お手頃なエントリーグレードの仕上がりは
キアの新しいバッテリーEV(BEV)、EV6は2021年の登場から称賛の声が収まらない。だがそれは、高いスペックを備えた高価なモデルに対して。比較的お手頃といえる、エントリーグレードの仕上がりはいかがだろう。
【画像】エントリーグレードも訴求力高し キアEV6 トヨタと日産も参戦 競合BEVと比較 全122枚
今回試乗したエアーは、英国価格4万4195ポンド(約729万円)からとなる、最も財布に優しいEV6になる。同じ229psを発揮するGTラインより3000ポンド(約50万円)、ツインモーターで325psのGTラインSより1万1900ポンド(約196万円)お安い。
585psを発揮する最上級のEV6 GTなら、その差はさらに広がる。一方でBEVは各社がラインナップを広げており、この価格帯のライバルは数多存在するようにもなった。
エントリーグレードなだけに、スペックは多少見劣りするかもしれない。だが、複数あるEV6のベストがどれなのか、確かめることには意味があるだろう。安かろう悪かろうでは、選択肢としてふさわしくない。
EV6 エアに標準装備されるのは、カッコいいアルミホイールとLEDヘッドライト、上級グレードと同サイズのタッチモニター、ヒーター内臓のシート、熱線入りステアリングホイール、リア・パーキングセンサーなど。装備にまったく不足はないように感じる。
質感の高い車内 モデル最長の航続距離
他方、価格の高いEV6 GTラインではさらに充実している。パワーシートにアダプティブ・ヘッドライト、フロント・パーキングセンサーなどが追加される。
エネルギー効率のいいヒートポンプ式のエアコンは、EV6 エアではオプションでも選べない。しかし、GTライン以上には標準で装備される。筆者の感覚としては、これで3000ポンド(約50万円)の追加なら充分納得できる内容といえる。
駆動用バッテリーの外部給電機能も、エアには実装できない。ノマドワーカーや災害時にBEVを活用するなら、グレードアップが必要となる。
製造品質に、安普請なところはまったくない。安い韓国車がフェイクレザーで溢れていた時代は、とっくに過ぎ去った。ダッシュボードに、沢山のブランクパネルがはめ込まれるようなこともない。価格の高いEV6と変わらない、高い質感が与えられている。
車内空間も、もちろん上位グレードと同じく広々。フォード・マスタング・マッハEなどのライバルBEVと並べても、EV6 エアには充分な魅力がある。
駆動用モーターはリア側の1基のみとなるが、駆動用バッテリーは77.4kWh、実容量で74.0kWhと蓄電量は同じ。ツインモーターの325ps版より航続距離が短くなることはなく、むしろカタログ値では527kmへ伸びている。
実際の環境では、450km前後が現実的な距離ではあるだろう。それでもEV6では、エアが最も遠くまで1度の充電で走ることができる。
レス・イズ・モアが当てはまる
EV6 エアの乗り心地は快適。駆動用モーターは充分にパワフルで、不足ないスピードを提供してくれる。0-100km/h加速は7.3秒と短いだけでなく、多くのBEVと同じく、その数字以上に活発に感じられる。力強く扱いやすい。
今回の試乗ではたっぷり約800kmを試乗したが、これ以上にパワーが必要だと感じる場面は一切なかった。クルマの評価ではレス・イズ・モア、シンプルなほど良いという表現がしばしば用いられるが、キアのEV6にも当てはまるようだ。
ヒートポンプ式ではないエアコンを、どう判断するか迷うところ。航続距離は、カタログ上ではEV6で一番長い。一方で寒い冬場にエアコンを使うと、より多くのエネルギーを使用し距離は短くなるはず。電気の難しいところといえる。
キアEV6 エア(英国仕様)のスペック
英国価格:4万4195ポンド(約729万円)
全長:4680mm
全幅:1880mm
全高:1550mm
最高速度:183km/h
0-100km/h加速:7.3秒
航続距離:527km
電費:6.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:永久励磁同期モーター
バッテリー:74.0kWhリチウムイオン(実容量)
急速充電能力:233kW
最高出力:229ps/4600-8600rpm
最大トルク:65.5kg-m
ギアボックス:−
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みんなのコメント
そして今も燃えている。カタログスペックより前に安全性だろ。
トヨタは見た目は派手じゃないけど品質で売上を伸ばしてきた。
異常があればすぐにリコールしてユーザーの被害が出ないようにする。
まあそれは常識だけどその常識ができないのが韓国車。