1951年以来、中断することなくこの24時間レースに出場する唯一のブランド・ポルシェ。
ポルシェAGの創始者、フェルディナンド・ポルシェの長男として生まれ育ったフェリー・ポルシェは、自身が夢見たスポーツカーである「ポルシェ356 "No.1"ロードスター」を1948年に製作した。この車は伝説的なブランドの誕生を記し、今日まで目覚ましい成功を収めているポルシェ伝説の基礎を築いた。2023年にポルシェスポーツカーの誕生から75周年を迎えるポルシェは、「ポルシェビジョン357」を発表し、世界各地で記念イベントを開催する。
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ、「デイトナ24時間レース」初日を成功裏に終える
「ポルシェの75年は、先駆者精神、情熱、そして夢を表している。私たちは、夢に触発される人々とともに祝杯をあげます」と、ポルシェAGの取締役会会長であるオリバー・ブルーメ氏は述べた。記念行事は、ベルリンの「DRIVE. Volkswagen Groupフォーラム」にて2023年1月27日(金)に始まる特別展「Driven by Dreams. ポルシェスポーツカーの75周年」で幕を開け、2023年9月10日(日)まで続く。来場者は、ポルシェの成功物語の展望と冒険に浸りながら、デジタルモジュールを使って自分の夢と価値観を記録することができる。
"Driven by Dreams"は、ポルシェブランドの本質を定義するものだ。さらにこのスローガンは、ポルシェを支える人々が世界中の顧客の夢を叶えるために日々取り組んでいるアプローチを表す言葉でもあるという。「私達は伝統を誇りに思っています。それは、未来の成功のための基礎となるものです。私達はポルシェの伝統を革新と進歩に結びつけ、ポルシェの比類のない物語に、新たに特別な瞬間を加え続けています」と、ブルーメ氏は説明する。
【写真18枚】先駆者精神、情熱、そして夢を表すポルシェの75年。
未来に向けて振り返るコンセプトの旅
ベルリンで初公開される「ポルシェビジョン357」がその代表的な例となる。ポルシェのデザイン部門であるスタイルポルシェは、ポルシェ356へのオマージュであるこのモデルにおいて、堅牢なデザインを現代に蘇らせ、未来のデザインフィロソフィーを体現する。その顕著な特徴と言えるのが、進歩的な未来への先見性を象徴するライト周りのデザインだ。フェリー・ポルシェの夢のスポーツカーが現在に蘇るなら、どのような車になるだろうか。その基本コンセプトは、伝統と革新の相互作用の反映にある。
「私たちは、ポルシェビジョン357という非常に特別なバースデープレゼントを造りました。これは、ポルシェ356をベースにしたデザインDNAの重要性を強調しています。このコンセプトスタディは、過去、現在、未来を論理的に融合する試みです。プロポーションは歴史的モデルを連想させ、ディテールは未来への展望を視覚化します」と、スタイルポルシェ責任者のミヒャエル・マウアー氏も述べる。368kW(500PS)を発生する718ケイマンGT4 RSのプラットフォームをベースにしたポルシェビジョン357は、卓越したスポーツカーの性能をも体現する。
デザインは、創業当初からポルシェの伝説を構成する重要な要素だった。明確なビジョンを備えたコンセプトスタディモデルは、紛れもない革新的なデザインの基礎を形成する。「未来を創造的に考えることは、スタイルポルシェの重要な役割のひとつです。コンセプトスタディは、未来のデザインの糧となるアイデアの貯蔵庫です。私達は絶えず、モビリティの未来に向けてコンセプトの旅を続けています。ブランドの歴史は繰り返しインスピレーションの源となってきました。未来のコンセプトカーで伝統を振り返ることは、それほど逆説的なことではありません。創造の自由度も重要です。ここから貴重なアイデアが生まれ、一貫したデザインフィロソフィーを革新的な新しい方向に向けて想像するのを助けます」と、マウアー氏はさらに述べる。
各拠点でのさらなる見どころ
ポルシェは、2023年2月23日(月)から同26日(木)まで、シュトゥットガルト郊外で開催されるクラシックカーカルチャーの代表的な見本市「レトロクラシック」を皮切りに記念行事を世界各地で展開。6月9日(金)には、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンのポルシェミュージアムで、大規模な特別展が開催される予定だ。ポルシェドイツは、このアニバーサリーのハイライトとして6月10日(土)と11日(日)にホッケンハイムリンクで"Festival of Dreams" (夢の祭典)を開催。同地のポルシェ・エクスペリエンスセンターでは、ブランドの歴史、現在、未来を展示する。
車両の展示、「ドリームトーク」、ライブ、さまざまなテーマに沿った体験など、ポルシェ愛好家、ポルシェクラブ会員、カーコミュニティー、ファン、そしてあらゆる世代の顧客に、多くの見どころと魅力的な体験を提供するという。小さなお子様には、「キッズワールド」エリアがお勧め。また、"Festival of Dreams" (夢の祭典)では、特別に「バン」エリアが設けられ、宿泊のオプションも提供します。そして、モータースポーツが大きな役割を果たします。ホッケンハイムリンクではポルシェカレラカップ ドイツ、ポルシェカレラカップ ベネルクス、ADAC GTマスターズが行われるほか、同じ週末に開催されるル・マン24時間レースのライブ中継も実施する。
世界各地でロードショーや展示会を開催
「ポルシェスポーツカーの75周年」の特別展は、ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館、世界で最も標高の高い自動車展示場となるグロースグロックナー山、ルツェルンのスイス交通博物館でも行われる。さらに、"Driven by Dreams"の展示資料は、アニバーサリーのために特別にデザインされた「ヘリテージトラック」によってヨーロッパと米国の60ヶ所以上を旅する。世界各地での活動は2023年9月28日(木)から10月1日(日)までカリフォルニアで開催される「レンシュポルト・リユニオン」で締めくくられる。
911の60周年とル・マンの100周年
「ポルシェスポーツカーの75周年」の記念の年には、ほかにも2つの大きなアニバーサリーがある。911の60周年とル・マン24時間レースの100周年だ。1963年9月のフランクフルトモーターショー(IAA)で発表されて以来、911は人々を魅了し、そのアイコニックなデザインと比類ないドライビングエクスペリエンスで世界中のスポーツカーファンの記憶に刻まれた。世界で最も有名な耐久レースの主催者にも、祝賀の理由があるという。2023年6月10日(土)と11日(日)に、サルトサーキットでル・マン24時間レースの100周年を迎えるのだ。スポーツカーメーカーの誰もが、ル・マン24時間レースでの成功を夢見る。
ポルシェは、このフランスの耐久クラシックと特に深い関わりを持っており、ル・マンで最も成功を収めただけでなく、1951年以来、中断することなくこの24時間レースに出場する唯一のブランドでもある。この間にポルシェは、クラス優勝110回、総合優勝19回を達成している。
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