万円で、その差はなんと740万円だが、この間に位置するように、カレラGTSシリーズ(1868万~2199万円)がラインナップしている。
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ところでカレラSとGTSのパフォーマンスを比較すると、最高出力/最大トルク、0→100km/h加速、最高速度は、カレラSが450ps/530Nm、3.7秒、308km/hなのに対し、GTSが480ps/570Nm、4.1秒(MT)/3.4秒(PDK)、311km/hである。
今回試乗したクーペGTSは、911シリーズに加わった最新グレードである。特徴は、カレラSを超えるパフォーマンスを持つことに加え、911シリーズで唯一、7速マニュアルトランスミッションを用意することである。タイプ992となった911シリーズのデビュー当初から、MT仕様の導入を望んでいたが、GTSで初めてそれがかなったことになる。
以前、タイプ992の国際試乗会に参加した時、開発者に「MT車は作らないのか」と聞いたところ、「MT仕様の導入は予定している」という答えだったが、それがGTSのことだったようだ。さらにカレラシリーズにも今後、MT仕様車導入の可能性もあるはずである。これも期待したい。
気持ちを高揚させてくれる専用アイテムも多い
GTSは、専用アイテムが装備されているのも特徴である。試乗車は、オプションのGTSインテリアパッケージが装着され、けっして性能がカレラSより高いというだけではなく、特別な911という雰囲気もかなり強い。
そもそもGTS(グランドツーリングスポーツ)というグレードはこれまでも特別なモデルに与えられ、今では718シリーズ、カイエン、マカン、パナメーラ、そしてBEVのタイカンといったすべてのポルシェラインナップに用意されているモデルなのだ。911シリーズでは、先々代のタイプ997の時から導入され人気グレードとなっている。
新型GTSが搭載しているのは、3L水平対向6気筒ツインターボエンジンでパフォーマンスが先代GTSより30ps、20Nm向上している。
標準装備のシートは、GTSのロゴ入りスポーツシートだが、試乗車はオプションが満載。フルバケットシートやポルシェセラミックコンポジットブレーキ+ハイグロスブラックブレーキキャリパー、リアアクスルステアリング、ティンテッドLEDマトリックスヘッドライト、ポルシェダイナミックシャシーコントロール、GTSインテリアパッケージ、アルカンターラサンバイザー&ルーフライニングなどが装着され、総額は637万800円に達する。
さて走り出してすぐに、MTの操作フィーリングに好印象を持った。従来より10mmシフトレバーが短縮され、ショートストロークということもあり、手首の動きだけでサクサクと変速できる。さらに高回転まで一気に吹け上がるエンジンには感動すら覚えたほどだ。
ボクサーサウンドも実に素晴らしい。標準装備されるスポーツエキゾーストシステムは、エキサイティングな気持ちを高めてくれる増幅装置だ。聞こえるエンジンサウンドがいいと、つい高回転まで回したくなるが、911GTSは回せば回すだけクルマとの一体感が深まるようになる。このあたりはさすがポルシェの作品だ。
細部にわたるパーツの見直しや全体的な軽量化も施され、フットワークも実に軽快、ワインディングロードでは、リアアクスルステアリングの効果もあり、グイグイと曲がる。GTSが高い人気を持つのも、当然だと感じられた。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)
ポルシェ 911 カレラGTS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4520×1850×1303mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量(空車重量):1720kg(1750kg)
●エンジン:対6DOHCツインターボ
●総排気量:2981cc
●最高出力:353kW(480ps)/6500rpm
●最大トルク:570Nm/2300-5000rpm
●トランスミッション:7速MT(8速DCT)
●駆動方式:RR
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●WLTCモード燃費:9.1km-9.7/L
●タイヤサイズ:前245/35R20、後305/30R21
●車両価格(税込):1868万円
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