■次世代コンパクトスポーツカー「SC-01」詳細が判明
大阪オートメッセ2024に出展されたことでも話題を呼んだ、中国の小型スポーツBEV「SC-01」。
その量産モデルのスペックがついに判明しました。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
【画像】超カッコいい!? これが「新型ミニスポーツ」の全貌です
小柄ながらもスーパーカーの要素を盛り込んだデザインが特徴的な「SC-01」は、中国の新興ブランドが手がける小型スポーツBEVです。
中国語で「小さなスポーツカー」を意味し、海外サイトではその直訳である「スモールスポーツカー」や、略称「SSC」として知られています。ブランド自体は中国・天津市に本拠地を置く「工匠派汽車科技」で、IT大手「シャオミ」からの出資を受けて開発したとしています。
公表されている情報によると、「SC-01」は全長4105mm×全幅1830mm×全高1160mm、ホイールベース2500mmという小さなボディながら、プッシュロッド式サスペンションを採用、前後それぞれに160kW(214hp)のモーターを配置する本格的ライトウェイトスポーツカーとしています。
動力性能においては最高出力428hp、最大トルク560Nmを誇り、0-100 km/h加速は2.95秒とのこと。車両重量は1300kgとなるので、刺激的なドライビングエクスペリエンスをもたらしてくれることでしょう。
SC-01は2022年9月に突如としてプロトタイプが発表されましたが、当時は情報の少なさから本当に実現するのか疑問視する声が多く聞かれました。その1年後にはより市販型に近い姿がお披露目、実際の販売価格も発表されたものの、今日まで続報が途絶えておりました。
■ついに「公式情報」が出たぞ!そのすごい中身とは
ですが、この度SC-01の詳細なスペックが中国の政府系サイトより判明しました。この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)のサイトです。工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
届け出られた情報を見ると、ボディサイズに大きな変更はなく、全高が10mmほど高くなった程度にとどまります。また、車両重量も1365 kgと記載されており、おおむね事前に公表されていたものと近い数値です。
一方、新たに明らかとなったのは国営メーカー「JMC(江鈴汽車)」が製造を担当するという点です。中国では自動車の製造免許がなかなか取得しづらく、小規模な会社や新興メーカーは昔から自動車を製造する大手メーカーに製造を委託することが一般的です。中国新興EVメーカー御三家に数えられる「NIO」もそのひとつで、当初は江淮汽車に製造を委託、のちに自社での製造許諾を取得しました。
また、2024年に話題を呼んだ電機メーカー「シャオミ」のBEVも当初は北京汽車と合弁会社「北京シャオミ」を設立して北京汽車の製造免許のもとで自動車を生産していましたが、現在はシャオミ単独での製造となっています。このように、SC-01もJMCに製造を委託する形となります。
パワートレインに関して、出力は前後2つのモーター合わせて出力429 hpと記載されており、これも事前に公表済みのスペックと一致します。なお、モーターは広東省珠海市に本拠地を置く「エンパワー(Enpower)」のものを採用しています。公表済みのスペックによれば、バッテリーは車載バッテリー製造大手「CALB(中創新航)」製の三元系リチウムイオン電池を搭載、容量は60kWhで一回の充電で520km(CLTCモード)を走れるとしています。
エクステリアデザインに大まかな変更はなく、見た目は発表済みのコンセプトモデルと同様です。車体自体はとても小柄で、今日のロータスが捨てた「古き良きライトウェイトスポーツカー」の理念が盛り込まれている印象を受けます。
本格派スポーツカーにふさわしくフロント6pot・リア4potのブレーキキャリパーや、鍛造アルミ製ステアリングナックル、ミシュラン パイロットスポーツ CUP2の純正採用など、単に加速力しか重視していない「名ばかりのスポーツBEV」とは一線を画す装備も見所です。
SC-01の発売時期は未定ですが、この届出がなされたということは発売間近であり、2025年中の発売になるのではないかと予想されます。
日本でも発売が予定されており、2024年2月に開催された大阪オートメッセ2024では販売代理店を務める「興和商会」がSC-01のモックアップを出展しました。中国の自動車を販売するにあたっては手続きが通常の輸入車よりも複雑ですが、スポーツ性重視のBEVは貴重であり、発売されたら日本国内でも注目を集めることでしょう。
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