独アウディは10月8日、開発中の新型電動4ドアクーペ「e-tron GT」の生産プロセスと採用技術の一部を公開した。
メーカーの発表によると、e-tron GTはドイツのネッカーズウルム工場で「R8」とともに組立てられる。その製造工程はVR(仮想現実)テクノロジーを採用するなど高度にデジタル化され、e-tron GTはアウディとして初めてプロトタイプを製作することなく量産されるモデルとなる。
超高張力鋼とアルミニウムからなるボディを設計どおりに製造するため、ラインには熟練工が配され、ホワイトボディはそこを2回通ることでインナーパネルおよびアウターパネルが取り付けられる。e-tron GTの外板パネルには最大35cmもの高低差があり、そのためアウディらしい極小の部材公差を保つべく、ライン終端には特に経験豊富な組立工を配置し、最終チェックを行うという。全車両が経験することとなる公道走行テストでは、ハイウェイや都市部を含め40kmを走り込んだあと、ディーラーへの出荷準備が整うという。
さらに、e-tron GTにはピュアEVならではの装備として「e-sound」がオプションで用意される。これは、フロントの車両接近警告装置(AVAS)用スピーカーに加え、リアに1基、車内に2基のスピーカーを備え、速度やアクセル開度に応じて独自のサウンドを鳴らすというもの。32種にもおよぶサウンドはコンピューターが作成し、音響分野の専門家や顧客の声をベースに調律を実施。ドライバーは「アウディ・ドライブ・セレクト」で好みの音を選択できるとのことだから、シーンに合わせた音の楽しみ方が広がりそうだ。
生産現場にも車両にも先進技術が奢られたe-tron GT。実車の登場が待ち遠しい。
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