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【ランドローバーディフェンダー試乗記】V8スーパーチャージャー搭載の110で下界を見下ろす

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【ランドローバーディフェンダー試乗記】V8スーパーチャージャー搭載の110で下界を見下ろす

ランドローバー ディフェンダーにV8+スーパーチャージャー搭載モデルが追加された2024年モデルに試乗する機会があった。

5.0L V8+SCエンジンを搭載したディフェンダー110 V8。90にも同仕様が追加されたディフェンダーの現在のラインアップは90、110、130の3タイプがあり、5.0LのV8+SCエンジンは90と110に搭載されて登場した。1948年に誕生したディフェンダーは本格的なオフロード性能を持ちながら、英国市民の足として浸透したモデル。国内には2019年に現在のディフェンダーの導入があり、2020MYから発売されている。

カーメーカー間に横串を刺す技術研究組合を設立。次世代車両開発に必須のチップレット技術

オフロード性能ではアプローチアングル37.5度、デパーチャーアングルが28.5度あり、プロモーションでは45度の傾斜角の登坂シーンをアピールするなど、どんな場所でも走破する力を見せている。電子制御でのドライブモードは「テレインレスポンス」の名称で、さまざまな路面コンディションに切り替え、走行できる性能もアピールしている。

そして、このV8モデルには路面状況を自動判定し、手動でモード切り替えをせずとも走破できるテレインレスポンス2を標準搭載し、さらにダイナミックプログラムもあるので、オンロードでも力強い走りができる。また、サイドミラー下にあるカメラの画像を瞬時に合成し、ボンネット下の路面状況をセンターディスプレイに映し出すグランドビュー機能も搭載しているので、ノーズアップするような急登シーンでも状況が把握できるのだ。

試乗はそうした性能を試すハードなシーンではなく、都内でのオンロード試乗だった。モデルは110のV8+SCエンジン搭載モデル。110の車両サイズは全長4945mmと5mに迫る大きさで、全幅は1995mm、全高1970mmと迫力あるサイズ。ホイールベースも3020mmと3m超えとロングだ。

ちなみに、この110にはD300とP300、そしてP525と3タイプがあり、D300が一番人気でディーゼルエンジン搭載モデル。3.0Lの直列6気筒ターボで、300ps/650Nmとビッグトルクを発揮するユニットだ。P300は直列4気筒の2.0Lガソリンターボで300ps/400Nmと、こちらも高いパフォーマンスを持っている。そしてP525が今回試乗したV8+SCエンジンで、525ps/625Nmというビッグパワーユニットになっている。

5.0L水冷V型8気筒スーパーチャージドエンジン (最高出力525PS / 最大トルク625Nm)エンジン始動の瞬間、V8エンジンの咆哮とも言えるサウンドを聴けば、ある時代を過ごしたベテランドライバーの口元は緩み、目元も下がる瞬間を体感する。しかし、動き出すと静粛性は確保され、V8の形(なり)は潜み、爪を隠すようにスゥーッと走る。8速ATはシームレスにシフトアップを繰り返し、エンジン音が響き渡ることはない。

ドライバーズシート位置は高く、乗り込む時にトラックよろしくグリップを掴んで乗り込む仕草が必要なほど、車高が高い。そこから見下ろす景色こそ征服感を作り出す。その勘違いに浸りながら、加速体制に入ればV8+SCエンジン音は響き渡り、倍速で風景が流れるのだ。

試乗車にはオプションの22インチホーイルが装着されていたオフロードエキスパートのディフェンダーというイメージから都会派をも虜にするパワー、サウンド、征服感はライバル不在だ。2019年に国内導入した当時のターゲットライバルはジープブランドを想定していたと思うが、それは走破力からの位置付けだと思う。が、ランドローバーというプレミアムブランドからすれば、もはやオフロードだけにとどまらず、都会をも征服する様は唯一ディフェンダーというわけだ。

クラシック・ディフェンダーをオマージュした現行ディフェンダーはスクエアなルックスを基本にし、水平基調のラインやデザインコンセプトもオフロードをイメージさせる。丸目のヘッドライトや四角いテールランプなどのアイデンティティを引き継ぎ、前後は垂直に切り立ったようなデザイン。ひと目でディフェンダーとわかる存在感は所有欲をもそそる。

4本出しのエキゾーストがV8を象徴するそしてV8を象徴するかのように4本出しのエキゾーストもまた、ある時代の大人には響く。音量規制が厳しくなるなか、サウンドジェネレーターで車内には響き渡るものの車外では音が出ていないという昨今、マフラーから奏でるV8サウンドは時代を喚起する。

インテリアも水平基調のダッシュボードなどオフローダーならではのデザインを残しながら、現代のデザイン言語を取り入れ、フローティングセンターコンソールやタッチパネルのデジタルモニター、そしてアルカンターラのステアリングなど高級感もある。

ブラックを基調としたインテリアスペアタイヤを背中に背負うクラシックな作り込みとスクエアなエクステリア、いかにもオフローダーという空気を作りながらアーバンライフをも飲み込む懐の大きさを持ったディフェンダーV8+SCは記憶に残る一台だった。

諸元

車両本体価格

【ディフェンダー110 V8】1588万円(税込)

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