VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2018年チャンピオンチームでもあるレッドブル・レーシング・オーストラリアを運営するトリプルエイト・レースエンジニアリングは、そのVASCでの活動と並行して同チームのダブルエースで2016年VASC王者でもある“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンを擁して、ブランパンGTワールドチャレンジ・アジア(旧ブランパンGTシリーズ・アジア)に参戦すると発表した。
メルセデスAMG GT3を投入しチーム初のフルタイムGTカテゴリーデビューを決めたトリプルエイトは、チームの主要メンバーとして、連邦国家マレーシアで現在もジョホール州としてその一翼を担いながら、独立したジョホール・スルタン国の王室一族でもあるジェフリ・イブラヒム王子を迎える。
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そのパートナーにはマレーシア出身で国際的なシングルシーターや耐久カテゴリーでも活躍するジェズマン・ジェファーが起用され、全6戦中3戦にエントリー。残る3戦をSVGとシェアするプログラムとなる。
「この数年間、GTカテゴリーの成長を注視してきたが、VASCと並行してバサースト12時間耐久などで実績を残してきた経緯もあり、トリプルエイトを長期的にGTシリーズに関与させる考えが固まってきたんだ」と語るのは、チームのマネージングディレクターを務めるローランド・デーン。
「アジア地域は、私にとって常に世界の特別なパートであり30年間の大半にわたってビジネスを楽しんできた。そして2017年の創設以来、アジアでのブランパンGTの成長に注目してきたんだ」と、その経緯を語るデーン。
「このカテゴリーがますます成長を遂げることは間違いないし、トリプルエイトのポートフォリオを拡大し、チームメンバーに新たなモータースポーツ体験を提供したい。そのことがスーパーカーでの経験や蓄積にも良いフィードバックをもたらすことも願っている」
トリプルエイトとジョホール王室のつながりは強固なもので、その一部には2017年にジェイミー・ウインカップのドライブしたチャンピオンカー、ホールデン・コモドアVFの売却なども含まれている。
「プリンス・ジェフリは、長年にわたってトリプルエイトの良き支援者でもある。彼とともに働けることを光栄に思うし、同じくジェズマン(・ジェファー)やシリーズオーガナイザーのSRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)と仕事をすることも楽しみにしている」
4月6~7日のマレーシア・セパンで開幕を迎えるブランパンGTワールドチャレンジ・アジアは9月下旬までの全6戦が予定され、SVGは5月のタイ・ブリーラム、6月の鈴鹿サーキット、8月のヨンアム、韓国国際サーキットでのレースに出場予定となっている。
SVGにとってもGTカテゴリーは未知の領域ではなく、2016年にはヨーロッパのメインシリーズ、エンデュランスカップでマクラーレン650S GT3をドライブして勝利を飾っている。
「ローランド(・デーン)とトリプルエイトがアジアのGTレースに進出することにワクワクしているよ」と、プロジェクトのエースを任されたSVG。
「ジェフリ王子と一緒にドライブするのは本当にクールな出来事だ。彼は僕らのスーパーカーでのレースを観戦するために何度もオーストラリアに足を運んでくれているし、オフの期間にはドライビングレッスンを受けるため、ともにイギリスに行ったこともある。すでに彼とは良いチームメイトなんだ」
「もちろん僕のメインフォーカスはVASCでのタイトルだけど、2016年に初の王座を獲得したときは欧州のブランパンGTでも勝ち、バサースト12時間も制している。できる限りレースをすることが僕にとって最良のトレーニングみたいだね」
これまで3台体制でVASCを戦ってきたトリプルエイトは、大ベテランのクレイグ・ラウンズが昨季限りでフルタイムからの引退を表明したことで、2019年はウインカップ、SVGの2台体制となり、そのリソースを新たに下部シリーズのダンロップ・スーパー2とGTでの活動に振り向ける形となる。
2月初旬にマウント・パノラマ・サーキットで行われた2019年のバサースト12時間耐久レースには、その3名でトリオを組みメルセデスAMG GT3で参戦し、惜しくも表彰台にあと一歩の総合4位となっている。
「このレースを通じて理解したけれど、僕らはメルセデスという素晴らしいプラットフォームを有している。このAMG GT3は本当にオールラウンダーで、どんなタイプのサーキットに持ち込んでも競争力を発揮するマシンだと思うよ」
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