最新モビリティの乗り比べができる国内初の常設型体験施設「eモビリティパーク東京多摩」がオープン

地球環境に優しいEV（電気自動車）の浸透が進む中、他のモビリティについても非ガソリン化が進む。近い将来、eモビリティで移動するのが当たり前になる可能性も。

そんな息吹を感じさせる、国内初の常設型eモビリティ体験施設「eモビリティパーク東京多摩」が2024年11月29日にオープンした。今回はその体験レポートをお届けする。

「eモビリティパーク東京多摩」とは？

同施設は、東京都武蔵村山市にあるイオンモールむさし村山の「つむぐひろば」というイベント会場内にある。20種類を超えるeモビリティの乗車体験が可能で、最新モデルや免許不要の車種などを気軽に試せる場所だ。

これは電動バイクのアクティビティ施設「e-TRAIL PARK」を運営する株式会社キズキによるもの。東京都が「ゼロエミッション東京」にて、都内で新車販売される乗用車を2030年までに、二輪車を2035年までに、100％非ガソリン化を目指していることを背景に開設された。

●体験できるeモビリティ
・特定小型原動機付自転車（電動キックボード、3～4輪カートなど）：3台
（16歳以上であれば免許なしで乗車可能）
・原動機付自転車：11台（普通自動車免許で乗車可能）
・普通自動二輪：6台（二輪免許が必要）
※種類の数は時期によって変更あり

いずれもガソリンを使わず、電動で動く。原動機付自転車（以下、原付）や二輪バイクだけでなく、特定小型原動機付自転車として電動キックボードもあるため、あえてモビリティという言葉を使っている。

事前予約で枠を購入。1枠20分、220円（税込）の中で、2台まで乗車できる。2台以上乗車したい場合は、複数枠の予約も可能だ。

電動キックボードと原付を乗車体験！

今回は、普段から電動キックボードのシェアリングサービスをよく利用しているという男性、内田氏が電動キックボードと原付に乗車。

それぞれ講習動画の視聴とスタッフからの丁寧な説明の後で、怪我防止のためのプロテクターとヘルメットを着用してから乗車する。

会場には実際の道路を模したコースが用意されており、側溝や段差、スロープなど、実際の道路を走る感覚で体験ができるよう工夫がされている。



電動キックボードは、ハンドルを左右に切る（曲げる）のではなく、左右に倒すことで右左折ができる。普段二輪や原付に乗っていることから慣れない操作のため、最初はむずかしいと感じたが、三輪であることと身体が常に前を向いた状態で運転できるので、二輪より安定しており、安全性を感じる。

キックボードには乗ったことがあったので不安はなかったが、乗ったことがない人にとっては体験できる場所があるのは貴重だ。

原付は、電動だけあって音が静か。走っているときもアクセルを回したときの「スー」という音しか聞こえなかったのは新鮮だった。

若者から高齢者まで幅広い来場者

同施設は、16歳以上が乗車体験できる。eモビリティパークのスタッフによると、来場者は男性が8割で、20～30代の若者と年配者が多いという。

●来場者比率
20代　24.6％
30代　22.5％
40代　19.0％
50代　24.0％
60代　8.6％

男性 82％、女性 17.6％
（2024年12月12日現在　来場者アンケートの集計結果より）

「若い方の多くは電動キックボードを体験されていきます。純粋に電動キックボードに乗ってみたいという方や、初めての乗車で路上を走ることに不安を感じている方が多いですね。年配の方は、免許返納後の足としての期待を持って来場する方が多いです。電動キックボードはバランスが安定しているため特に期待されています」

一つの場所にこれだけ多くのeモビリティを集めるのは、日本初の試み。色々な機種を体験できる楽しみがある。実際に連続で何種類も体験する来場者もいた。

購入を検討する場合は、販売所を案内してくれるそうだ。これを機会にeモビリティライフを始めてみるのも良いかもしれない。

【施設概要】
施設名：eモビリティパーク東京多摩
所在地：東京都武蔵村山市榎1丁目1-34　イオンモールむさし村山 つむぐひろば
営業時間：11:00～18:00
定休日：月曜日、火曜日 ※祝日の場合は営業、翌日が休業日
（2024年12月29日～2025年1月7日は休業）
利用料金：220円（税込） /1回20分
※体験前の安全講習、ヘルメットや各種プロテクターの貸出を含む
利用可能な年齢：16歳以上（15歳未満は利用不可）
利用方法：事前予約制。公式サイトより要予約。
公式サイト：https://emobilitypark.jp

取材・文／石原亜香利