■1000台限定で販売された「サンバー WRブルーリミテッド」
スバル「サンバートラック/サンバーバン」といえば、同社の現行車種のなかでもっとも長い歴史を誇るモデルです。
初代モデルは60年以上前の1961年に登場。現在は8代目モデルが販売されていますが、スバルは自社での軽自動車の開発・生産を2012年2月に終了したことから、7代目以降はダイハツ「ハイゼット」のOEM供給を受けて販売される形となっています。
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そのため、最後のスバルオリジナルのサンバーとなった6代目モデルの中古車は安定して高い人気をキープしており、なかでも2011年7月にリリースされた特別仕様車「WR BLUE LIMITED(WRブルーリミテッド)」はとくに高値安定となっているのです。
このWRブルーリミテッドは、サンバー発売50周年を記念した特別仕様車で、トラックの「TC」グレード、バンの「ディアス」をベースにしたもの。
最大の特徴は、その名前にもなっているようにスバルのラリーカーなどのボディカラーとしてもおなじみの「WRブルー・マイカ」に塗られたボディです。歴代サンバー含め、純正カラーとしてこのWRブルー・マイカが採用されたのは初のことでした。
もちろん車内から見えるパネル部分もWRブルー・マイカに塗られており、トラックでは荷台部分も当然WRブルー・マイカとあって、乱雑に荷物を放り込むのを躊躇してしまうような仕上がりとなっていたのです。
ボディカラー以外にも、イエローステッチが施された専用のブラックシートや2トーンフロントカラードバンパーに加え、バンには専用ドアトリム、ルーフスポイラー、マフラーカッター、トラックにはクロムメッキホイールナット、クリアタイプのターンレンズなども特別装備として装着されていました。
このWRブルーリミテッドはトラック、バン合わせて1000台限定で販売され、トラックは89万9000円から111万8450円、バンは117万9000円から140万8950円という価格(消費税5%込)となっていましたが、瞬く間に完売となり、今ではプレミア価格となっているようです。
一例を挙げると、走行2000km台のトラック(2WD・5速MT・新車価格89万9000円)が約170万円、走行4万km台のバン(4WD・5速MT・新車価格131万250円)が約230万円といったもの(2023年6月中旬時点)。
1000台限定という希少さももちろんですが、実はスバルオリジナルのサンバー自体の価値がここのところどんどん上昇しているのも影響しているでしょう。
そもそもサンバーは「スバル360」のメカニズムを流用して生まれたモデルということもあり、初代から一貫してリアエンジンというレイアウトを固持してきました。そのため、積載時はもちろん空荷状態でもトラクション性能が高いというメリットが存在します。
また、こちらも初代から4輪独立サスペンションを採用していたことで、荒れた路面でも4つの車輪が独立して動くため、乗り心地はもちろん安定性が高いという特徴も備えていたのです。
そして5代目モデルから6代目モデルまでは4気筒エンジンを搭載していたというのもサンバーならではの特徴。3気筒エンジンに比べてノイズや振動の少ない4気筒エンジンという点に加えて、エンジンの搭載位置が運転席から遠いリアエンジンということで、快適性もライバル車に比べて高いというメリットも存在していました。
WRブルーリミテッドはNAエンジン搭載グレードがベースとなっていましたが、通常モデルにはスーパーチャージャー仕様が用意されていた点も見逃せないポイントです。
とくに軽トラックでは過給機(スーパーチャージャーやターボ)付きエンジンを搭載していたモデルはほとんどなく、サンバー以外では2000年までターボモデルが存在していたスズキ「キャリイ」程度。パワフルな走りを求める軽トラックユーザーにとってはサンバー以外の選択肢がない状態ともいえるのです。
このように、唯一無二の存在となった最後のスバルオリジナルサンバーだけに、WRブルーリミテッド以外のモデルも新車価格を超えるプライスタグが付けられたものも珍しくない状況です。
スバル製サンバーが気になっている人は、早めに行動に移したほうが良いかもしれません。
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