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これがフランスの考える高級車──新型プジョー508GTハイブリッド試乗記

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これがフランスの考える高級車──新型プジョー508GTハイブリッド試乗記

プジョーのフラグシップ「508」に追加されたPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド)モデルに小川フミオが試乗した。

“第3の選択”

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ハイブリッドは日本車の専売特許ではない。フランスのプジョー「508GTハイブリッド」が、6月2日に日本でも発売された。ファストバックスタイルのセダンボディに、1.6リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンにモーターを組合せる。

508GTハイブリッドは、クオリティの高いドライブができるモデルだ。ひとことでいうと、おとなっぽい。セダンあるいはステーションワゴンが欲しくて、かつ、ドイツ車や日本車でない“第3の選択”を探しているひとに勧められる。

プジョーといえば、日本ではSUV、ミニバン、ハッチバックといったモデルの人気が高い。ラインナップの頂点に位置するのは508シリーズだ。ハッチゲートがそなわった5ドアと、荷室部分が伸びたステーションワゴンがある。

508GTハイブリッドを簡単に説明すると、従来から存在した1.6リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジン搭載の「508GT」をもとに、電気モーターとバッテリーを追加した、外部充電可能なPHEVモデルだ。133kW(180ps)の最高出力と300Nmの最大トルクを持つエンジンに、81kWと320Nmの電気モーターを組み合わせる。

8段オートマチック変速機と前輪駆動方式も、GTと共用。リアシートの下に配されるリチウムイオン電池の容量は11.8kWhと、ちょっと小ぶりだ。電気モーターのみの走行可能距離は56km(WLTC)とされている。

基本的に駆動用バッテリーを使ってのEV走行が優先され、充電が規定量を下まわるとエンジンが始動する。走行モードは「エレクトリック」「ハイブリッド」「コンフォート」「スポーツ」。スポーツを選択するとエンジン主体となるいっぽう、あとの3つのモードはEV走行が基本だ。

クオリティの高い走り

走りの印象は、かなりよい。トルクの出方といい、足まわりの設定といい、ステアリングフィールといい、クオリティが高く、フラグシップにふさわしい完成度だ。全長4790mmでホイールベース2800mm、かつバッテリーは小ぶりなので、室内は前席と後席ともに広い。

ハイブリッドモードとコンフォートモードでは、電子制御ダンパーの設定が変わる。後者はよりソフトになるのだ。個人的な印象では、どちらもよい。ソフトといっても、ボディの動きはしっかり制御されているいっぽう、硬めといっても、路面の凹凸を拾うことはないからだ。

もっとも硬めのダンパーセッティングになるスポーツも、じつは、あまりわかりやすい設定ではない。そこがよい。カーブが連続するような道で運転を積極的に楽しみたいときには、コンフォートよりスポーツのほうがいいかもしれない。でもそれも好みの範囲で、“ガチガチ”になるようなことはない。

アクセルペダルの踏力は(おそらく)あえて重めだ。それによって、燃料消費を抑えているのだろう。そこからあえて強く踏み込むと、強い加速が味わえる。いわば2段がまえの加速であり、自己抑制の効いたひとのクルマ、という印象で好ましい。

ハイブリッドは、ベースになったガソリン車より270kgも車重が思いものの、駆動用バッテリーが空になって1.6リッターのガソリンエンジン中心での走行時も、力不足を感じさせなかった。これにも感心。エンジン・サウンドも振動もよく抑えられているの。

プジョーが508にPHEVを設定したのは、欧州の場合、EVモードでないと走行出来ないエリアが増えているため、と、説明された。

価値ある607万8000円

コクピットまわりは、従来の508GTシリーズとおおきくは違っていない。「i-Cockpit」と呼ぶデザインを採用した。ただし、フルデジタルのメーターは、PHEV専用の表示になる。

「ドイツのAGR(ドイツ脊椎健康推進協会)の承認を得た」と、プジョーが述べるシートにからだを収めて、太めのグリップの小径ステアリングホイールを握ると、ドライブを楽しもうという”ヤル気”がわいてくる。ハイブリッドのトルクたっぷりのパワフル感はその気分を後押ししてくれるところがよい。

508GTシリーズは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や、夜間や二輪車への反応能力を高めたという衝突被害軽減ブレーキ、オートハイビーム機能などの先進的運転支援システムは標準だ。

ベースの「508GT」が513万1000円であるのに対して、「508GTハイブリッド」は607万8000円。プジョーで600万円超になると、ピンと来ない人が多いかもしれないが、内外装や走りのクオリティを考えれば、妥当であると思う。

したがって、上質なミドルクラスを求めている人は、このフランスの上等なクルマを、試してみる価値は大いにあるはずだ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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